７６）９歳 １月１０日－４月２０日 二年目のコメ作り
祭りの次の日親父とアヴィンが来た。田植えの時だ。アヴィンが親父に俺が変なコメの育て方をしてるが収穫は良かったと説明したら早速それを試すために俺がなにをしてるが見に来た。
そこでまずは親父が連れて来た馬たちを使って、田んぼを耕して平らに均した。やっぱり馬がいると全然違うな。この日はこのあと海水を使って、種もみを選別してると説明したが、そこは驚かれた。まあ、それはそうだな。俺もびっくりだったからな。まあ、これは実演して、親父に沈んた種もみを渡した。親父はこれから苗を作るからちょうどいいだろ。
そして、次の日に俺がゼロ段の田んぼで作ってる苗の所に行って苗をとりあえず二十五センチ間隔で植えるから、田んぼの泥の中に線を引いて、そこの交わったところに苗を四本植えてくれって頼んだ。竹を使ったコメの苗床よりもなぜこんな風に四角く植えるほうが不思議だったらしい。なのでこれをすればアヒルが雑草を食べてくれると言ったら唖然としてた。まあ、俺もそうだったからわかる。だからそのあと丁寧に説明したよ。苗が少し育てば稲が大きすぎてアヒルが食べない。なのでアヒルは雑草しか食べない。でも俺たちが今までやってきたように雑然と植えるとアヒルが田んぼを泳げないと。ああ、ヤマトがまた自慢してる。
そんで親父と俺とアヴィンの三人で棚田十一枚の田植えを三日で終えたよ。一日で一人二枚ずつで終わったな。やっぱりこれは変わらないな。最後のほうは苗が少なくなったから親父とアヴィンには三十三センチ間隔で五本ずつ植えてもらった。
当然俺も、俺の田植えが終わったら親父の田植えを手伝ったよ。田植えの時はやはり大変だよな。三人とも毎日実家と家の行き来だ。親父も俺も泊まりこみってわけにもいかないからな。ただ時期がずれるのが救いだ。俺の田植えは一月だが、親父の田植えは二月だからな。
そして四月の収穫の時に親父とアヴィンが来た時には俺ももうちょうど次の苗を植えたあとだった。これだと収穫が終わったあとに水をまた入れて耕して苗を植えられるから、親父との田植えと収穫の時期にちゃんと差が出る。三人で収穫したら二日で終わりそうだったが、結局三日かかった。あの稲を乾かす装置は親父もすんなり理解したな。あとはサヒットに言って千歯扱きをもう一個作ってもらって親父にプレゼントだな。
なんで俺がこんなに機嫌がいいかと言うとこの十一枚の棚田の収穫がすごかったからだ。玄米で十四袋以上コメが取れたわ。だからこれで千歯扱きの代金をサヒットに渡して、俺は晴れて借金生活から解放された。来年から税金を払わなければいけないから棚田はもっと増やさないとな。コメが育っている間、実家の手伝いをしてない時にもう一枚作れたからな。これで十二枚。この二期目の収穫で我が家が今年最後まで食べる分のコメが手に入る。そしてこの調子で早めに収穫ができたら今年も四期作が出来るわ。なんか土地が心配になって来た。大丈夫だろうか。早めに馬を買って堆肥を投入しなければな。それに馬がいたら大きく育った雑草を馬が食べてくれるしな。万々歳だ。
あとこの間にサヒットに頼んだ船の模型も三つ出来たぞ。これを桶で一隻ずつ沈めていったら俺も理解したわ。今までの船の場合水が船体に入ったらおしまいだな。水が一気に船の底に流れ込んで水と荷物の重さで船が沈む。アイツ芸が細かいことにちゃんと船に穴を空けてあったものを作ったからな。だからコルクの栓を抜いたらあっという間に沈んだわ。
隔壁が中途半端に半分までしかないものは微妙だった。穴が船体の真ん中にあったから浸水しても持ったんだよな。で、ヤマトが斜めにしてみろと言ったら、すぐ沈んだ。なんか俺がわざと沈ませたと思ってたらしいが、アイツらにも斜めにしてもらったらすぐ沈んだ。あのあと模型の甲板を取ってもう一度見たら、斜めにすると水が隔壁の上を越えるのが見えたのでなぜタイタニックが沈んだのか俺もわかったよ。というかなぜ隔壁を中途半端に作ったんだ？ わかってなかったのかな。
で、最後の隔壁がしっかりあるヤツだと斜めにしても沈まなかった。まあ、これは甲板を取ったら隔壁の意味が無くなってすぐ沈んだが、やっぱり中の隔壁がしっかりあれば各空間が浮きの役割にもなってるんだろうな。あと最後にヤマトが三匹の子豚の話みたいだなとか言ったがなんのことだ。子豚とこの隔壁になんの関係があるんだ？
『みてみん』様に田んぼを西の丘の進捗状況をアップしました。
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