８１）１０歳 ２０月３５日 村と家での色々
うーん、アヴィンの協力の下、大雨が降る前に棚田を作ろうと思っていたけど。なかなか捕まらない。仕方無いから一人で棚田を小川の向こうに一枚作った。で、いないなあと思っていたら村で色々と起こっていたらしい。俺ってなんか村からも隔絶されてない？ ああ、大丈夫か。ありがとなヤマト。
まずサヒットだな。ようやくイーヴとの結婚の日が決まった。イーヴも成人したし、来年の頭には結婚して新居に住みたいそうだ。なのでこの大雨が終わったら急いで隣の敷地で家を作るらしい。まあ、あの小屋に住むわけにはいかないよな。ただなあ、まだニーヴが納得してないらしい。これはサヒットが解決するしかないな。
次にアヴィンだな。なかなか見つからない理由が解った。ケーバさんの弟子のエイディーンと最近色々会っててサヒットも巻き込んでなんかやってたらしい。そして信じられないことに出来たよ、糸車が。ヤマトも見たときなんで気がつかなかったとか言ってたな。じゃあ、お前も作り方がわかるのか？ え、日本とか西洋のようなやつじゃなくて、ガンジーとか言う人の糸車に似てるから、もしかしたら、か。でも糸車の事は誰にもまだ言ってないはずだよな？ ああ、そうだよな。まだ言ってないよな。じゃあアヴィンとサヒットはやっぱり天才だな。お、それともエイディーンが天才なのかもな。
え？ アヴィンとエイディーンの話を最初聞いたときは色恋関係かと思った？ いやいやいや、無理無理。エイディーンじゃ若すぎる。成人前の六歳と十歳だぞ。日本だったら二十六歳と十五歳が付き合うようもんだぞ。まあありえなくはないがアヴィンはどっちかというと年上が好きだぞ、昔からだ。あとサヒットもイーヴとうまくやってるっぽいのに浮気とかはないだろ。
でもヤマトがそう思うのもわかるよ。なんか村では結構浮ついた雰囲気になってるよな。ブロガンも王子港での出店の準備が順調に行ってるらしくて、店が出来たらあっちで結婚らしいし。あーブロガンの結婚式なあ。サヒットの結婚式は村でやるから俺も参加できるが王子港は遠いしなあ。でもブロガンの結婚式だからなあ。どうしよう。
でもカップルが出来て別れるのは若いころは当たり前だからな。なにが違うんだ？ いやいや母さんと義姉さんの出産は特殊で、それが影響してるとは考えにくぞ。あ、でもケーシーさんの所もまた産まれたらしな。でもあの人もあの人の奥さんはまだまだ若いし。え、年は確か十三くらいだったかな？ まあ、中年っちゃ中年だよな。うーん、本当にベビーブームなのか？
ま、それ以外のめぼしい話は俺の土地でおきた事かな。アヒル達の小屋も無事なんとか出来たし、これからは俺がかごを持って移動する必要もなくなる。ただなあ、あっちにアヒルだけってのもちょっと不安なんだよな。犬小屋作っても、ポチもシロも、もう向こうに住もうとは思わないだろうしな。うーん、まあアヒル小屋は大きめにして頑丈に作ってあるから簡単には入れないし、小屋から出すときは俺にポチとシロもいるからなんとかなるかな。
家庭菜園は乾季の間放置してたが、これも再開させる時が来たな。今のところ普通の雨では水がちゃんと菜園に流れるようになってるが、これが大雨になった時に大丈夫かどうか不安だ。まあだめだったら俺が水の通り道をまた考えればいいだけか。で、問題なかったらさっそく植えよう。
最後に畦地だな。幅五メートルはかなり広いわ。この土地おそらく棚田の水を沢山吸っているとおもうから多分色々と育てることが出来ると思うんだよな。なんかないかな。うーん、なんだろう。食べるものは嫌だな。馬がここを歩くからな。
これは仕事とは関係ないが、最近娘たちがお転婆になって来た。特にテメシスがすごい。よく黒と走り回っている。なのでテメシスもしっかりと日に焼けて、俺みたいになってる。何言ってる、まだポチほどは黒くないだろ。家の周りには危険なものなどを放置していないが、それでも気になる。セヴリナのほうは家にいてボウアに対して「なんでー」攻撃をよくしてるらしい。セヴリナで心配なのはよく裏の小川で水遊びをしたいとせがんでくることだ。一応一人で川に言ってはダメだ、と言ってるんだが、いつかは親の言う事は無視するようになるんだよな。はあ、心配だ。
ボウアはボウアで今も娘たちが昼寝してるときとかは機織りをしているし、起きているときは綿のカーディングとか糸を紡ぎながら世話してることが多い。うーん、夫婦の時間がかなり減ってるな。うるさいな、なんでお前がうれしそうなんだよ。お前は俺だろうが、妻とイチャイチャできなくて寂しいと言う気持ちはお前も感じられるだろうが。うー、俺が寂しいと言ったらそんなにキモイのか。わかった、わかった。連呼せんでもいいだろ。
『みてみん』様に動物たちの小屋の位置を反映させた図を投稿しました。
https://33111.mitemin.net/i473330/
