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幻星記~第一部〈八の要〉編  作者: キヒロ
第一章〈ララ編〉
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リューンその2

リューンは、セナに化けた〈三の剣〉と一緒に川沿いの土手で、身の上話をする。

昼食を取り終えると、リューンは、〈ララ〉に呼ばれた。どぎまぎしながら部屋の戸を叩く。「入りなさい!。」三十代位の女性のりーんとした声に!一層…緊張しながら部屋に入る。「し、失礼します!!。」部屋には、給仕をしている三十代位の青みがかった黒髪の女性と、長椅子に腰掛けながら…優雅にお茶を嗜む〈ララ〉の二人だけ。「少し…そこで…待ちなさい!。」給仕をしている三十代位の女性が、言う。「は、はい!!。」上擦った声で答えるリューン。5分…7分…10分…。じっとしているのが、苦痛になってくるリューン。それでも…耐える。〈手打ち〉に、遭いたくないから!。12分…13分頃…寝室の扉が、開いた。現れたのは、セナと、年若い…十五、六歳位の…金茶色の髪の少女。背も同じ位…少し…低い程度。身体付きもよく似ている。「お待たせいたしました!。」少女は、〈ララ〉に…頭を下げる。「アイリ。苦労。です。礼。言う。」(アイリご苦労さま。礼を言います。)「私のお下がりですが、ぴったり合って…よかったです。」「はい。ありがとう。」セナが、礼を言う。「夕方までに戻りなさい!。」三十代位の女性が言う。「〈三の剣〉。」手招きをする〈ララ〉。傍に寄り、腰を屈めるセナ。瞳を覗き込み…見つめながら「気。付ける。いる」(気を付けていってらっしゃい。)

「はい。〈ララ〉様!。」立ち上がり…「リューン!。」手を伸ばし、リューンの手を強引に!絡ます。「お気を付けて!。」アイリが、頭を下げる。「行って来まーす!!。」セナの元気な声と共に!部屋を後にする。


道行く人々が、セナに注視する。眩いくらい…美しいセナと十人並みのリューン。在る者は、舌打ちをし…在る者は、リューンを睨む。そんな事はお構いなしにセナは、リューンの腕を離さない。「はぁぁぁ!!。」深い嘆息を吐きながら、セナに付いて行く。関所を抜け、川沿いの道は、恋人たちの逢瀬の場所。既に!数組の恋人たちが、思い思いに…逢瀬を楽しんでいる。セナとリューンは、彼らとは、離れた場所に、少し…離れるように座った。

「リューン!」〈三の剣〉の声で話す。「!!!?」驚き、きょろきょろと周りを見渡すリューン。そんな事はお構いなしに!〈三の剣〉は、話し出す。「〈ガマー〉の出だろう…。」「!!!。」「〈レリー〉殿に口止めされていたんだろ…。」「………。」的を射た答えに!言葉が、出ない。「家族は、いるのか?。」「母さんと……義理の父親…三人…弟と…妹…二人ずつ…。」「大家族だな。」「私の父親は、私が、四歳の時に…母は、十の時に…〈魔獣〉に殺された。」「!!!。」「二人共…私のせいで亡くなった。」「……俺の父さんは、五歳に…病気で、死ん…な、亡く…なった…。」「そうか…」「母さんは、村長だから…掟で、夫を…数人…持たないといけないだけど…俺が、七歳になるまで…父さん一人だけを……。」「そうか…。」「俺…三つ下の…妹と…結婚…したくなくて…。それに…十五の頃から…〈スフィア〉様の…夢を視てて……。カーン達に…付いて行けば、夢の…意味が、判る…かなと、思って……。」「後悔していないか?!。」「うん!!。」力強く頷く。「リューン!!。これからは、名で…〈三の剣〉と呼べば良い!。」「えっ!!?。」「一緒に…旅をするのだから…。」「う、うん!!。分かった。」横を向くと〈三の剣〉の顔が直ぐ傍に!。「リューン!!。」近づき…唇を重ねる。「温かい…。」がくり…リューンの胸に倒れ込む。「……………。」意味が分からず…思考が停止してしまう。「……。ふぎゃぁぁぁ!!!。」大声を上げるも…〈三の剣〉は、気を失ったまま…ぴくりとも動かない。《俺の…初口吻を………。》頭を抱え込む。

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