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4.新たな技

10日も空いてしまいました!

がんばります!

「ああー、これは……」

 ジュスタは苦笑いで頭をかく。

「お? ジュスタ、どうしましたか?」

「んー。岩場に残った微かな跡を探してたから、これはもう分からないかな」

 お骨さまとントゥはあっちこっち走り回ってる。

 ……きっと、痕跡はもうぐちゃぐちゃ。

「もー! ントゥ! お骨さま! 大きい足跡の持ち主、見つかりませんよ!」

 ぴょんぴょん跳ねて不満を表した。

 ントゥは全然気にせず走り回ってる。

 ――む? エーヴェがぴょんぴょんしておるのじゃ。

 通りかかったお骨さまはこっちに走り寄って来て、後ろ足で立ち上がり、ぴょんぴょん跳ねた。


 ――うぉっほっほっほー!

 気がついたらお骨さまとうぉっほっほ。すっかり気分がよくなる。

「お骨さま、身軽ですね」

 ジュスタがにこにこして、うぉっほっほする。

 ……そういえば、お骨さまは左右の足に重心を置くジャンプ(うぉっほっほ)はするけど、後ろ足同時に跳ねるジャンプはしない。

「お骨さまはぴょんぴょんしませんか?」

 ――む? これはぴょんぴょんではないか?

 見本として両足で跳ねる。

 お骨さまは首を傾けて、前足も地面に下した。


 きょ、きょきょ、きょ……


 四本の足で跳ねる。同時に、羽も動いてる。

 ――飛ぶときと同じなのじゃ。飛べぬゆえ、おかしな感じなのじゃ。

 お骨さまの羽の軋みがそこら中に響き渡った。四本の足で跳ねると、羽を動かして必ず前に進んでしまうみたいで、岩場をあっち行きこっち行き。ントゥが真似をして、ぽーんぽーんとボールみたいに跳び回り始めた。

 ぴょんぴょんとは違うけど、これはこれで楽しい。

「エーヴェもー!」

 お骨さまやントゥを追いかけるのは難しいけど、岩場を跳ね回る。ジュスタも一緒に跳ね回る。身に着けた飾りが太陽の光できらきら光った。

 いつの間にか近くに戻ってたペロだけ、リラックスモードだ。


 離れてはいるけど溶岩の熱気と跳ね回ったのとで、また汗だらけ。

「ふー! 暑いですよ!」

 地面に大の字になる。溶岩の近くだけど、地面があったかいってことはない。

 ジュスタがふふっと笑った。

「よーし、お昼にしようか」

「はーい!」

 飛び起きて、ジュスタと手ごろな岩を探し、腰かけて、リュックサックからお昼を取り出す。

 今日のサンドイッチの具を確認しようとして、はっと思い出した。

「そうだ! ジュスタ、ニーノに大きい生き物のこと、教えたほうがいいです! ニーノはたぶんいいですけど、テーマイが危ないです!」

 テーマイは船の外でご飯を探してるはずだから、大きな生き物に会うかもしれない。

「テーマイがご飯になったらショックです」

 ジュスタもはっとした顔になり、手を差し出した。

「エーヴェも話すかい?」

 はっしとジュスタの手を握る。


「ニーノさん」

 ――どうした。

 いつものニーノの声が頭に響いてくる。

「溶岩の上に大きな足跡のような物があって」

「エーヴェが寝っ転がれるくらい大きいですよ!」

「もしかすると、とても大きな生き物がいるかもしれません」

 ――竜さまか?

 やっぱりニーノもそう思うよね。

「それがお骨さまがおっしゃるには、この辺りに竜さまの気配はないそうです」

「テーマイがご飯になったらショックです!」

 思わず叫んだ。

 ――なるほど。様子を見ておく。貴様らも気をつけろ。

「はーい」

 でも、ここにはお骨さまがいるから安心です。

「ニーノさんは大きな生き物に心当たりはありませんか?」

 ジュスタの質問に、しばらく答えはない。

 ――いや。この場所に入ること自体、初めてだ。お屑さまはなんと?

「ああ、それが……」

「お骨さまが聞いてくれませんよ。知らないほうが面白いって」

 苦笑いするジュスタに代わって答える。

 ――確かにその通りだ。私から連絡が取れるかやってみよう。

「お願いします」

「ニーノ、連絡できますか?」

 ――距離しだいだ。竜さまがたのほうが、遠くまで聞こえる声をお持ちだ。

「おおー!」

 竜さまは偉大!

「じゃあ、昼ごはん食べてもう少し探したら、帰ります」

 テレパシーを終えて、改めてサンドイッチを見た。

「今日はイモですよ!」

 マッシュされたイモがたんまりはさまれたサンドイッチにかぶりついた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大木な足跡はわからずじまい。焦れる。ご飯を探してるテーマイが無事だといいのですが、ントゥとお骨さまの微笑ましい追いかけっこのかたわら謎の大きないきものとテーマイのガチの追いかけっこになってな…
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