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19.メンバー招集

 翌日、ご飯を食べた後、ニーノに呼ばれた。

 ニーノは食堂で漂ってた幅太お屑さまを連れて部屋に戻る。

 すこし扉の前で待たされて、ニーノが出てきた。

 左手に細お屑さまを連れてる。


「お屑さまからお話があるそうだ」

「はい!」


 ……幅太お屑さまがシューマの側にいる役になったのかな?


 ――エーヴェ、おはようなのじゃ! 古老からわしにも話があったのじゃ。伝えることがあるのじゃ。

「ありがとうございます!」


 ニーノが細お屑さまの腕輪を着けてくれた。


「失礼のないように」

「はい!」


 ニーノは部屋の中に戻っていく。

 いつもの無表情だけど、きっと手術の準備で大忙し。



 長お屑さまは周りをぴこん、ぴこん、と眺めてる。

 お屑さまより、ぴこんのスピードがゆったり。


 ――エーヴェはよくお歌を歌っておるのじゃ! 楽しい子どもなのじゃ。

「おお! ありがとうございます」


 お屑さまはみんなつながってるから、歌も聞いてる。


 ――それから、はじけ菓子なのじゃ! 今度はわしと作るのじゃ!

「おお! そういえば、()(はせ)さまの座に来たらはじけ菓子を作る予定でしたよ!」


 ニーノの手術が終わったら、はじけ菓子を作らなきゃ。


 ――はじけ菓子ぽん、ぽん、ぽ!

「はじけ菓子、ぱん、ぱん、ぱん!」


 廊下で手拍子しながら歌ってたら、向こうから来たジュスタににっこりされた。

 すささーっとペロが走ってくる。


 ――おお! 水玉なのじゃ。おはようなのじゃ。


 ペロはぴたりと止まった。

 ほわっと薄く黄色の丸が浮かんで消えた。


 ――水玉は星を見たのじゃ。古老に会うのじゃ。ついて来るのじゃ!

「なんと! ペロも古老の竜さまに会えますよ」

 ――テーマイを探すのじゃ。古老の言葉を伝えるのじゃ!


「テーマイならアミョーのところに行ったよ」


 ジュスタがひょいっと引き返して教えてくれた。



 外に出て、アミョーの群れの近くで毛づくろいしてるテーマイを見つける。


「テーマイ!」


 声をかけたけど、首を上げただけ。


 ――テーマイ! 話があるのじゃ! こちらに来るのじゃ!


 お屑さまの呼びかけに耳をぱたぱたすると、とことこ、こちらにやってくる。

 みんな竜さまの声かけには反応します。


 ふぶっ!


 テーマイが側に来て鼻を鳴らした。


 ――うむ! テーマイはよく分かっておるのじゃ。古老の着く場所はここより少し離れておるのじゃ。我々が出迎えるのじゃ。


 ふと見ると、ペロはチョウを取り込んでる。

 細お屑さまの話を聞いてるのか分からない。


「エーヴェ、出かけないといけませんか?」

 ――そのとおりじゃ。少し離れておるゆえ、エーヴェの足では間に合うか心配なのじゃ。それゆえ、テーマイに運んで欲しいのじゃ!


 ふぶっ!


 テーマイが歯をむき出しにして、鼻を鳴らす。

 青いとげとげが見えた。

 ……どんな気持ちかな?


「運びますか?」


 細お屑さまがぴこんっとこっちを見た。


 ――エーヴェはアミョーに乗ったのじゃ? テーマイに乗せてもらうのじゃ。

「なんと! テーマイ、エーヴェを乗せてくれますか?」


 テーマイは首をかしげてる。


 ――テーマイもエーヴェも練習が必要なのじゃ。今日は練習してみるのじゃ。

「おお! 分かりました」

 ――古老の着く場所へはわしが案内するのじゃ。


 テーマイに乗って古老の竜さまに会いに行くところを想像するとワクワクする。

 でも、首をひねった。


「テーマイはエーヴェを乗せてくれます。お屑さまは道案内してくれます。ペロは何しますか?」


 長お屑さまはぴこんっと考えた。


 ――ペロは水玉じゃ。珍しいのじゃ。

「おお……」


 ペロ、理由なし。


「ペロ、よかったですね!」


 ペロはチョウをぺっと吐き出した。


「テーマイ、エーヴェ、背中に乗ってみたいです」


 さっそく練習します。


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是非、よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
これまでありそうせなかったテーマイに乗るエーヴェ。ここで実現するのか〜。仔ディーだった頃から思うとテーマイもエーヴェも大きくなったなと感慨深いものがあります。 エーヴェだけじゃなくペロもちゃっかりテー…
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