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12 理由


 えーと、レマリィさんから引き止められて、まだ喫茶コーナーです。


 お茶は冷めても美味しいけれど、


 ウェイトレスさんたちが僕をチラ見してくる冷めたまなざしが、


 可愛い女の子を困らせてる駄目男に向けられるアレなんですけど……


 それはともかく、ようやく勾留理由を聞くことができましたよ。



"違法マジックバッグ所持"


 からの、


"児童誘拐組織関与の疑い"



 このエルサニア王国では、"生物を生きたまま『収納』可能な魔導具"は、


 全て登録の必要があるそうなのです。


 アリシエラさんの"一軒家テント"みたいな、居住空間拡張型魔導具も、だそうです。



 初耳でしたでは済まされないのです。


 なにせその手の魔導具があれば、犯罪し放題なのです。


 児童誘拐とか、ね。



「アリシエラさんは、許可証が必要な魔導具は全て登録される方でしたので、今回の登録漏れの件への対応が遅れてしまったこと、まことに申し訳ありませんでした」

「フォリスさんのマジックバッグについては、ルシェリ先輩やモノカさん他、大勢の方々からの保証人申請で、仮の許可証が発行されています」



 あちゃあ、またみんなに迷惑かけちゃったよ。


 田舎者だからってことを言いわけにしないで、そういうことはしっかりと学んでおかなきゃ。



 ってか、リスト爺ちゃんにも伝えないと。


 精霊の技、ほいほい使っちゃ駄目って。



 あれ? でもそれだと、僕が勾留されたのって真っ当な職務なんだから、レマリィさんが謝る必要なんて全然ないですよね。



「フォリスさんは"ツァイシャ女王様直属の巡回特使"、との司法省長官直々の私信が、先ほど私宛てに」

「この件につきましては、何を置いても最優先で対応、謝罪するように、と」


 ……へ?


 それこそ初耳なんですけどっ。



 ---



 特使というのは、


 誰もが認めるような英雄的な活動を行い続けている凄い傑物たちの中から、


 長期的な視点での厳格な審査で選抜された、


 本当に一握りの、特別に選ばれた存在。



 だからこその超法規的存在なわけで、


 国をまたいだ活動や、自由裁量での犯罪行為摘発が許されているのです。



 だからっ、"巡回特使"ってなんなんですかっ、ツァイシャ女王様!



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