2話 噂
一人を除き三人は見るからに不良少年らしき人物ともう一人は・・・・なんか小声で言ってる
「こんな所で騒ぎになるのはまずいよ」
「リクはちょっと黙っとけ」
「なあ、お前神無月って言ってたな。あの魔法境界の創設者でもある神無月東京支部長の息子か?」
不良少年はいかにも不良ですよと言ってるかのように強い口調で慎司に尋ねる。
「そうですけど、父になんか用でもあるんですか?」
慎司の父は現在行方不明となっている。大量の血痕、いつも肌身離さず持っていた剣だけが落ちている時点で司の知り合いからはあの日間違いなく両親、兄弟は皆サタンに殺されたであろうと推測は出来ている。
慎司が魔法境界になろうと決断したのも数年前サタンに家族が殺され復讐をするためでもあった。
「知っているか? お前の父は現在何と呼ばれているか。裏切者って言われてんだぜ」
「それは、父さんのことはあまり知らない一部の人間だけでしょ。」
「さぁ、どうだろうね、俺も魔法境界に志願したばかりの受験生なんで魔法境界の内部のお情報など詳しくは知らねーがこの噂はかなり広まってるぜ」
「なんでその噂が広まり出したんだろうね」
「父のことなんも知らないで魔法境界志願したのか。」
不良少年は少し間を置き話を続ける。
「いいだろう、教えてやるよ」
教えて欲しいなんて一言も言ってないが。こいつただ喋りたいだけなのか?
慎司は断ると面倒なことに巻き込まれそうな気がしたので黙って素直に聞くことにした。
「神無月東京支部長は科学者としてOH7について研究していたようだな」
OH7h現在は流行してはないが数十年前に何者かがばらまいたとされているウイルスの一種。
伝染病であり感染したらまた次の人へと感染が拡大する。主な症状は、高熱、吐き気、頭痛、めまいであり小さい症状はそれほど危険はないが高熱により命を落とす係数がいくつか出てきた。
OH7は全て駆除されたとされているが肝心な犯人が捕まってないのでいつどのタイミングでまた流行入りするのかが問題視されている。
慎司の父はOH7の解析及び抗体の研究に携わってきた。
しかし、実際のOH7を使っての研究自らが感染して命を落とすリスクが高いとされ、知らずの間に感染している可能性があるとし原則として家に帰るのは年に一回、それ以外は研究所で泊まり込みで研究に没頭していたらしい。
「自分が感染して死ぬかも知れない研究が怖くなって逃げたらしいな、今頃どうしてるんだろうね。君の親父さんは?」
「病で苦しむよりはましだから自殺をしたんじゃないのか」
「あーなるほど」
もう一人の不良少年がその疑問に答えるように話した。
「・・・・勝手に言ってろ」
慎司は聞こえるか聞こえないかくらいの小声で喋る。
「え?なんだって?」
上手く聞こえなかった不良少年はもう一度尋ねる。
「ただの噂だろ。実際父さんと同じ研究チームに携わっている人から聞いたわけでもないのに。父さんを見下すような言い方辞めてもらえませんか?」
サタンに殺されたことは師匠からも口止めされている。万が一言ったところで信じてもらえないことは大方察しが付く。
それに、慎司は父さんと同じ研究に所属しているメンバーと対面したことがある。
神無月家周辺についた血痕を払拭し解析した結果サタンの血出あることが判明したため研究チームに所属しているメンバーらは父さんが殺されたことしして非常に信用されていたため裏切るような行為はすることは絶対ないと否定していたため。父さんと全くかかわったことのない連中か父さんをよく思わない人が起こした噂だろうと推測はしていた。サタンについては時が来るまでは世間に公表してはならないと厳しく口止めされている。
「てめー神無月東京支部長の息子ならどれ程のうでまえか試してみたかったんだよね。」
といいいきなり慎司の顔面を目掛けて殴ってきたが慎司は辛うじてよけることが出来た。
「だからここで問題起こしたらまずいよ」
一人は喧嘩に反対しているようだが二人は賛成派のようで一人の意見を無視し慎司を殴りこむ。
受けることができず腹に直接入り壁まで吹き飛ぶ。
「またなんかやってんのかよ。毎年こういう奴いるらしいよね、自分の強さは通用するか試す奴」
と先輩魔法境界の方々がいいつつも止めにかからない
「そんな程度か、神無月東京支部長の息子も大したことがないな」
「さあ、もう行こうこんな雑魚相手にしても無駄だね」
といい二人はすぐに背を向け立ち去るが一人はこちらに近づいてきた
「大丈夫ですか?怪我をしている。今すぐ手当てしますね」
「この程度大したことないって、それよりあんたなんであんな連中と一緒にいるんだ?」
「おいリク、そんな奴相手しないでさっさと来い」
「こちらには事情があるので、それでは」
すぐに少年はあの不良少年のもとに戻る