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幻星記~第一部〈八の要〉編  作者: キヒロ
第一章〈ララ編〉
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花畑

花畑に来た〈シーナ〉、ミリリア、エイナは、〈魔獣〉ラ•クテンに襲われる。

「はぁぁぁ!!!。」深い嘆息を吐き…眼下の光景にうんざりするエイナ。少し小高い丘の眼下には、一面の花畑。色とりどりの美しい花が、咲き乱れている。その中に!〈シーナ〉とミリリアが、花飾りを作っている。と言うより、〈シーナ〉の作る花飾りをミリリアが、一生懸命…真似ている。ほのぼのとした光景だが、エイナは、気が重い。何故なら!〈シーナ〉の書き置きに憤怒して、〈三の剣〉が、来るだろう……。〈シーナ〉に誘われて、来ているのだが…〈三の剣〉から見れば、〈シーナ〉を攫ったと、思われても仕方がない。「はぁぁぁ!!!。」気が重い!。今は、ただただ…〈三の剣〉よりも…一刻も早くカーンが、来てくれるのを望む。カーンのことを一目置いている〈三の剣〉。修羅場になる事は、ないだろう。………多分。それよりも〈シーナ〉達に気を散らす訳にはいかない。壁が、有るとはいえ、最前線には、変わりがない。何時、壁を壊して…襲って来るか分からない。実際…視認出来る範囲で、二カ所…修理している。〈盾〉達が、警戒態勢を取っているとは言え、〈魔獣〉の襲来を100%…防ぐのは、不可能。彼らが、非力ではない。それだけ…〈魔獣〉の脅威が、大きいのだ!。一戦闘当たり…数人の負傷者を毎回出してしまう。どんなに頑張ってもだ!死者を出さないのが、精一杯!。それでも…月に数回は、大規模な戦闘に陥り…死者を出してしまう。〈オーラ〉を最大限上げて、索敵、警戒態勢を取る。エイナの感知能力は、〈上位の騎士〉並。十ガロ[キロ]程。森や林、山などの障害物が有る場合、数ガロに落ちる。「ふぅーーー!!!。」今のところ…異常はない。一度の索敵時間は、数分。それが、限界。〈剣〉のように…十数分出来るのは、数少ない〈調べ〉だけだ。〈剣〉の中で、最強と謳われる〈三の剣〉の能力は、未知数。考えただけでも…恐ろしい。〈シーナ〉を守る為なら何でもするだろう。例え…巻き添えになっても…気には止めない…だろう。身が危険に晒されるかも知れない…そんな恐怖に身震いする。今のままだと…いずれは訪れる危機。カーンは、如何するのだろう?。何か策でも在るのだろうか?いや、在って欲しい。ただただ…それを願う。再び…索敵態勢に入る。直ぐに!。〈魔獣〉の群れを感知する。その数…七頭。壁にいる〈盾〉達も気付き、鐘を鳴らす。と、同時に!壁を修理していた一般市民達が退避する。エイナも加勢しようと、駆け下り、花畑の中にいる〈シーナ〉と、ミリリアに!「逃げろ!!。」一言告げると、花畑の中を突き進み、一目散に!壁に向かう。「〈シーナ〉!。」不安そうな声を上げるミリリア。「私に構わず…先に丘まで上がりなさい。」「駄目!。〈シーナ〉を一人したら怒られる!。」「ミラ。」困った顔をする。「私は、走れませんから。」ぶんぶんー顔を横に振るミリリア。「絶対駄目!!。」そう言うと、〈シーナ〉の手を強く握る。「分かりました。」そう言うと、丘を目指して、歩き出す。だが、その動きは、遅い。一方、〈盾〉達と、合流する事の出来たエイナは、壁づたいに〈名も無き騎士〉達と共に!右に移動する。100空先に壊れた箇所があり、その防衛に就く為である。〈魔獣〉の進行は、思って以上に早い!。一頭が、眼前を過ぎる。〈魔獣〉ラ•クテンだ!四本の蟹のような鋏と、硬い殻が全身を覆い、鋭い二本の毒針の尾を持つ。二頭目!先に行く〈名も無き騎士〉が、攻撃を仕掛ける。エイナは、先の〈魔獣〉ラ•クテンを追撃する。眼前に〈シーナ〉達を捉える。間に合わない!!。間一髪!!!。〈シーナ〉が、ミリリアの上に、四つん這いで覆い被さり、結界を張って、〈魔獣〉ラ•クテンの攻撃に耐える。間断なく続く〈魔獣〉ラ•クテンの攻撃!。四本の蟹のような鋏が、容赦なく〈シーナ〉達を襲う。何とか攻撃を逸らそうと、エイナの躊躇ない攻撃が、炸裂する。だが、毒針の尾の攻撃を間断なく受け、エイナは、紙一重!ぎりぎり!何とか攻撃を受け流すのが、精一杯!。近づくことが、出来ない。探知能力で、カーンとリューンが、近づいている事が、確認出来たが、合流する事は、出来ない。

「カーン!!!エイナが!!!。」リューンが、悲鳴を上げる。「判っている!。」隙を伺い,間合いを確認するカーン。一歩間違えれば、エイナも〈シーナ〉達も危ない。其処へ!猛然と突き進んでくる〈三の剣〉。そのまま!エイナを突き飛ばすように間合いに入ると、攻撃を紙一重で、受け流す。「エイナ!!」心配そうに覗き込むリューン。ぼろぼろのエイナをカーンが、怪我の度合いを診ている。「カーン!!。」エイナの声に「判っている!。」「リューン!わしの合図で、ミラを!」「う、うん!!。」立ち位置をゆっくり変えている〈三の剣〉。徐々に!〈シーナ〉達から離れる。「リューン!!。」カーンの声と共に!カーンが、〈シーナ〉を引き上げると、すかさず!ミラを救助する。と、同時に!〈三の剣〉が、攻撃に転じる。圧倒的な力量で、〈魔獣〉ラ•クテンを凌駕する〈三の剣〉。美しい流れで、型を紡いで行く。〈オリジナル〉の一つ〈華〉の技が決まり、五空を超える体躯が、空を舞い、花びらのごとく四散する。肉片すら残らない〈魔獣〉ラ•クテン。「ふぅー」呼吸を整えると、剣を振り、鞘に収める。毒針の影響で、あちこち裂けて、ぼろぼろの服。そんな事はお構いなしに!ゆっくり…カーンに近づくと、「〈シーナ〉様を!」「あぁ!。」受け取り、横抱きにしたまま…その場を後にしようとする。ぽとり…左手から流れ落ちる血。「あっ!。」声を上げるリューン。ぷい!無視して去る〈三の剣〉。「エイナ!手当をしよう!。」「……。」「リューンは、ミラを連れて来い。」「う、うん!」カーン、エイナの後をミリリアを抱き抱えたまま、その場を去る。途中…五人の解体屋と、すれ違う。

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