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オリハルコン電池の性能

 トヨタ自動車から、オリハルコン電池の報告とお詫びのため、担当者が来た。

 俺としては、異世界で携帯を充電できるようにと開発した道具だったが、この地球ではとんでもないオーバーテクノロジーだったそうだ。


 だいたい5cm四方の立方体で重さ1kgしかないのに、電気自動車を3000km走行させたそうだ。

 そこで、技術者がどうなってるのか分解して調べようとしたそうだが、破壊できなかったそうだ。

 そりゃそうだろ、オリハルコン電池の外装はミスリルだ、ミスリルに傷がついたという話を俺は聞いたことがない。


 一応、超高温にすると蒸発するのでは?と言われているが、異世界ではミスリルを蒸発させるだけの温度は出せなかった。

 魔石炉でも無理だったそうだ。


 念のために言っておくが、異世界でも魔石炉無しでチタンを溶かすだけの技術力はあった。

 魔石炉を使えば、チタンどころかタングステンですら溶かせる。

 ちなみに、さっきから言ってる魔石炉の素材がミスリルだったりする。


 どうやらトヨタ自動車の技術力でも、ミスリルは破壊不能だったようだ。

 オリハルコン電池を勝手に破壊しようとしてすまなかったと詫びを入れてきた。


「オリハルコン電池が軽いで、その分車体重量が減った事もありゃーすが、それを差し引いてもどえりゃー性能です。」


 ちなみに、現在の電気自動で3000km走るとなると、電池の重さは500kgを越えるそうだ、めっちゃくちゃ重いな。


「僭越ながら、特許申請をした方がええとおもやーす。

 我々トヨタ自動車がご協力させていただきます。」


 特許申請には、設計図とか製造ノウハウとか、そういう物が必要になってくる。

 トヨタはオリハルコン電池の作り方を知りたいんだろうな。

 まあ、隠すほどの物でもないから、いいけど。


「他国が特許取って使えなくされたら、嫌だもんね。

 構造はとても単純だから、特許が通るかどうか分からないけど。」


 そこでトヨタの担当に、こちらから条件を提示した。


「あと、俺は特許で不労所得とか考えてないから、国際機関とかに権利を移して、全世界で使えるようにしてほしいんですけど。」


「国際出願ですか。

 あれはPCT条約に加盟しとる全ての国に対して出願したのと同じ効果があるだけで、取得手続きは国ごとに行う必要がありゃーす。」


「面倒ですね。

 とりあえず国際出願して、審査が通ったら、日本・アメリカ・韓国・中国の特許取得手続をお願いします。

 その上で、国連とかに特許権を譲渡してください。」


「わかりました。」


 そこで俺は担当者に、オリハルコン電池の作り方を教えた。


手順①

 オリハルコンの立方体を鋳造で作る、この際注ぎ口とアガリ(ガス抜き穴)が後の電極になる。


手順②

 オリハンコンの立方体に、水で練ったミスリルの粉を塗りつける。

 もしかしたら、スプレーで吹き付けてもいけるかも知れない。


手順③

 高温・高圧にして、ミスリルを固める


「あの硬いミスリルをどうやって加工するのかと思いましたが、元は粉末なんですか。

 ミスリルの加工法も特許申請しておきましょう。」


「はい、ミスリルは高温・高圧にすると、固まる性質があるんです。

 一度固まると、何がなんでも変形しませんけど。」


「再生利用できませんか?」


「ダンジョンのDPに再生できますが、そのままミスリルの粉にはなりませんね。」


 トヨタには特許申請の手数料として、ミスリルとオリハルコンを50kgずつ供与する契約を交わした。

 オリハルコンとミスリルは、俺も100tしか持ってないから、プラチナみたいに大量に渡せない。


 一応手に入れる方法はある。

 ダンジョンで、ドラゴンクラスのボスを倒すと、低確率でドロップするのだ。


 ドラゴンクラスのボスがいるダンジョンは、今のところ北海道に作った雲のダンジョンのみであるが、将来的には、アルカトラズダンジョンも、ドラゴンがボスになる気がする。


 これからは、オリハルコンやミスリルの保有量が重要になってくるな。

 金銀プラチナが貴金属の代名詞だった時代は終わるだろう。

 いや、金は半導体生産に必要だから、終わりはしないかな。


「あと、オリハルコン電池は、不思議な事に、電気以外に魔力を貯められるげな。

 使用時は、魔力と電力のうち、都合がええ方が出力されやーす。」


 魔力と電力を同時に蓄積できるのは知ってたけど、蓄積された魔力を電力として使えるのは知らなかった。


「え?それじゃ、魔力で発電できるんですか?」


「そうとも言えやーす、電気を完全に使い切った状態で、電極抜いて放置すると、魔力が充填されて電気を使えるようになりやーす。

 ただし、このせきゃーの濃度を越える魔力は蓄積できません。」


 後で試してみたが、蓄電してDPを取り出す事もできた。

 思った以上に高性能だ。


「最悪バッテリー切れになったら、その手が使える訳ですか、便利ですね。

 それも特許申請の際に記入しておきましょう。」


 この特許の手続で、各国の思惑も見えて来るかな?

 それをもとに、ダンジョンを作る優先順位を立てるのだ。


 その前に・・・うちの政府大丈夫なんだろうな、ちゃんと俺が言ったこと覚えてるんだろうな。

 言葉のチョイスがおかしい場合も、誤字脱字報告でお願いします。

 特に今回は、名古屋弁を使いましたが全く自信がありません。

 愛知県在住の方がいましたら、誤字脱字報告をお願いします。

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