表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/97

51)8歳 2月40日 育つ

 妻のお腹が順調に大きくなってきている。野良仕事も当然させられない。機織りも今は休んだらと言っても、病気じゃないんだから身体を動かしてないと気持ち悪いって言ってた。過保護なのか? え、俺に限ってそんなことはないって? お前には女性関係についてあまり言われたくないのう。


 コメに関しては今回ここで初めて田んぼを作ったおかげかほとんど雑草とかなかった。すくすくと育ち花も咲かせている。こっちも順調だわ。なので、田んぼを見回ってるくらいで田んぼに入る必要はあまりなかった。が、ヤマトが水を抜いたほうがいいとか言ってる。これもどうもテレビで見たとか言ってるが、こっちは信じられない。水が無かったら稲が死ぬだろうが。ヤマトもヤマトでなぜそんなことするのかわからないとか言ってるしな。だったら余計に出来ないだろうが。


 それよりも田作りだ。時間は一応あったので田植えを始めてから約二か月、棚田も一枚新しく出来た。


 それ以外では次にコメを作るときの準備があったな。まず、馬小屋をサヒットと相談して、俺が作った。大工道具もコーラさんに頼んで一式作ってもらったから、まあ、対価はちゃんと払ったよ。ただアヴィンから話を聞いてからは気軽にコーラさんに頼めなくなってしまった。いやわかってるよ、これは別に誰のせいでもない。ただちょっと気まずくなっただけだよ。ヤマトもわかるだろ。あ、もしかしてこれを見越してアヴィンの野郎誰にも何にも言わなかったのか? まったくアイツは。


 大工道具さえあれば木材とかもここで取れるし、自分で作れば全部タダだ。サヒットもサヒットで必要だったらあいつの海側の敷地で木を切ってもいいぞと言われたしな。で、馬小屋はな大雨が来ても大丈夫な所に作る必要もあったし、馬を放牧させて、なおかつ水を飲む場所も必要だった。だから馬小屋は残念ながら家からちょっと離れたところになってしまった。あそこだよ、親方の言ってた窪地の辺りだな。まあ、土地と水に逆らっては良くないという親父と親方の教えを実践してるだけだな。


 あとは広い鶏小屋をようやく作った。兎よりも鶏を主に食べたいのでその数を確保するために普通では考えられない敷地を取ったよ。家から見て北西の位置にほぼ四十メートル×二十五メートルだ。そのさらに向こう、窪地の近くに馬小屋があって牧草地がある。まあ、親父の場合は果樹を沢山植えてるからそれで敷地がないけど、俺はそれは無いし、田んぼも普通の半分の大きさだからな。このくらいなら問題ない。坂を下るところにこの敷地があるから、鶏たちも坂を上り下りしながら走り回れるだろう。


 え、なんで自分の家より広い土地を鶏に? いやいや、それは違うぞ。鶏の住む小屋が俺たちの家みたいなもので、小屋はもっと小さいだろが。この土地は鶏が走り回る敷地だ。だから俺たちに取ってはこの五十町の土地こそが鶏に取っての敷地と一緒だぞ。まあ、いずれにしろいままでとは違い家から少し離れて過ごすことになるので犬も必要。なので犬小屋も作った。まあワンちゃんは必要なら土間に寝てもいいからそんなに犬小屋にこだわる必要はない。でも野犬や山猫が来ても困るの小屋そのものはまた高床式にして、床に泥レンガを敷いて、そのうえにわらを被せてある。鶏は暗いとこでないと卵を産まないからな、小屋は絶対に必要だな。ま、引っ越しはワンちゃんが来てからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ