表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
color²  作者: りくや
第一章 リアン第一支部入隊試験
17/40

第一章(17) 入隊試験(5)

「さっきのは一体……」


グランと同じく強さを感じることが出来るようにでもなったのだろうか。

でもさっき感じたのは強さではない『何か』だ。

見た目や特徴を分析した時には何も感じなかったのもよく分からない。

一つ思い当たることがあるなら、戦いに向けて歩き出したということくらいだ。

つまりは戦闘態勢になったということ……かもしれない。

考えても真相は分からない。

歩いていた方を見るが、そこにもう姿はなかった。

既に部屋の奥へと向かったのだろう。

ずっと考えても仕方がない。これで試験に影響が出たら大変だ。

気持ちを切り替えておく。


しばらく待っていると番号が呼ばれた。

先に部屋の奥へと歩いていく四人を見る。

順番を待っている二人の姿ではなかった。

少なくとも今は戦う心配はなさそうだ。

そのまま進んでいくと、また複数人の係員が待っていた。

番号と武器の確認をされる。

武器については不備や細工がされていないことの確認だろう。

全員の準備が済むと、別の大きな道へと案内された。

その先には明るい光が見えている。

光に向かって歩き進んでいくと外に出た。


「こちらが今後の試験が行われる舞台となっております」


係員が説明を始める。

話を聞きながら舞台の方に目を向ける。

大きさとしてはそれなりに大きい。

形は円型になっており、その周りには観客席が見える。

舞台の下は水などもなくただの地面。舞台上には雲一つ青空が見えていた。

観客席があることもあり闘技場みたいだと思う。

実際リアン本部には闘技場があり、そこで行われる大会もある。

不定期に開催されている政府軍の最強を決める戦いだ。

この大会には一般の方々も見ることができ、かなり多くの人が来る。

配信など外部からの観戦も可能だ。

目の前にある舞台は闘技場のオマージュなのかもしれない。


「詳しい説明については、ブル試験官が言われた通りになっています。

悔いのないように頑張ってくださいね」


係員の説明が終わった。

周りにいる四人の試験者が舞台の上へと向かっていく。

その後にハクも続いていった。それぞれが指定の位置につく。

四人の方を見るが、全員準備万端という様子だ。

集団戦は初めてではないが、正直あまり経験はない。

しかも今回に至っては全員が敵という状況。

誰に狙われて戦うのか全く予想もつかない状況だ。

場合によっては、二対一なんて状況になるかもしれない。

不利な状況になったとしても慌てないことが大切だ。

どんな人も必ず隙はある。そこをしっかり見抜いていこう。


「では、これより試験を開始します」


全員が戦闘態勢に入る。


「始めてください!」


係員の合図とともに二人の男が動き出した。

一人は武器を別の二人の方へと投げ、もう一人はハクの方へと向かってくる。


「こっちに来た!」


真っすぐにハクの方へと走っていく。

距離が近くなると武器を取り出して攻撃を仕掛ける。


「でりゃあああ!」


武器を両手に持ち、突いて攻撃をしてくる。

ハクは、顔や足を狙ってくる攻撃を連続で躱す。だが、攻撃のスピードがだんだんと速くなっていく。

躱すだけでは対処できないと思ったのか、剣を抜いて攻撃を捌く。


「あの武器は『釵』」


攻撃を捌きながら考える。


「昔、書物で見たことがあった気がする。確か一般的に見ることが少ない武器の一つ。

一部の集落とかに住んでいる人が使う武器だったっけ。使ってるところを見るのは初めてかも」


攻撃のスピードが一瞬遅くなる。


「それに攻撃手段は一つじゃなかったはずだ……」


男が手に持っていた釵をハクに目掛けて投げた。


「投げか!」


投げられた釵を咄嗟の判断により剣で弾いて攻撃を防ぐ。

弾かれた釵をそのまま拾い上げ再び突き攻撃へと繋げていく。

ある程度攻撃をするとまた釵を投げてきたが、一度見た攻撃なので難なく釵を弾く。


「釵は拾わせない!」


釵を拾うと予想したハクだったが、その予想は外れた。

男がしてきた次の攻撃は蹴りだったのだ。


「地面に落ちた釵はおとりか!」


蹴りを両手で防ぐも体は後ろへと下がっていく。その隙に釵を再び拾い上げ攻撃を続ける。

かなりの経験を積んだ者しかできない一連の攻撃の流れである。


「さすがにさっきの試験みたいに甘くはないか……」


このまま攻撃を捌き続けることは出来るかもしれないが、相手の攻撃手段はまだあるかもしれないし息もまだ上がっていない。

この状態が続いても体力と集中力が削られていくだけだ。


「仕方ない、反撃するしかないか……」


次の攻撃を考えていた時だった。


「おい!そっちの戦いはまだ終わらねぇのか!こっちはとっくに終わってるぞ!」


舞台上に大きな声が響く。

攻撃をしていた男の手が止まり、攻撃が終わったことで一歩後ろへと飛ぶハク。

声のした方を見てみる。

そこには既に場外へ落ちた二人と、最初に動き始めたもう一人の男が立っていた。


知っている方もいると思いますが、武器のサイについて軽く説明を書いておきます。

釵は琉球古武術で使われている武器の一つだそうです。

形がかんざしに似ているので釵と呼ばれるようになったとか(めちゃくちゃWikipedia)

個人的に見た目は普通に好きです。気になった方は調べてみてはどうでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ