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26)8歳 16月4日 嫁の帰還

「んが」


 朝か。んん、となりに誰かいるぞ。なんだボウアか。って、ええっ!


 とベッドで跳ね起きたら今度はボウアが、


「ああ、へへ、おはよう」


「おはよう。って、ええっ?」


「来ちゃった」


「来ちゃったって、昨日の夜に来たの?」


 あ、起き上がったら色々見える。彼女もほぼ裸だ。


「心配してくれてるの?大丈夫よ、この辺は誰もいないし、まだ月もほぼ満月だからそこそこ明るかったわよ」


「いやでも動物とか色々いるし夜は危険だ」


「まあ、いいじゃない、何にもなかったし、もう帰りたかったし。水問題も解決したんでしょ、兄さんから四日前に聞いたわよ」


「ジル婆さんの修行は?」


「ああ、もう最後は数日に一回の通いで許してくれるって、言わせたわ」


「言わせたって」


「だって、もう切りがないもの」


 なんか機嫌が悪くなりだした。ああ、口がへの字になってる。


「なによ、嬉しくないの?」


「嬉しい,嬉しいよ」


「じゃあ、いいじゃない」


 と寝返りを打って、窓の外を見た彼女は、


「やっぱりここの景色はいいわね」


 まあ、昨日は暑かったから窓開けっ放しで寝たからな。


「そうだな」


 うっさい、いいじゃん、妻の背中とお尻もいい景色だろが。


「顔を洗ってくる、そんで朝ご飯を作っておくよ」


「お願いできる?」


「ゆっくりしててもいいよ」


 夜遅くに帰って来たのなら、まだもう少し寝ててもいいだろうしな。とクローゼットで服を着替えてから、外の土間で柄杓で水を鉄の桶に掬い、顔と手を洗い、お粥の用意をしてたら。ボウアも起きてきた。朝の用意がほぼ終わり、二人でカウンターテーブルで朝ご飯を食べてたら、


「ありがとうね、色々と。最後の方すごい大変だったらしいわね」


「いや、なんでもないよ」


 なんでここで正直に水不足の話を蒸し返さなきゃなんないんだよ。俺も今またあのことを考えたくはないんだよ。


 そしてしばらく無言でボウアを見ていたら。彼女もこっちを見ていて。


「行こうか」


 と俺が言うと彼女と二人でベッドルームに戻ってしまった。


 お昼前になって、今度はボウアがお昼ご飯の用意をしているとき、俺は外で鶏を絞めた。ヤマトも鶏を潰すのは慣れたらしく、以前実家でやった時見たいにグロい、グロい、って連呼しなかった。今日の昼は炒めものだ。夜も鳥肉だな


 今度はちゃんと居間でご飯を食べ、それが終わると、今度はボウアが俺をベッドルームに引っ張っていった。


 午後は二人で丘の裏、って村側なんだが、まあ、そっち側にある川で二人でちょっと洗濯をしてから水浴びをした。


 体を洗うのは気持ちいいよな。風呂も出来れば入りたいと今では俺も思う。というよりヤマトがすごく風呂を押すんだが、ここは暑いからひんやりとした川水での水浴びでも十分気持ちいいんだよな。まあ、雨季が来て水が余るようにになったら考えよう。いや、今回ので懲りた。風呂ってやつは作るにしても来年の乾季を無事に過ごせてからだな。


 で二人で体をキレイにして帰ったら、またベッドルームだよ。


 そうだよ、今日一日ほぼ仕事をしてないよ。


 次の日の朝は雨だった。素晴らしい。

これで第三章は終わりです。

水はすごい大切ですね。WHOによると人らしい暮らしをするためには最低でも一人当たり一日50リットルの水が必要だそうです。世界の平均ですと、68リットルとあります。(Totoさんのウェブページから)

現代の日本人は約250‐300リットル使っているそうです。しかもその20‐25%はトイレだそうです。(国土交通省)トイレに使う水だけでも雨水でなんとかなれば東京の水問題は解決されるでしょうね。

ノックスたちは毎日樽から一人当たり60リットルの水を使っていると想定しています。


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