表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
color²  作者: りくや
第一章 リアン第一支部入隊試験
26/40

第一章(26) 入隊試験(14)

それぞれが手に持っている鞭と鎖を反対の手で引っ張りながら、少しずつ距離を詰めてくる。


「それじゃあ私たちからやりましょうか」


「そうね、たっぷり可愛がってあげなくちゃ」


少し話したと同時に攻撃の構えを取り始めた。

先ほどまでと空気が変わる。

お話タイムはもう終わりといった感じだ。


「どう来る……?」


一度だけ攻撃を見たといっても戦い方はまだ全く見ていない。

ハクもまた防御の構えを取った。


「それじゃあ行くよ!坊や!」


向かって左側にいる女が鞭による攻撃を始めた。

かなり早い速度を維持したまま、体に目掛けての一撃。

鞭のリーチもかなり長い。


「とりあえずはあの人たちの戦い方を知りたい。いつも通り様子を見よう」


その一撃を後ろに跳んで回避するハク。

攻撃を避けたと思ったがそうもいかなかった。


「甘いよ!」


ハクが後ろに跳んだと同時に右側の女が鎖を振り回した。

こちらもリーチは長く、後ろに跳んで距離が空いても届くくらいだ。

初速は鞭より劣るがだんだんと速度を上げていく。

空中では回避できないため剣で攻撃を捌く。

ガキンという大きな音が鳴る。


「重っ!」


想像以上の威力に体が吹っ飛ばされる。

何とか受け身を上手く取り、次の攻撃に備えた。


「まだまだこんなものじゃないわ!」


二人同時に走ってくる。

鎖を持ち、投げるような動作を取る。

頭を狙った上から下への攻撃。

かなりの力を使っているようだが、簡単に扱っている。


「それなら!」


今度は空中には回避せず、体を横にして避ける。

鎖の攻撃はそのまま地面に当たり、かなり大きな音を立てた。

地面の一部分が壊され、煙が舞い、瓦礫の破片が飛び散る。


「すごい威力」


攻撃された方を見て驚く。

その隙を見逃さない者がいた。


「そっちを気にして大丈夫かしら!」


もう一人の女が鞭の攻撃をする。

回避が間に合わないと判断をし、腕の防御で攻撃を抑えた。

しかし、それだけでは攻撃は終わらなかった。

横から鎖が向かってきていたのだ。

地面に攻撃が当たった鎖は、一時的に煙で隠されていた。

そして鞭の攻撃が当たったと同時に、再び鎖の攻撃を始めたのだ。


「ぐっっ……!」


なんとか剣で防御をすることができたが、再び体を吹き飛ばされてしまう。

さらに攻撃を続けるつもりなのか、女二人はハクの方へとゆっくり近づいて来ていた。

その間に体勢を立て直しながらハクは考える。


「連携攻撃か……」


先ほどの戦いと違い、今度は完全に協力をして攻撃してくる。

しかも思った以上に息が合っている。


「結構厄介かも……」


二度攻撃を受けただけではあるが、そう思わせてくるような攻撃だ。

鞭と鎖の特性を考える。

鞭は扱いやすさもあり、速度も速いため攻撃がとてもしやすい。

ただ威力は低いため決定打にはなりにくい。そこで鎖の出番だ。

鎖は鞭よりも重く攻撃の速度は遅い。しかし、その分威力はあるため決定打になる。

だからその分警戒もされやすい。二回目の攻撃は囮として使われたのだろう。

それぞれが起点を作り、作られた隙を生かして攻撃をする。

つまりはお互いのメリット、デメリットをそれぞれカバーし合っているということだ。


「始まったばかりだけど大丈夫?まさかこれくらいで終わったりしないわよね、坊や?」


「まだ全然大丈夫です。そちらも本気出してないと思いますし」


実際まだ本気は出していないと思う。

まだ小手調べといったところだろう。相手も相手で様子を見ている。


「良かったわ。あれくらいで終わったりでもしたらつまらないもの。あなたもそう思うでしょう?」


随分余裕そうな表情である。


「まぁ、子供にしては頑張ってる方ね。私たちの攻撃を完全には受けていないんだし」


「そうね。鞭もちゃんと防いでるし、あなたの鎖も防いでいる。あの男たちと一人で戦ってただけはあるわ」


仲良くガールズトークをしているとも言える。とはいっても内容はかなり物騒である。

これがデザートやファッションの話だとしたらどれだけ平和だろうか。


「それじゃあもう少し楽しみましょうか」


そう言うと女二人は別々の方へと歩き始めた。

左右に分かれてハクを挟む形になった。

二対一をする場合は圧倒的に有利になる陣形である。


「まぁ、もちろんそうしてくるよね」


だが、ハクもこうしてくることは予想していた。

今までは二人を同時に視界に入れることができていたが、これで不可能になった。

しかも今回は息を合わせて攻撃してくるため、かなり戦略的にも適している。

ここからが本番かもしれない。


「どっちから攻撃するでしょうか?考えてみてね」


完全にこちらを弄びながら戦っている。

どっちかと聞かれたら圧倒的に後ろの可能性が高い。

前にいる人は鞭を持っている。つまり後ろは決定打になる鎖だ。

前を見つつも、後ろの警戒に集中をする。


「それじゃあ行くよ!『暴れ回る鎖』(ランページチェーン)!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ