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86)10歳 5月5日-7月40日 娘たちの二歳の誕生日と二期目の収穫

「テメシス誕生日おめでとう! セヴリナ誕生日おめでとう!」


「テーちゃん、リナちゃん、何歳になった?」


「二歳!」


「二歳!」


 おー、ピースになってるな。ああ、日本では五歳か。え、幼稚園? こんな小さいころからお前らは勉強してるのか?! 道理で文系なのに計算がすごいわけだ。


 いやあ娘の誕生日のために皆が来てくれるとうれしい。親父に母さん、アヴィンにセカナとアンカムナ。そして、お義父さんにお義母さん、サヒット、イーヴにノーラ義姉さんとガヴィンにガレン、そしてブリジットとブリーナだ。ガヴィンとガレンはもう子供っぽさはなくなってきてるな。そろそろ職人さんのとこに修行に行くか農家を継ぐか考えないといけないよな。俺と妻の妹達を見ると昔の娘たちを見てるようになる。子供はかわいいな。


「今年も海鮮料理だよ~。でももしなにか欲しい食べものがあったら言ってね、兎と鶏とアヒルならいるからね」


 妻がチビたちになにが食べたいか聞いてる。それでも兎を一番先にあげる必要はないだろうに。ヤマトもちょっと悲しい気分になったな。で案の定ガヴィンとガレンが肉も食べたいというのでボウアとノーラ義姉さんが兎を絞めにいった。南無阿弥陀仏。あ、それ今度ちゃんと説明しろよ。


 で、我が家とサヒットの家でも広まってる、「いただきます」を言ってから昼から居間で宴会になった。まあ、子供達はお酒を飲まないが、親父とお義父さんが持ってきたからな。それにしても土間が広くてよかった。総勢十八人だよ。多いよ。なのでカウンターテーブルに料理を置いて、そこで食べることもできるからよかったよ。


 そして次の日。


「はい恒例の誕生日田植えです。今回も頑張ろう!」


「なあ、なんでお前の兄は田植えになるとおかしくなるんだ?」


 サヒットもイーヴもそんな顔しない! 全体の士気に関わるんだよ。


「知らないよ。兄貴の嫁でもある、お前の妹に聞いたら?」


「言っておくけど私も知らないわよ」


 だからテンションが上がっちゃうんだよ。自分でもなんでかはわからないんだよ。収穫は前からだったと思うが、田植えも嬉しいんだよ。そして今回はなんと怒涛の二十七枚の棚田ですよ! 親父から馬を借りて田んぼを耕すのは大変だけど、これだけ増えると嬉しくて叫びそうだよ。


「よーし、今回はテーもリナも頑張ろうな!」


「うん!」


「うん!」


 よしよし、妻よ、俺たちの娘たちは素直でいい子達だぞ!


「ほらあなたたちも頑張るのよ」


 お、ガヴィンにガレン、お前たちのおばあちゃんからありがたい言葉をいただいたぞ、だから今回も頑張ろう。あー、ガヴィンとガレンのやる気が一切見られないな。


「じゃあ、いつも通り苗を持って植えていきましょう」


 すごいな。あとでやって来た親父と母さんを加えた十二人でやったら一日で二十三枚終わっちゃったよ。残り四枚は明日また俺とボウアの二人でやってお終いだよ。そしてこの田植えが終わったあと俺はちゃんと親父とお義父さんの所の田植えを手伝った。


 面白かったのは親父も今回の田植えからこのような感じに二十五センチ間隔で植えるそうだ。海水使って種もみを選ぶ、はすぐ導入したと言ってたが、この整然とやる利点がいまいちわからなかったそうだ。でも前回の俺の収穫量を聞いて試すつもりになったらしい。で、実家に帰ったらちゃっと田んぼの中に線が引いてあったよ。まあ、これで親父もアヒルを飼えば俺の所と育て方はほぼ一緒になるな。ただ違うのが苗作りが俺よりもひと月遅いってことか。千歯扱きもすでにあるから稲を乾かすやつをこっちでも作ってから家に帰るか。一個作ればあとアヴィンに言ってそれと一緒のやつをもっと作ってもらえばいいしな。


 サヒットの所では海水で種もみを選別すると言うのをやってなかったらしいからそれから始めて、等間隔で植えるのを試してもらおう。俺が千歯扱きを重宝してんを知ってるから、アイツもあれはすでに実家のために作ってあった。稲を乾かすやつはいずれ作るんじゃないかな。


 こうやってヤマトの知識が広がるのか。いいことだな。


 そして七月に収穫した。また家族総出でだ。今回はお義母さんとガヴィンとガレンにも手伝ってもらった。コメ三人分だ。これで前に取れた二人分と合わせて五人分だ。このあとに来る収穫でなんとかなるか。タラン様お願いします。


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