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69)9歳 18月29日 急展開

 なんかドロドロしてる。実家に帰って田植えの手伝い。サヒットの家でも田植えの手伝い。泥だらけになっていつもの田植えをしました。家でもアヒル達はあちこちを泥だらけにするしな。まあこの泥は別にいい。


 母さんの妊娠も本当でした。まあ、これは別にドロドロでもなんでもない。ただなあ、俺の娘たちよりも若い弟と妹か。母さんはただすごい素直に喜んでるしなあ。なんかずっとできなかったがの不思議だ。


 ドロドロしてるのはお前だよ。なんなんだ。なんで俺がお前の小屋にいるんだよ。わざわざ家の前でのチューは見ていなかったことにしたのによ。


「どう思う」


「いや、俺にそれを聞かれてもよ」


「いや、お前の考えが知りたい」


「でもこれはお前の問題だぞ」


「まあ、そうなんだがもう結論がでない」


 はあ~。


 整理しよう。ヤマトはなんかしらんが喜んでるな、なんでだ。え、他人の不幸や悩みは面白いだと? お前は本当にひねくれてんな。えーと、まずはサヒットはニーヴともイーヴとも当初は付き合うつもりがなかった。でもニーヴがグイグイ来たので、まあ付き合うだけならと。お試し感覚で付き合ってた、と。このときは手を握るまでだけだったと。チューもしていなかったと。初めてチューしたのはウチに来た時か。


 まあ、わかるよイーヴもニーヴも村長が溺愛してるからな。村では手を出しずらかったんだな。ああ溺愛してるのは二人ともあの流行り病で死にそうになったけど、二人とも助かったからだよ。村長が年老いてからの娘たちでもあるしな。ああ、なんか親父が俺たちの妹か弟を溺愛する姿がもう見える。


 話を戻そう。でイーヴもサヒットとニーヴの仲が深まったことに気づき急に動き出したのか。まさか清酒を出してきてサヒットを酔わせるとはな。本人は途中から水を飲んでたらしい。盲点だわ。あのお酒できたばっかは透明だから水を飲んでてもお酒飲んでてもわからんわ。


「待て、もう少し教えてくれ。正直に言えよ。酔った時なんかちょっかいを出したのか?」


「接吻しかしてない」


「本当だな」


「う」


「モミモミもした」


「はあっ!」


「いやおっぱいはモミモミしてない」


「じゃあなんなんだよ」


「あの子凄~くちっちゃいけど複乳があるんだよ。だからちっちゃいほうしかモミモミしてない」


 あれ、双子だからニーヴもあるのか? あ、このゲスイ思考は辞めよう。


「うーん」


 まあそこまでしちゃったんならイーヴと付き合ったらって、お前投げやりだな。あ、複乳には興味がないのね。はいはい。


「まあそうだよな」


 何をサヒットは納得してるんだ。


「何がそうなんだよ」


「だから悩むんだよ」


「はあ、まあもう二人ともチューしちゃたんだ。でも先にチューしたのはニーヴでモミモミまでしちゃったのはイーヴ。でもその時は酔っていた。おいまさかイーヴをニーヴと勘違いしてたってことはないよな」


「いや、それはない、だってほくろがあるだろ」


「まあ、そうか」


「でもおっぱいは男の憧れだろ。それにもし三つ子とか四つ子が生まれたときにも」


「ああ、全部言わなくてもいいぞ。考えてることはわかる」


 正直に言ってどっちがいいのかわからない。いやいやいや、両方付き合うとかないから王族じゃないんだから、皆一夫一婦だ。王族は妻がいて側室もいるよ、子供が絶対に必要だからな。それはいいんだよ、今はサヒットだ。


「正直に言え。お前はどっちの方が好きだ」


「わからん。多分ニーヴのほうがいい嫁さんになると思うが、イーヴの気の強さも悪くない」


「おい、答えになってないぞ」


「だから困ってるんだって。それにもうこのままにできないだろ。どっちかに決めないと不味い。こんなの広まったら」


「俺に言えるのは今日ここで一人で真剣に考えてみろってことくらいか。そしたら寝て起きたらすっと結論が出るかもしれないし」


「おい、お前こそ答えになってないぞ」


「だって、お前の気持ちが整理されてなくてぐちゃぐちゃのままなんだから俺に言えることはないだろが。せいぜいが気持ちを整理しろって言えるくらいだよ。今はどうしたらいいかわからないから焦って、考えがまとまらないかもしれないが、落ち着いたら案外すんなり決まるもんだよ」


 まあ、俺の場合はこんなのなかったからな。なんかお互いがいつの間にか付き合おうって感じになってたような気がする。だからなんでそこでヤマトが怒るんだよ。いいじゃん幼馴染でも。でもまあ子供のころから知ってるってだけあんまり一緒には遊んではないよ。大勢の子供達と一緒に遊んでたから、大勢の中の一人って感じか。そうそう、ボウアの親友はシーラとモーリーンだったからな。ああ、そう考えるとイーヴやニーヴはちょっとかわいそうだな、同じ世代の子たちが俺たちの時ほどいなかったからな。


 で、そこで俺は家に帰った。あとでサヒットに聞いたが朝には結論が出てたらしい。朝起きたらイーヴが小屋にいつの間にかいたとさ。


 はっはっはっ、乾いた笑いしかでてこないよ。まあ、これで既成事実っぽいものができたから結論はでたな。

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