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冷たいけれど、温度はある。  作者: 一宮 仁嘉
1/5

プロローグ ある日の昼休み

初投稿です!

初心者だから短い方がいいだろうと書き始めたはずなのに、いつの間にか連載形式なっていたというミステリー!

いえ、お話を過不足なく完結にまとめる技量がなかっただけでございます、すみません。


5〜6話で完結の予定になっています。

拙い文章ですが、よろしくお願いしますm(_ _)m

「涼香ちゃーん。デート行こうよぉ〜。」


「行きません。」


「なんで〜?」


「…行きたくないからです。

そもそもデートというのは付き合っている者同士でするものじゃないですか。

私とあなたとの間では成立しないでしょう。」


「じゃあ付き合えばいいんだよ!」


「…付き合うというのは互いに好き合っていることが前提です。

私とあなたとの間では成立しません。」


「じゃあ涼香ちゃん、俺のこと好きになってよ!」


「…感情というのは自分の意志で簡単に操作できるものではないのですが。」


「じゃあ涼香ちゃんは俺のこと嫌い?」


「…別に嫌いではないですよ。」


「だったら「でも他人に対する印象に好きか嫌いしかないなんてこと、ありますか?」


相手の言葉を遮った女子生徒ーー涼香は、薄く笑って続けた。


「もちろん私にだって熱海くんに対する印象はありますよ。

でもそれは好きでも嫌いでもありません。

強いて言うなら感想ですかね。

明るいことは悪いことではないけども度が過ぎるとうっとうしい、といったところです。」


言い終わったところで正面の黒板の横に掛けられた時計を見た涼香は、男子生徒ーー熱海に言った。


「ほら、もうすぐ昼休み終わりですよ。

次の授業の準備しなきゃいけないでしょう。

熱海くんは階の違う5組なんだから急いで下さい。」


しかし、俯き加減で真剣な顔つきの熱海は動こうとしない。


「熱海くん?ほら早くーー」


「涼香ちゃんは俺の明るいところは評価してくれてるんだね?!」


「え?!」


突然顔を上げぱっと笑顔を見せた熱海に、涼香は面食らった。


「じゃあこれからはうっとうしくならないように気をつけてアプローチしていくから!よろしく!!」


そういうと熱海は1組の教室から飛び出していった。

涼香は一瞬だけ呆けていたが、熱海の言葉を反芻してしかめっ面になる。


「ポジティブ思考もあそこまでくると恐ろしいわ。何が、よろしく!、よ。

ちょっと言い過ぎたかと思ったのがバカみたいじゃない。」


吐き捨てるような独り言が終わると同時に、予鈴のチャイムが鳴る。

すると涼香はすっと表情を消し、何事も無かったかのように午後の授業の準備を始めたーー

次から本編に入ります。

次回は涼香ちゃん視点です。

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