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幻星記~第一部〈八の要〉編  作者: キヒロ
第一章〈ララ編〉
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ユラその1

人間の町ユラに到着した。そこで、歓待を受ける一行。

弁当箱を洗い、棚に片づける。代わりに…干しいも〖ポテトチップス〗を2袋…干し林檎を1袋もらう。干しいもは、リューンとミリリアのおやつ。干し林檎は、自分用。干し林檎は、〈三の剣〉が、食べるかも知れないと思い…貰った。使用した者が、宿代として、何かを置くことは、暗黙の決まりになっている。〈盾〉達も1週間に1度…点検と食料品の補充を行っている。

後片付けを終え、一通り…見て回るエイナ。次の者に対しての礼儀である。ただで、泊まれる…数少ない、宿泊地。一人…一人の礼儀が、問われる。違反者が、多ければ…閉鎖されても…有料になっても、おかしくない。〈傭兵〉の暮らしは、とても厳しい。自由だからこそ…〈魔族〉の〈騎士〉でない故に…その生活は、厳しい。ほとんどの者は、〈騎士〉になる前の修行として、一時期だけ…〈傭兵〉になるだけだ。

「出発する!。」エイナの高らかな声と共に…車は、ユラに向かう為に…ゆっくりと走り出す。荷台には、エイナとリューンが、座り…幌には、ミリリア、〈シーナ〉、〈三の剣〉が、乗り込んでいる。

ユラは、〈八の要〉が、一人…〈ララ〉が治めている、〈ワン〉の人間の町である。人間の町は、50年から100年程で、閉鎖される。唯一の例外として、薬種町カフスがある。〈八の要〉の街と同じく…100万年前から存在する。その名の通り…薬を取り扱う一族が、住んでいる。〈三の副官〉ダウルは、ここの出身である。

舗装された道を左に外れ…少し、でこぼこ道を進む。しばらくすると、町門が、見えて来た。ゆっくり…観音開きに、開く。既に!町人が、土下座をして…待っている。幼い子供や妊婦、土下座の出来ない老人などは、いない。皆…〈手打ち〉を恐れての事。家の奥に…身を潜めて、隠れている。カーンは、町人の一番前、町長と共に…控えていた。〈シーナ〉を先頭に…〈三の剣〉が、降りて来た。エイナ、ミリリアは、降りるなり、ひざまずく。リューンは、慌てて…倣う。

「〈シーナ〉様!。〈紫銀の剣〉様!。お待ち致しました。」「〈レリー〉。ご苦労さま。」「はっ!!。」頭を一度、下げると…立ち上がり、町長の案内の元…町の中央にある町長の家に向かう。似たような家々の間を歩く一行。町長の家は、一回り程…大きいだけの家である。中に入ると、大きな客間に通される。既に!宴会の準備が、されている。一段高い奥間に…客人用の椅子が、1つ置かれている。その前に座椅子が、2つ。〈三の剣〉とカーン用である。その外側…敷物だけ引かれた場所。右側…〈三の剣〉の隣に…エイナ、ミリリアが、座り…カーンの隣に…リューンが、座った。

盆に盛られた数々の料理が、運ばれて来る。目を一喜一憂させるリューンとミリリア。エイナは、睨みを利かせる。カーンは、運ばれた料理を、ごちゃ混ぜにすると、一口分取り…味見と毒味をする。〈魔族〉である〈シーナ〉には、毒は、効かないが、人間である〈三の剣〉の為にする。終わった物から〈シーナ〉の方に下げ渡す。町長は、そんなカーンの態度に少し…がっかりとした表情を浮かべる。料理は、皆…手の込んだ飾りを施された一品物ばかり。リューンとミリリアは、残念そうな顔をする。エイナと〈三の剣〉は、何とも思わないようだ。次々と、運ばれて来る料理。やがて…盆に乗った果物が、運ばれて来る。カーンは、適当に…取ると、口に運ぶ。一品終わる事に…お茶を飲み、味を消す。〈シーナ〉も〈三の剣〉もあまり…料理に手を付けていない。〈三の剣〉は、果物に少し…手を付ける。カーンは、残った果物を適当に…袋に詰める。料理は、リューンとミリリアが、殆ど…平らげている。リューンが、半分程…取ると、エイナに渡す。エイナは、殆ど…取らず、ミリリアに渡す。ミリリアは、全て…取ると空の盆を次々と、作る。そんな二人の様子に…呆れる町の者達。やがて…盆に乗った料理が、終わる頃、旅芸人達の芸や歌に合わした踊りが、披露される。次々と、変わる演目に…リューンと、ミリリアは、目を丸くし…手拍子を打つ。エイナ、カーン、〈三の剣〉は、全く…動じない。〈シーナ〉は、いつもと変わらぬ…にこにこ顔。

宴が、終わり…町長の挨拶が、済むと、〈シーナ〉が、エイナとミリリアに向かって、「湯浴みの用意をお願いします。」「…はい。」エイナが、一間…間を置き、応える。ミリリアは、少し…残念そうな顔をする。まだ、足りてない顔にエイナは、呆れる。「弁当を用意させる。」カーンの声に…にっぱぁ!満面の笑みを浮かべるミリリア。カーンは、〈シーナ〉に、体を向けると、「〈シーナ〉様!。わしと、〈紫銀の剣〉は、少し…失礼する。」「いってらっしゃい。」〈シーナ〉に促された〈三の剣〉が、カーンと、共に立ち去る。エイナとミリリアも立ち上がると、「では、行ってきます。」エイナの声と共に立ち去る。四人を見送ると、〈シーナ〉が、「リューン!お茶を飲んで、待っていましょう。」「へぇーい!…じゃあなかった…は、はい!。」くすり…笑みを浮かべるシーナ。出されたお茶を飲み合うリューンと〈シーナ〉。



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