DERKNESS WORLD
ほのかな雨の香りが漂う明朝、ビルの間の暗い空間で仮面をつけた男が言葉を零す。
「遂にこの時が来たか…やっと我らの野望は達成される…」
そして、雨の雫が明暗の狭間で一滴したたり、水溜まりに円を描く。
その様を見た若いフードを被った男が一言
「遂に動き出したか、教団め…お前らの野望は必ず阻止して見せる…ッ」
しかし、背後から忍び寄る刺客に彼は気づけなかった。
「特に恨みは無いが、死んでもらう!!」
だが、その刺客もまた、彼の従者のことには気づくことができなかったらしい。
「若、そんなに陽の当たる所にいれば、教団のやつらにも気づかれますよ…」
優しい表情をした、15歳ほどの少女のような体をした、彼女は優しい言葉で言った。
* * *
時を進んで都市の学校では、左目を眼帯で隠す少年があることに気づく。
(地球上のマナの量が急激に減っている…?!やはり彼らが動き出したか…)
それと同調するように山奥の小さな小屋で瞑想をする老人が、
「翔太のやつ、気づきおったか…死ぬのではないぞ…」
と、空に笑みを浮かべて呟く。
* * *
その夜、あの仮面男が教団の集会所に集まり、信者たちに演説をする。
「刻はきた。この人類浄化計画を実行する!!」
ウオォーーーーッ!!!
信者たちは熱狂する。しかし、その信者たちの中にあの二人が紛れている。
(まだバレていないようだな。)
(ええ、そうですね、若)
(しかしまあ、なんて気持ちの悪い計画なんだ…”人類浄化計画”だとよ)
(彼らはそんなこと言っていますが、どうせ”人類洗脳計画”みたいなものでしょう)
(だな)
(はい)
そう思ったのも束の間、再び仮面男が声を発する。
「今わかったが、どうやらこの中に裏切り者がいるらしい!」
施設内がやけにざわつく。
(おいおい、変装は完璧だったはずだぜ…?)
(どうやらあの教祖、人の心が読めるようですね)
(そうなのか、そいつは不味い能力を持ったやつを敵にしていたな)
(というか、そんなことまで調べなかった我々も我々ですが…)
そんなことを話しているうちに、また仮面男が話す。
「発砲許可は出す!裏切り者はおそらく男女の二人組だ!怪しい奴から殺せ!」
そんな言葉を奴は言ったので、皆が疑心暗鬼に陥る。
そんな心理状態なら仕方もあるまい、
「パン!」
一度の銃声が鳴る。
まだ一度ならよかったかもしれない。
しかし、人の心は弱い。
その銃声をきっかけにそこら中で発砲される。
そんな状況を見かね、これ以上酷くなると、死人が出ると判断した彼らは、類稀なる跳躍力で仮面男が立っている台に上がる。
そして、大声で叫ぶ
「我々は"DSKO"だ!いまから、お前らをぶっ壊す!!」
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