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居酒屋という選択

 教育実習が始まる少し前、同じ学科の友人から、お前の実習が終わる日に学科で飲み会を開くから来てくれないか、という旨のメールが届いた。何でも、学科内で一番遅く実習が終わる私のために、当初はもっと早くに行われる予定であった学科の飲み会の日を幹事がわざわざずらしてくれたのだ、とのことだった。

私は率先して飲み会に参加するようなタイプではなかったが、メールには、これでお前が来なかったら幹事の人にいろいろと申し訳ないだろう、それに学科の大きな飲み会もこれで最後かもしれないし、と強く釘が刺されていた。そのせいで末尾に添えられた僅かな譲歩の言葉が何の意味もなさなくなってしまっている。まるで必ず来い、と言われているかのようだ。

 確かに、教育実習最終日である七月第一週目の金曜日には、何の予定もない。家に帰っても、することは家事と卒論の情報収集くらいだ。そのうち、必ず来いと言われている飲み会と天秤にかけても釣り合うのは家事の方だが、果たして今回は飲み会を選んでもよいのだろうか。

 私はその場で数秒間考えて、いいのかもしれない、と結論を出した。何を迷う要素があろう、幹事は私のためにわざわざ予定を組んでくれたのだし、友人は必ず来いと言っているし、仲のよかった学科の友達と夜遅くまで馬鹿騒ぎできるのは卒業式を除けばこれが最後かもしれない。こんな重大な機会を与えられていて、むざむざいつでもできる家事を優先する必要はない。そのくらいの自由は私にだってあるはずだ。

 それに、酒を入れれば大概のことは頭から消える、迷うことは何もない。

 私はそのメールに、わかった、とだけ打ちこんで送信ボタンを押した。

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