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昨日のことは考えないようにしながら学園についた。ミネルヴァを探したが、見当たらず、もう授業が行われる教室に入っていると思われた。


自分もその教室に行こうとすると、知らない女生徒達が数名自分の前に立ち塞がった。


「ふーん、服とかそんなでもないけど顔はまあまあなんじゃない?」あくまでもまあまあのレベルだけどさ、と彼女達はリデルを眺め回しながら言うのだった。


「それでやたらに自信持って盛大に勘違い行動とれるんだわ。普通は無理だもんねえ。」名も知らぬ相手なのに、いきなりそんなことを言ってくる。


「なんでしょうか?」はやく教室に入らないと授業に遅刻扱いになる。態度が悪いと減点されてしまう…道を開けてほしい。


「あなたでしょ、ジェイド様と結婚したがってる女って」

「凄い心臓よねえ」


うわ…やはり噂になってしまったのか…あんなに本人と話しているときに自分はそんなつもりありませんと、はっきり否定したのに。まわりにも聞こえたと思うのだが。


「いきなり彼のご両親に、息子さんと結婚させろとか、本人の了解もなく言いに行くなんてねえ。信じられないわ。」


そんなことはしていない、と口を開こうとしたところ、後から声がした。


「それだけ彼が素敵だっていうことでしょ。ま、この娘の気持ちはわからなくはないわ。」


その発言をしたのは彼の取り巻きの一人、シェリル嬢だった。ややふくよかな体を揺らしながら優雅に歩いて来る。


「あなた、変なことをいきなりしたものよねえ。これまで口も彼ときかずにいたのに。


もしかしてそれでかえって思い詰めすぎたのかしら?」


「いえ、本当に私の方からは何もしてないんです。あれは誤解だと思います。」


「ふ~ん…」シェリル嬢は私は信じてないけど、的な顔でこちらを見ている。さほどこちらに対して攻撃的ではないのは意外だ。


「まあ、そういうことにしておいてあげてもいいけど。


それにしても、ジェイド様のあの言い方は、取り巻きの私としてももう少し考えるべきだとは思うの。


あなた災難だったわよねえ。真偽はともかく、未婚女性に対して何もこんな人前であんなこと言わなくてもいいのに。


あの方は、これまで身分を問わずいろんな女性からアプローチされてきてて、中にはかなり強引なものもあったのよ。


そのため、それまでのストレスが一気に噴出したのかもしれないのよねえ。」


「はあ…」それでこの方、こちらに少し同情的になったのか。


でもジェイド様、何もしていない私に、積もったストレスを噴出しなくてもいいんだけど!


しかしこの方も私がアプローチした前提は崩さず話されているんだなあ。


授業がまもなくはじまるので、とことわりをいれ、ようやく教室に入りミネルヴァのそばに座った。すぐ授業が始まった。遅刻扱いにはなんとかならずにすんだ。

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