表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

プロローグはいかがですか?

 突然だが、みんなは見知らぬ幼女から刃物を向けられたことはあるだろうか?

 もし経験者がいたら教えてほしい。

 今まさに俺、鬼灯(ほおずき)(みちる)がその状況下に立っているからである。

 刃物を持った幼女は確かな殺意を持った眼差しで、今にもこちらに飛びかかる勢いで息を荒くしていた。

 人形のように精巧な顔立ちに反して、腰まで伸ばした髪の毛がボサボサとなって枝分かれしている。

 そんなアンバランスな幼女の姿が余計俺の恐怖心を仰がせた。

 とはいえ、たかが幼女である。

 対して、俺は十六歳の男子高校生だ。

 力では負けるはずがないのだ。

 むしろ説教してゲンコツでも食らわせて――。

「すみませんでしたあああ!命だけは勘弁してくださあああい!なんでもしますからあああ!」

 されど刃物――。

 幼女に泣きじゃくりながら土下座をする男子高校生の姿がそこにはあった。

 俺である。

「じゃあ……」

 ここで幼女が初めて口を開いた。

 俺は泣き止み、地に付けていた頭を上げて幼女の顔を覗き見た。

「私のことを、買ってください」

「……………へ?」

 幼女の言葉を聞いて、俺は土下座の体勢のまま真顔の幼女を見つめることしかできなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ