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幻星記~第一部〈八の要〉編  作者: キヒロ
第一章〈ララ編〉
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稽古

リューンは、〈三の剣〉の稽古をつけてもらうが、反発してしまう。

リューンの腕に手を添えて、〈型〉の稽古をする〈三の剣〉。それを周りに居る〈盾〉達が、真似をする。エイナもリューンの前…間合いを計った所で、稽古をしている。ゆっくりーと、完璧な〈型〉を紡ぐ〈三の剣〉。対してリューンは、どぎまぎ…顔を真っ赤にし、心臓を漠尽かせている。白魚のような細く…柔らかい〈三の剣〉の手…とても剣を持つ手には見えない。それに加え…顔を見知っているリューン。どう対応すれば、分からず…〈三の剣〉の手を思い切り!!!振り切り…ぞんざいに!!!「一人で、出来る!!!。」〈三の剣〉は、きょとーん。エイナが、代わりに怒る。「リューン!〈紫銀の剣〉様に対して、失礼だろう!!。」ぷいっ!ふてくされる。傍で、やり取りを観ている〈盾〉達は、はらはらどきどき。〈手打ち〉になるのではと、緊張する。「〈紫銀の剣〉様!。私の〈型〉を見て下さい。」エイナは、至って冷静!。〈三の剣〉の前で、ゆっくりーと〈型〉を披露する。〈三の剣〉は、エイナの傍に寄ると、手を添えて…「もう少し…振り方を大きくした方が、〈技〉の威力が、増します。」「はい!。ありがとうございます!。」居心地の悪いリューン。苛々して、地団駄を踏む。素知らぬ振りで、〈三の剣〉に、意見を求めるエイナ。それを快く受ける〈三の剣〉。二人の様子に!苛々を増し…「帰る!!。」剣を持ったまま…その場を立ち去ろうとするリューン。「リューン!。」咎める声を上げるエイナ。〈三の剣〉は、「足でまといになったら…切り捨てれば良い。」ぐぅぅー小さく唸るリューン。「分かったよ!。やればいいだろう!!。」〈三の剣〉に、剣を向ける。対して〈三の剣〉は、リューンを無視して、〈盾〉達の元へ。〈盾〉の配下の一人…リューンより若い、16、17才位の青みがかった黒髪の青年に声を掛ける。「対戦しろ!。」「えっ!。」リューンと青年が、同時に声を上げると共に…不安そうな顔をする。「早く…しろ!。」渋々…〈盾〉の青年の元、剣を合わせる二人。最初に仕掛けたのは、リューン。小刻みに剣を振りながら…〈小技〉を!二つ…放つ。一つ目を、軽く…交わし!、二つ目を、剣で、上に弾く。と、同時に!後方へ…〈中技〉を放つ為に、間合いを取る青年トロイ。〈型〉を急いで紡ぐ。そうはさせまいと!勢いよく…飛び込んで来るリューン。ほーんの少し…トロイの方が、勝っていた。〈中技〉が、炸裂した。後方の木に!勢いよいよく、叩き付けられるリューン。そのまま…ずり落ちる。「勝者!トロイ!。」〈盾〉の青年が、声を上げる。トロイの元に…仲間が、集う。「望みは、何ですか?。」〈三の剣〉が、声を掛ける。紅潮した顔で、「〈技〉を…覚えていない〈中技〉を、お教え下さい。」「いくつですか?。」「三つです。」口元を緩ますと、「分かりました。」トロイの腕を取る〈三の剣〉。「一つずつ…確認していきましょう。」「はい!。よろしくお願いします。」周りにいる〈盾〉達も…見様見真似で、〈型〉を紡ぎ、〈中技〉を作る。和気藹々と、稽古に勤しむ〈盾〉達。互いに!評価し合う。その間に!エイナが、リューンの元に行き…立ち上がるのを手伝う。振る振ると、頭を振ると、エイナに支えながら立ち上がるリューン。ぼんやりーとトロイ達を見る。誰一人…リューン達を見る者はいない。エイナが、「リューン!私達も…稽古しよう!。」「………。」エイナが、リューンの目の前で、〈型〉の稽古を始める。渋々…不満そうな顔のまま…稽古を始めるリューン。


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