80)10歳 19月30日 四期作
今年四回目のコメの収穫だよ。しかも今回の収穫で人二人分のコメがなんとなく取れるような気がする。これなら来年取れる収穫は全部税金に回せばなんとかなるんじゃないか。その間に棚田を増やさないと。一応となりの段を作りたいんだが、村側のほうだとここの地形上こっちの棚田はちっちゃくなるんだよな。五メートル×五十メートルができないんだよな。五メートル×三十メートルが二段って感じかな。そこから下は段々と広がって次の三段の内一番下は五メートル×五十メートルになるな。こういうのをちゃんと計算しないといけないから面倒だな。まあ、その反対の海側は広げられるからいいか。ただなあ、あっちは雨季には小さな小川がチョロチョロ流れるし、木もあるんだよな。どっちから広げればいいのかな。まあいずれにしてもアヴィンに手伝ってもらうか。
そして乾季を無事乗り切ったので本格的に動物たちの環境を整えた。以前作った鶏小屋はかなり長い間放置していたので補修した。ついでにサヒットから以前使ってた古いろ過用の樽と小さい樽を引き取って、この古いのを鶏小屋に設置した。これで鶏たちの水は鶏小屋の屋根から落ちる水で賄える。足りなかったら、また今までのように外の樽から水を取ってくればいいな。これで、少し兎たちもちょっとは住環境がマシになったと思う。なんか増えるからいずれは鶏小屋の近くに大きな小屋を作って、夜はそこで寝て、昼はその隣の敷地で遊ばせる必要があるな。まあ、土地は十分あるからな。でもこっちは次の乾季でレンガを沢山作ってからだ。
アヒル達の小屋もいずれは作れなければと思っていたから。こっちの方の下に敷くレンガはもうあるんだよな。去年やさぐれてたときに作ったレンガだよ。大雨とかでやられてなかったら、まだため池の近くに放置してあるはずだ。
で、これはどうやら放置してたにもかかわらず大丈夫そうなので、アヒル達の小屋を作った。これで、アヒル達の数も増やして、田んぼの雑草も楽になるな。
ん、待てよ? ウチに必要な動物たちは何匹なんだ? ちょっとヤマト手伝ってくれ。
と、一旦アヒル小屋の制作を辞めて俺は家に帰ってきた。なにしろ大きすぎるのを作っても意味がないからな。で、ヤマトは嫌がりながらも俺たちにとって必要な計算を二人でした。
まず大前提として、鶏、アヒル、兎は一羽につき四食得られる。そして、俺たちの今までの生活ではだいたい週に二回はそれぞれ食べている。なんか動物たちが少ないなあと思ったら海の幸か肉無しでごまかしてきたわけだ。それを今回はっきりさせる。とりあえずは娘たちの分は今は考慮しなくていいか。
えーと、一羽につき四食だから、たいていは昼に一羽絞めて、晩ご飯には食べきるってなってるよな。それを週二回を鶏とアヒルと兎だから、この家族は週六羽のペースで彼らの命をいただいているわけだ。南無阿弥陀仏。えっ、なんだそれ? ああ、ヤマトの宗教か。ああ、あとで教えてくれ。今はこれを終わられよう。で、娘たちが大きくなったら昼に二羽絞めることになるから週十二羽か。うん、わかってるよ。かわいそうだって。でも俺たちも生きていかないといけないんだよ。お前もわかってるだろ。でもこれだけで俺たちのお昼と晩ご飯を毎週十二食分賄ってくれるんだ。感謝だ。海の幸とかを週二回、昼と晩にすればそれでされに四食だから全部で十六食分ある。一週間、十日、でお昼と晩ご飯は二十回しかないんだ。あとの一日は野菜だけでもいいだろ。え、朝? 朝はお粥と卵とか干物でいいだろ。
で鶏だがな、あいつらは大体生まれた百四十日後にまた卵を産むことができるんだよ。だから十四週あれば大丈夫だ。ということはだな今は最低二十八羽の成長期の鶏がいれば、毎週二羽づつ食べても問題ないという事か。娘たちが大きくなって沢山食べるようになったら鶏は常時五十六匹いればいいのか。あ、卵? 多分二日に一回くらいの頻度で雌鶏は卵を産んでるぞ。四人で毎日卵を一個食べたいと思うなら、卵を産む雌鶏は八羽は必要だな。雄鶏は二羽くらいいれば大丈夫か。という事は鶏は最低でも六十六羽必要ということになるな。まあ現在は四十羽くらいだからなんとなくやってても合ってたのか。
アヒルは今はかごに入れて移動してるから今でも四羽しかいないが。こっちは二十週かけて大きくなるから最低でも四十羽は欲しいな。今までこっちを主に犠牲にしてきたからな。これからはちょっと控えよう。そしてテメシスとセヴリナが大きくなったらアヒルは八十匹常時いればいいのか。卵は三日に一回で産んでるから卵を産むアヒルが十二羽いれば一人に付き一日一個のアヒルの卵は確保できるな。なんか卵多くないか? まあ料理にも使うから一日に二個くらいあったほうがいいのか? そしてオスを三羽とするならアヒルはだいたい九十五羽か。大幅に増やす必要もあるし、アヒル小屋もそこそこ大きくしないとだめだな。野犬とかに入られないように敷くレンガが足りるかな。まあ、敷地はため池の近くだから十分取れるな。まあこんだけいたら田んぼの雑草取りも楽になるかもな。あ、でもこんだけいたらエサも家の残りものってわけにはいかなくなるぞ。うーん、敷地内で十分に食料を得ることが出来ればいいが、できなかったらなあ。丘に植えた豆の木とか使えるだろうか。え、鳥のエサのことは知らないって? まあ、俺もあまり知らないから色々試すしかないだろ。
最後に兎だ。兎は最短二十二週間で子供を産むことができるが六か月は待ちたい。二十四週だから今は四十八羽、いずれは九十六羽か。いやあ、俺も驚いてるよ。駄洒落の国ってお前が言ってたけど、なんでこう似た数字が何度も出るんだろうな。兎の場合は卵はないけど、ここまで増やすならオスを優先的に食べたほうがいいだろうな。
馬と牛? うーん、牛はいずれ欲しいが今はいいな。それよりも馬だよ。俺は最初子馬でもいいと思っていたが。あの棚田での重労働を鑑みると普通に働ける馬が欲しいな。いやいや、馬は食べないよ。労働力として重要すぎるよ。
ポチとシロの家かあ。うーん鶏小屋と兎小屋の近くでいいんじゃないかな。
よしこれらを踏まえてアヒル小屋と兎小屋の敷地を見て、必要なレンガも確認しないとな。