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7.好客

だいぶ期間空いちゃいました! 申し訳ない!!

 みゃうみゃうみゃう――


 アミョーたちが花畑を走り回ってあっちこっちで小競り合いが起きてる。大きく羽を広げてバタバタするから、埃っぽいにおいが花畑をただよってる。


「それで、どうしてここに来たの?」


 ペードが地面にあぐらをかいた。


「ずっとカタッカたちに乗ってるから、動かない地面に慣れないんだ」

「そうそう! 目が回ってぱたーんってなりそうになる」


 マレンポーたちも地面に座るから、こっちのみんなもあぐらをかく。


「陸(おか)酔(よ)いだね。船にずっと乗ってると陸に戻るとゆらゆら揺れてる感じが続くよね」

「エーヴェ、船乗ってるけど平気です!」


 にこにこしてるジュスタに、両手で強いポーズをする。


「あ、そうか。海と空だと違うのかな?」


 海ってことはこの世界の話じゃないのかも。


「それで、お影さまってだあれ?」

「え! ペードはお影さま知ってますか?」

「お屑さまが教えてくれたよ!」

「おくずさま?」

 ――そうじゃ! わしがおるのじゃ!

 お屑さまがぴこんぴこんする。


「ああ、ごめんごめん。ちょっとわたしに話させてくれますか?」


 マレンポーが両手でみんなを押し留めるしぐさをした。


「わたしたち、竜さんの側で暮らしてますけど、この世界のことほとんど知らなかったんですよ。竜さんは無口なタイプなので、アミョーから教えてもらうほうが多いくらいです。でも、数日前に竜さんの背中にお屑さまがいるのにナーム――ここにいないもう一人です――が気づいて……」

「なんと! もう一人のおくずさま!」

 ――わしがおるのじゃ! わしではないが、わしなのじゃ!

「それで、いろいろお聞きしたと言うことですか」


 盛り上がったところで、ニーノが冷静に話を戻す。


「そうなんですよ。この世界に他にも竜さんがいるとか、竜さんの側にいる生き物のことを付き人というとか、そういうのを教えてもらったばかりで。いやあ、妙に長生きだし、年を取らないような気がしてたけど、それも竜さんの側にいたからだったなんて驚きました」

「竜さんが地(ち)馳(はせ)さま? なんて、さっき聞いたもん!」

 カウが唇を尖らせてる。


 ――わし、地馳さま。知ったぞ。


 地馳さまが合いの手みたいに声をかけてくる。


「竜さんは自分が地馳さまなの、いつ知ったのー?」


 ペードが大声を出した。


 ――わし、地馳さま。前から知ってた。たぶん。思い出したぞ。

 ――地馳はずっと地馳なのじゃ!


 お屑さまがぴこんぴこん主張する。


 ……なんだか不思議。竜さまは竜さまに竜さまの言葉で名前を付ける。お影さまはあだ名だ。

 じゃあ、いったい誰が地馳さまにあだ名を付けたのかな?


「それで、あなたがたが来ることはなんとなく分かったんですが、目的までは聞く暇がなくて」

「分かった! お屑さまがべらべら好きにしゃべっから、質問ができねーんだろ!」


 システーナが笑いながら、手を叩く。


 ――シスは無礼なのじゃ! わしではないがわしは、この星(せかい)について説明しておったのじゃ! 素晴らしい知識なのじゃ!


「きっとマレンポーたちも、口を開けるのを怒られましたよ」

 ――当たり前なのじゃ! 口を開けておっては邪気が入るのじゃ!

「あー! そっか、腕輪にくっついてんだ!」

「それがあったら、ナームもこっちに来られるよ」


 お屑さまをのぞき込んでたカウとペードが腕輪に気がついた。


「腕輪は一つしかないですけど、止まり木はありますよ。持って来ますね」

「ああ、ありがとう。よければあとでお互いの持ち物を交換しませんか? おそらくお互いに未知の物を持っているでしょう」

「それは、ぜひ」


 ニーノが頷く。マレンポーとニーノは、それぞれの座の代表みたいな感じ。マレンポーがにこにこしたり、目をきらきらさせたりするから、無表情のニーノとは対称的。


「わたしたちは古老の竜さまにお会いするために、この船で旅をしています。途中で、他の世界からいらっしゃった竜さま」


 船の近くで丸まってるお影さまのほうに目を向ける。お影さまは羽の下に頭を隠して、ぐっすり眠ってる。


「あちらのお影さまにお会いし、地馳さまの元にお連れしました」

「え? なんで?」


 ――影はまだ雛なのじゃ! 物を知らんのじゃ! 地馳が教えるのがよいのじゃ! ここからならば、影の元いた座も近いのじゃ!

 ――わしらは長居できぬゆえ、地馳に頼みたい。


 竜さまたちが説明してくれる。


 ――影、寝てるぞ。わし、地馳さま、走る。合わんぞ。


「おお……」


 どうやって教えるのか分かんないけど、活動時間帯が違うと難しそう。


 ――影はじきに起きる。

 ――そうじゃ! 影は竜の座が初めてなのじゃ! 学ぶのじゃ!

 ――合わんが、客ぞ。客はよいぞ。


 地馳さまはべろっと舌をひらめかせた。

 ……もしかして、話がまとまったのかもしれない。


「止まり木、持って来ました」


 ジュスタが船から戻ってきた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 待ってました! なんともう一人のお屑さま。 びっくりです。エーヴェたちのお屑さまとちょっと性格が違ったりするのかな。 地馳さま、走る竜さまなのでマレンポーたちの生活がどんなのか想像がつかな…
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