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幻星記~第一部〈八の要〉編  作者: キヒロ
第一章〈ララ編〉
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リューンの夢

〈スフィア〉の夢を見るリューン。

「うーんんん!!!。」夢にうなされるリューン。


「………ここは…?!。」辺りを見渡す。《また…だ!!!。》ごつごつとした岩で、出来た…洞窟。深奥は、遙か…彼方。明かり…一つない。ただ…苔が、光っているので、何とか…歩ける。いつものように…慎重に…足場を確認しながら…奥に進む。


《リューン!。リューン!。》心に…直接…響く声。若い…柔らかで、包容力のある声。まるで!母親に呼ばれているような…優しい声。恐る恐る…「ス…スフィア…様…。」ぼんやり…姿が、現れる。緑の髪と緑の瞳。優しい…慈愛に満ちた柔らかい笑顔。エイナによく似た顔立ち。エイナが、母親になったような…そんな優しい顔立ち。

ぼんやり…呆けてしまうリューン。そっと…音もなく…近づいてくる〈スフィア〉。耳元で…囁くように…。「早く…早く…〈シセリウス〉を…連れて…来て!。」〈スフィア〉の手を摑もうとして…宙を空。蜃気楼のごとき〈スフィア〉。空回りした手だけが、重く感じられる。それでも…〈スフィア〉を求め、彷徨う…リューン。ふわり…ふわり…漂う〈スフィア〉。リューンの独りよがりの追いかけっこが、しばらく…続く。

「〈シセリウス陛下〉を…連れて…行くから」にっこり…笑顔を見せると、大きな…扉の中に…ゆっくり…消える〈スフィア〉。「待って!!!。」リューンが、叫ぶ。だが、〈スフィア〉は、消えてしまった。「必ず…連れて…行くから…。」虚空に呟くリューン。


がばっー目覚めたリューンは、しばらく…呆ける。虚空を…ぼんやり…見つめるリューン。夢だと、気付き…辺りを見渡す。カーンの姿は、無い。一階の一画から高いオーラを感知する。その近くに…カーンとエイナのオーラを感知する。「はぁぁぁ!!。」深い…嘆息を吐くと、起き上がる。宿の用意された…寝間着から…置いていた…私服に…渋々…着替える。時間は、八時過ぎ。眠い目を擦り…廊下の洗面台に向かう。

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