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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕は四兄弟の末っ子。

僕の兄、ゆうにぃの話。

作者: 空野雪乃


ゆうにぃは不器用な人。

無表情だけど、友人想いなゆうにぃ。

そんなゆうにぃは、クラスの女子から怖がれている。が、逆に男子からはとてつもなく慕われているらしいんです。


ゆうにぃの友人はよく遊びにくる。

年下の僕のことを、自分の弟のことのように可愛がってくれるから好きだ。


ゆうにぃは、高校に入学してから一ヶ月経ってもいないのに男子の中では中心人物になっているようです。

さて、僕はその情報源はどこから聞いているのかと言うと……。


「なぁちゃん、最近のゆうにぃの様子をもっと教えて?」


ゆうにぃの友人のなぁちゃんこと、直紀なおきさんです。なぁちゃんは、僕ら兄弟のことを大好きで、こんな兄弟が欲しかったと言ってくれているくらいなんです。


「もちろんだよ、月ちゃん!」


僕もそんなチョロ……ううん、素直で純粋ななぁちゃんが大好きだよ。





僕ら兄弟の情報屋、なぁちゃんはいろいろなことを教えてくれました。

あーにぃは今、一途に一人の女の子に片想いをしていること。

本人は片想いだと思っているみたいだけど、両片想いだと言うこと。

女の子の方は、文化祭の時助けられて以降、片想いをしていたそうです。


……文化祭の時、助けてたなんて知らなかったんだけど……??


まあ、それはさておき。次に教えてくれたのはよーにぃのこと。

なぁちゃんの良いところは、頼んでないのにあーにぃやよーにぃのことを教えてくれることですよね。

よーにぃは、色恋沙汰にはあんまり興味ないみたいで演劇一本らしいです。

最近は、あーにぃが好きな子がいじめられないように後ろから手回ししたり、いじめられていることを伝え、あーにぃに対処させたりしているみたいです。

流石はよーにぃ、引き際はよく理解していますね!!


「ユウと放課後演劇部を見にいくんだけどね、去年の文化祭より演技力が上がってた」


と、なぁちゃんが恋する女の子みたいに言っていたくらいだから、相当よーにぃ演技力が上がっていたんですね。

よーにぃは、同性すらも魅了する魅力を持っているからなぁ。護身をさせるのをもっと徹底的にさせないとそろそろ危ないかな?


やっと本題! ゆうにぃのことです。

ゆうにぃを好きになった女子が現れたそうです。そう語る、なぁちゃんの顔は不機嫌そうでしたけど。

まあ、ゆうにぃが幸せなら相手が異性だろうと、同性だろうと僕は反対しませんけどね。多分、そう思っているのはあーにぃもよーにぃも同じです。


なぁちゃんは、それ以上ゆうにぃのことを語りませんでした。

よっぽど、なぁちゃんにとってその女子の事が気に食わない人物なようです。


「なぁちゃん?

どうかしましたか?」


と、僕がそう聞いてやっと、


「気に食わない。散々、悪口言ってたくせに、階段から落ちそうなところを助けてもらった途端、これだよ。

僕なんかもっと、ユウの良いところを知っているのに……、ユウがあの子のことを好きになっちゃったらどうしよう!」


なぁちゃんはそう本音をこぼした。




なぁちゃんは別にゆうにぃのことをそう言う意味で好きなわけじゃない。

ただ、ゆうにぃのことを友情以上恋愛未満の感情を抱き、依存している。


まあ、なぁちゃんだけが依存しているなら忠告するけど、ゆうにぃも依存しているし、依存し合っていた方が彼らにとっては幸せだろうし……。


「大丈夫ですよ、ゆうにぃは誰かの悪口を言うような相手をそう言う意味で好きになったりしないし、それに好きな人が出来てたら僕らに真っ先に言って来るだろうからそんなこと聞いてないし、今のところは大丈夫ですって!」


そう慰められば、なぁちゃんの様子も少しだけ落ち着いてきたようで安心しました。

そのタイミングでなぁちゃんのことをゆうにぃが迎えに来て、苦笑いをして、


「悪いな、月ちゃん」


そう一言残して、若干取り出したままのなぁちゃんを回収して行った。

そんな様子を見て、誰かと恋愛をすることだけが幸せじゃないと二人の姿を見てそう思いました。


よーにぃとって、好きなことが出来ることが彼にとっての幸せなんだろうなぁとそう気付けました。

その幸せが続くように、引き続き見守って行きたいと思います。








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