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藍の章 その六

晶「いやぁ、最近は主語が入った小説名が多いな、ネコ?」ネコ「少年、口は慎め………そんなこと言ってたら誰かに叩かれるぞ?」晶「いやいや、俺は別に悪いことなんて言ってねぇから大丈夫だって」ネコ「そうか?というより、この前書きは注意を書くものなんだぞ?」晶「ああ、そうだったな……ということで、注意かどうかはわかりませんがはじめてこの小説を読んでくださった方、主に感想を期待してますのでよろしくお願いします!」

六、

「晶様、今日はハンバーグを作りましたよ♪」

「へぇ、おいしそうなもんだなぁ…………藍は料理が作るのがうまいもんだなぁ〜」

 湯気が立ってハンバーグの隣にはにんじんが添えられていたりする。

「いえいえ、晶様が食べてくださるから作れるんですよ………私も食べられちゃいましたからね」

―――――

「俺はまだ手もつけてねぇぞ………はぁ………はぁ………」

 いかん、そろそろ変な夢を見るのが習慣づけられてきている気がする………このままでは俺は色々とやばいことになりかねん………

 じとっとした目で俺は隣の布団で寝ている藍のほうを見る。

「う〜ん………どうにも夢の中で登場する藍は美化されている気がする………」

「ぐ〜………ぐ〜」

 疲れているのかいびきをかきながら眠りこけている居候仲間の藍を見やる。うるさいいびきを止めるために俺は藍の鼻をつまんでやることにした。

「ぐ………すぅ〜………すぅ〜」

 いびきは止まり、静かな寝息に変わったので俺は立ち上がっていつものように朝のマラソンへと向かった。

――――

「いかん、眠い」

 学校について眠気が襲ってきた。これまでいつものようにマラソンなどをしていたのだが、一度も学校で眠気に襲われたことはなかったのだが…………

「どうしたんだい?とても眠そうじゃないか?」

 非常に面白いおもちゃを見つけた!といわんばかりの顔が俺の近くにやってきた。

「何だ、黒田?今、俺は非常に機嫌が悪いぞ?」

「それは結構………いや、ねぇ、何でそんなに眠いのか教えてもらいたいね」

 ニヤニヤしていやがる……こいつ、何考えているんだ?

「………最近悪夢を見るんだ」

「へぇ、悪夢?僕はてっきり藍ちゃんと夜の共同作業でもやっているのかとおもったよ」

「ぶぁ〜か!俺と藍の間にはなにもねぇよ」

「そうかい?それなら健全的で良かったよ」

 ちなみに布団は引っ付いているからな………となりの布団に入ろうと考えればはいることなどたやすいことである。

「学校で寝るのはさすがに罪悪感があるからな………ねみぃ…………」

「おやおや、そんなに眠いのなら寝てしまえばいいのに」

 ここで寝て悪夢を見てみろ………毎朝叫んで起きてるんだ。学校でそんなことしたら保健室どころか病院にいかなきゃならん。

「じゃ、一つ眠気を覚ますいいことを教えてあげようか?」

「いいことだと?何だ、それ?」

 俺が立ち上がったことをいいことに、奴はさらににやけ顔をプラスしていく。

「この前の伝説の場所が詳しくわかったんだよ」

「この前の伝説だぁ?いつの話ししてんだ、お前?」

 書類を渡されたのはもう一週間ぐらい前だ。その書類には確かに地名までは書かれていたのだが地図にはここらへんとかそういう適当なことしかかかれていなかった。

「そんなに食って掛かるようじゃ駄目だよ〜?ほら、これがそうなんだ」

 自信満々に俺の目の前に見せたものは………

「なんでぇ、隣町の龍塚じゃねぇか………」

 龍塚とはその昔に龍を生めた場所とされたところで、石がぽつんとおいてあるだけだ。それ以外にあるものはないし、観光名所にもなっていない。近々そこには大きな会社が建てられるそうで撤去されるそうだ。それに対して誰も反対しないのはこの龍塚に関わるといいことがないという噂があるからである。

「つぶれる前にその伝説………ま、伝説かどうかは知らないけど行ってみたら?面白い発見があるかもしれないよ?」

「わぁったよ……明後日ぐれぇにはいくからよ」

 俺がぶっきらぼうにそう答えると黒田は何が面白いのか突然笑い出した。

「何だ?何か知ってんのか?」

 その笑いに対してちょっと不振におもった俺は奴に尋ねる。

「はは……君は何も知らないんだねぇ?」

「何を知らないんだ、俺は?」

「その龍塚、今日までしか見れないよ?明日には撤去されちゃうからねぇ〜」

「…………わぁったよ。今日見に行けばそれでいいんだろ?」

 そのように答えると奴はにやりと笑って最後にいった。

「うんうん、そうしないとせっかく調べた意味がなくなるもんねぇ……ま、がんばってくれよ?」

 何をがんばるのか、そのときの俺には理解できなかった。

――――

 午後の授業は男女入り乱れてのサッカーだった。俺たちのクラスと藍たちのクラスとのガチンコ勝負で、女子サッカー部というものが我が高校にあるだけに結構強い。

「白瀬、はっきり言おう……」

 俺は今回ゴールキーパーをしている。何故かって?別にキーパーが得意というわけではないのだがくじで決まったことだ。

「何だ?てか、お前は何で皆のようにボールに突進していかないんだ?」

「僕が行っても負傷者が一人増えるだけだからね……はっきり言わせてもらうけど、僕はちょっとトイレに行きたいんだ」

「行け」

 それじゃあ失礼するよ?と言ってディフェンスの黒田が途中退場。

「白瀬!行ったぞ!!」

 そんな声がしたので真面目に正面を見るとなんと!あの藍がボールを持って突進してくるではないか!俺たちのチームは全員が攻撃にまわっているためにディフェンスなど一人もいない!というより、連中………追いつくのが無理と考えているのか誰一人としてこちらには来てくれていない!!

「おい、お前ら!さっさと守りに来いよ!」

「いや、無理!」

 めっちゃはやいねん!とかあっちで避けんでいる間に俺の目の前に藍が迫っていた。

「いっきますよぉ!!晶様!!勝負です!!」

 右足を後ろに思い切り曲げ………その瞬間に右足になにやら変なエフェクト効果なのか水の塊がついている気がする………それを一気にボールにぶち当てる。

「なんじゃそりゃ!?」

 急激な勢いを増し、ボールは俺を殺そうとしているのかまっすぐ俺につっこんでくる!勢い以前にボールはそのボールの五倍ほどの水を纏っており、当たったらマジで死にそうである。

「緊急回避!!!」

 俺は横に跳ねて脱出………ボールはそのままゴールし、高水圧を撒き散らした。その結果なのか地面がえぐれている。

「…………やったぁ!やりましたよ皆さん!!」

「すごいよ!」

 藍たちのクラスメートたちは胴上げをしており、俺たちのクラスメートは俺を非難する。

「なんて野郎だ!」

「よけんなよ!!」

「あれを受け止めろとお前らは俺に言うのか?」

「「そうだ!」」

「じゃ、てめぇらがキーパーやれよ!」

「うるせぇ!くじでキーパー引いたお前が何とかしろよ!!」

 険悪なムードの中、試合は再開。

 その試合も終わってみれば十三対零という悲惨な結果に終わった。

「いやぁ楽しいんですねスポーツは♪」

「………ついてねぇな」

 放課後、俺と藍はそんな会話をしながら家に帰ったのだった。


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