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color²  作者: りくや
第一章 リアン第一支部入隊試験
10/40

第一章(10) 海鮮焼肉洋風(以下略)が意外と美味しい

書きたいところまで書くぞ!と思って書いたら、やたら長くなってしまったので前回と今回で分けています。

露骨にどっちかが長くて短い!とはなってないことを祈ります。

「いやぁ、君たちのおかげで助かったよ。礼を言わせてほしい。本当にありがとうね」


店長さんが僕たちに言葉をかけてくれる。

お店の被害も少なかったし、店長さんも一般の人も特に怪我はなかった。

グランのおかげもあってこその結果だ。ここで出会えて良かったな。

色々と考えていると隣からグーという大きい音が聞こえてきた。


「悪い悪い!店に入ってから何も食べてなかったからよ、腹減ってるの忘れてたわ」


ハハハと笑いながら言うグラン。

確かに想像以上に時間経っちゃったな…。

もう少ししたら夕食の時間になりそうだ。

さっきまで大変だったし、迷惑になりそうだから他のお店でも探そうかな。

そう思っていたが、店長さんから提案を出してくれた。


「君たちのおかげで今回は無事に済んだんだ。それに迷惑もかけただろうし、元々ご飯を食べに来てくれていたんだろう?お礼にご馳走をしたいんだがどうだろうか?お代はいらないよ」


とてもありがたい提案だけどそれはそれで迷惑になりそうだな……。

なんて思っていたが、グランが横で食べる気満々でいたのでお言葉に甘えることにした。

店内に入ると、お客さんは誰一人としていなかった。

店員が皿を片付ける音や掃除をしている音だけが聞こえる。

先ほどまで戦っていたところは戦闘の跡があるとはいえ、ある程度綺麗になっていた。

厨房に一番近い席に案内され、注文を聞かれる。

グランは当初の目的と変わらず、海鮮焼肉洋風鍋焼き中華パン揚げ和風カレー丼~お好きな麺を添えて~を頼んでいた。

せっかくだし、自分の好きな料理を頼むことにした。

僕の好きな料理は和食である。

住んでいたケイの名物の一つである。

ずっと食べているうちに好物になっていた。

注文を聞き終えると、店長が店員を呼び集め料理を作り始める。


その様子を見てハクは思った。

本当だったら、今日の厨房は閉店まで今の状態が続いていたのだろう。

だけどあの二人組が来たせいで狂ってしまった。

トラブルがない日が続いていくのは理想的なことだが、そんなことは滅多にないだろう。

だがあそこまでのトラブルは稀だ。

普段当たり前の日常が続いていくと思っていても、何かの歯車がずれることで状況は変わっていく……。

些細な事、命にかかわること。規模は様々だ。

だからこそ……


ハクは考えていた。


平和な生活が続いていくことが当たり前ではないということを――。




その後、料理がテーブルに置かれた。

予想していた通り、グランが頼んだ海鮮焼肉洋風鍋焼き中華パン揚げ和風カレー丼~お好きな麺を添えて~は大きかった。

いただきますとグランは言って、勢いよく料理を食べていく。

美味しそうに食べるなと思いつつ、ハクもいただきますと手を合わせて料理を食べる。

久々に食べるお店の料理。今日の疲れを飛ばすくらいのおいしさだった。

しばらくすると、グランが話しかけてきた。

ハクも食うかと聞かれた。あんまり食べることはないだろうし、気になることは気になる。

せっかくだし料理を一口もらうことにした。

料理を口に運ぶ。




これは……!想像以上に美味しい。

魚の食感と肉の脂身、それを美味く焼いたり揚げたりすることで上手くまとめあげている。

しかもそれだけではなく、合わないと思った和と洋、中華が絶妙にマッチしている。

そして、鍋の要素やカレーの要素もあることで味としてもインパクトもある。

極め付きは添えられている麺だ。最初から巡り合う事が決まっていたかのような奇跡のトッピング。シメとしても非常に優秀という事まで兼ね備えている……。


やるな!店長!

店長の方を見るとニヤッと笑う顔が見えた――。




それぞれ料理を食べ終え、店長に礼を言った後外に出た。

ちなみにグランは、あの料理を14分で食べ切るという大食いっぷりを見せた。

そしてデザートもちゃっかり付いていた。

デザート、付くんだなぁ……。


「ハク、お前はこれからどうするんだ?俺は宿に泊まる予定だ。

宿がないなら別の部屋があるか聞いてみるが」


グランがハクに尋ねる。

入隊希望者は、一般的に宿は自分で探すことになっている。

だが、たまにそのことを忘れ野宿する者もいるらしい。

ここまで歩いて来てるし、野宿には慣れてるけど……と思うハク。


「いや、大丈夫だよ。近くのホテルに泊まる予定だから」


さては金持ちかと突っ込まれたがそういうわけでもない。

いや間違ってもないかもしれない。

そんなことないよと返す。


「明日は入隊試験だな!少し緊張もするが俺の実力をしっかり見せないといけねぇ。

今までの努力を無駄には出来ないからな!」


力強く意気込むグラン。

確かにここまで来た目的は、明日の入隊試験に合格することだ。

グランもこれまでかなりの努力をしてきたんだろう。

少なくとも今日の戦いで、その片鱗を見れた気がする。

それに明日はグランみたいな人が何人いるかは分からない。

気を引き締めていかないと。僕も負けてられないな……。


「それじゃあまた明日試験会場で会おうぜ!」


そう言って宿に向かったグランを見送って、ホテルに向かった。

夜の街を歩く。昼は賑やかだった街も今はだいぶ落ち着いていた。

仕事終わりや外食帰りの人々が話をしながら帰っている。

そんな人々を暖かい色の街灯が照らしていた。


少し歩いた後、ホテルに着いた。手短にチェックインを済ます。

そして、部屋に向かい荷物を置く。お風呂を済ませ、明日の準備をしてからベッドに入る。

今日は色々なことがあったなと思い出す。

レンジさんと出会って貴重なものを見せてくれたし、話もしてくれた。

グランとも出会うことが出来たし、いきなり物騒なことも起こった。

結果的に何も被害がなくて良かったけど。

けど、今大事なのは明日だ。

僕もこれまで色々な努力を続けてきた。

時には挫折しそうになった時もあったし、危ない状況に陥った時もあった。

ケイにいた時にお世話になった人たちの期待も背負ってるんだ。

その努力を明日出し切らないといけない。

父さんとの約束を果たすためにも……。


そう意気込んだ後、ゆっくりと目を閉じる。




夜風の音と寝息が聞こえていた。


一度こういうタイトルにしてみたかったのでしてみました。

一応関係ありますもんね。ちょっとだけど…。

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