01 お仕事
『リヴァイス 70 墜落狩人とあまたなる王国』の続きで、
『(特使)狩人』フォリスのお話しです。
お楽しみいただければ幸いです。
狩人の、フォリスです。
家長でもあります。
静かな魔灸の森の奥にひっそりたたずむ一軒家で、
素敵な家族と和気あいあい、
狩人暮らしと平穏な家庭生活を満喫しております。
ですので、講師とか教師とか先生とか、
無茶振りはやめてほしいんですけど……
「どうしてもお嫌ですか、フォリスさん……」
いかにミナモさんからのお願いごととはいえ、こればかりは……
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この楚々として凛とした若奥様はシナギさんの奥方、
ミナモさん。
大陸の東方のご出身、つまりシナギさんと同郷。
わけあってこのエルサニア王国で暮らすこととなったシナギさんと、
いろいろあった末、めでたくゴールイン。
"幼なじみパワー"、本当に侮るべからず……
えーと、それはそれとして、
真面目で情熱的な世話焼きさんであるミナモさんは、
ひょんなことから、講師のお仕事をすることに。
エルサニア王国とクルゼス王国の国境の街、ジオーネ。
そこの自警団の武術指南というお仕事です。
超一流武芸者シナギさんと肩を並べるほどのナギナタの達人、ミナモさん。
自警団のための護身術教室は、大成功の大盛況に。
ミナモさんの熱意に賛同した友人の方々も、それぞれの得意分野での講師活動に参加。
皆さん、各分野で超一流のスゴ腕揃いであることはご存知の通り。
つまりは、大成功の大評判に。
評判は評判を呼び、各国からお呼びがかかるほど。
ですから、僕みたいな普通の狩人なんて、お呼びでないのですよ、ミナモさん。
「子供たちや、初心者の冒険者たちに、森での安全な活動について、ご教授願えれば、と……」
そう言われると、森の狩人としては、断われなくなっちゃうんですけど……




