12月28日①
初投稿です。お手柔らかにしてくれれば幸いです。
12月28日
へへ。はじめまして。僕の話を聞いてくれるんですか…。うれしいなあ。
どこから話そうかな。うん。最初から話しますよ、やっぱり。……そんな渋い顔しないでくださいな。へへ、まあ、話しますよ。
僕の家族構成は母、父、僕。一人っ子でした。…なにか問題でも?続けていいですかい?………へへ、じゃあ続けますよ。ありがたいことに大切に育ててくれましてね。へ、へへへ。父はよく言ったもんです。誇れる人間になれって。カッコいいでしょ?僕はその言葉を大切にしてましたし、その言葉を糧に正しく生きてましたよ。 異常が起こったのは小学校の高学年の頃…かな?へへ、突然、まあ多分原因は普段からの僕の正義感ある行動なんですが、いじめられちゃいまして。気に食わなかったんでしょうね、きっと。今なら皆の気持ちが分かりますよ。なかなか酷いもんでしたよ。僕、顔が、自分で言うのもなんですが、よくないでしょ。加えて運動神経も最悪。皆からは菌扱いです。でもね、一番キツいのはシカトですよ。へへ、悪口言われてる時、自分の存在が認識されているんだって安心するんです。笑っちまいますよね。父は僕がいじめられていることを知っていました。きっと。だけど何も言いませんでした。ただ、「残念だ。」って言うんです。父の言う『誇れる人間』から遠く離れたものに成り果てちまったみたいですよ、僕は。中学までこんな感じですよ。へへ、へへへ。少しは参考になりましたかい。
幸いなことに頭の出来は中学の馬鹿どもと違い、いくらかマシだったようで。それを『誇り』に中学は過ごしました。へへ、自慢しちまいますとずっと学年一位だったんですよ。そのお陰もありまして、地元じゃ有名な県立高校に行けることになったんです。皆イイ人でしたよ。ホント。もう僕をいじめる人なんていなくてね。へへ、でもですよ、ホントの地獄ってやつはあそこ。僕にとってはね。…気になりますか?…へへ、その通りです。皆、優秀過ぎたんです。中学の頃は万年一位だった僕は高校では半分に入るのがやっと。打ちのめされました。加えて、皆イイ人。中には運動神経抜群、イケメン、性格良好、成績優秀。そんな奴もいました。才色兼備、完璧超人。羨ましい限りです。神は二物を与えず?ふざけちゃいけません。二物、三物…神様って奴は気まぐれでして、きっと彼らにゾッコンだったんでしょう。あそこでは僕は何者でもありませんでした。
両親は…あの頃は…すいません。よく覚えていません。ただ一つ言えることは、彼らは何かに夢中で僕のことなんて気にしていなかったってこと。へ、へへへ。よく言われました。「お前と違って…」…すいません。続きが思い出せません。
すいません。ちょっと休憩しませんかい?頭が痛くて仕方ないんです。どうですか?皆さんもトイレにでも。