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装甲~protect~  作者:
翼装甲
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第1章 第2節「翼装甲」

学園寮ー

「布月さん。テルボルの場所特定しました!行ってください!」

唯がそう叫ぶと、

「布月、剣装甲出るよ!」

と、布月が出て行った。

唯は本部である自室で一人つぶやいた。

「新たなる装甲か。誰なのかな?」

後にその正体を知り、驚くことになると知らずに…


沙紀は肩甲骨の内側に強烈な痛みが走ったのを感じた。

熱い!…痛い!何これ?いったい何がおきているの?

すると急に身体から熱が逃げていくように思えた。

はあ。だいぶ楽になった…さっきのは何だったんだろう?


「お姉ちゃん、すごい~翼が生えてる」

「えっ!?」

沙紀は女の子の言うことがわからず自分の背中を見た。次の瞬間、沙紀は目を見開いた。そこには、女の子の言うとおり、本来無いはずの白い翼があったのだ。

「ちょ、えっ、な、何?」

全身は黄色の縁取りのウェットスーツに似て硬そうな服を、耳には丸くオレンジ色の縁取りで斜め後ろに二本の細長い突起が、手には銃が、そして足には黒いブーツを履いていた。

ふと前を向くと目の前までテルボルが迫っていた。

けど、どうなっているの!?自分の身体のことは後回しにして今は必ずこの子を護る!

「ヤバい!逃げるよ!」

沙紀はそう言うと屋上から飛び降りた。

「キャー!」

格好つけすぎた…。どうやって着地すればいいんだろう?

沙紀とっさに体を回転させて受身を取ろうとしたが、そんな心配は無用だった。自分でも気が付かないうちに翼が羽ばたいていて二人は空を飛んでいた。

程なくして二人は地面に降り立ったが、またもテルボルに囲まれてしまった。

「しまった!これでは逃げれない」

そこへ隙を見てテルボルが攻撃してきた。沙紀が女の子をかばうようにすると二人の体を翼が覆って、翼に触れたテルボルは自壊していった。

私にはテルボルを倒す力があるの!?この力を使えば、もっと多くの人を護れる。


その時、翼の隙間から光が見えた。すると、光が見えた方からどんどんとテルボルが倒されていった。

数分後、沙紀は翼をたたかれた。

「大丈夫ですか?もうテルボルは全部倒しましたよ」

「ありがとうございます」

沙紀はそこで初めて顔を上げた。

「あっ!布月!何でここに居るの?」

「沙紀こそ何で装甲付けてここにいるの?」

「私はこの子を連れて逃げてきたんだよ。そうしたら急にこうなったの。どうしたら元に戻れるか教えてくれる?とあと、何で布月もここにいるの?」

「あ、えっ、その…」

「何か私にいえないことでもあるの?」

「うん…。まあ、そういうことにしておいて」

「その言えない事ってこの装甲?のことも、布月がここに居る事も?」

「あぁ、もう!とにかくここでは話せないから寮に戻ろう。このことは寮で話すから」

そのとき、警察が来る音が聞こえた。

「沙紀、逃げるよ」

「この子は?」

「そこに置いておけば警察が面倒見てくれるはずだよ!とにかく早く!」

「う、うん。ごめんね」

沙紀たちは女の子を置いて慌てて帰った。


唯はその様子を眺めながらー

「沙紀って僕が昔助けた子に似ているな~。てか、翼あるのになんで使わないんだろう?」


その後、二人は学園寮に戻った。

「ふう。疲れた。でも、まさか沙紀がなぁ~…」

「なら、お風呂入る?」

「そうだね。さっきの続きはお風呂の中で話すね」

二人は戦いの疲れを癒すためにお風呂に入った。

「はぁ~。生き返る。やっぱり戦った後のお風呂は気持ちいい~」

「で、装甲って何?」

「小学校一年生の健康調査のときに注射されたのを覚えている?」

「なんか、そんなことがあったね」

「多分、その時に装甲が埋め込まれたんだよ。埋め込まれたときはまったく戦闘能力を持たない第一形態だけど自身の思いで第二形態に進化するんだ」

「誰が、何の目的で装甲を埋め込めたの?」

「政府だよ」

「えっ、学校はそのことを知らなかったの?」

「知っていたはずだけど、政府から口止めされていたと思う」

「わざわざそんな事をして何のために埋め込んだの?」

「たぶん、将来軍事目的に役に立つと思ったからだと思う」

私たちは戦闘のためだけに作られたって言うこと…なの?

「なるほど。で、何で軍事目的の為に作ったものなのにテルボルと戦える力があるの?」

「さぁ?その辺は私にはわからないから唯に聞いて」

「了解!……って事は唯も装着者なの?」

「いや、違うよ」

「じゃあ、何なの?」

「テルボルの研究をしている私の後方支援者で、これからは沙紀の後方支援者にもなるよ。後でちゃんと紹介するね。そろそろ出ようか」

さすがだな~学年トップの唯は。やることがすごい。

「そうだね。のぼせた~」

二人はお風呂の中から出た。その途端、洗面所を遠慮がちに叩く音が聞こえた。

「はい」

「二人ともお風呂から出たところすみませんが、D‐78地区で、またテルボルが出ました。どうですか?行けますか?」

「私は良いけど、沙紀は行ける?」

「たぶん、大丈夫」

「なら、行くから」

沙紀がいるから飛び出してくるとは思わないけど一応言っておくか…。

「わかりました。急いでいるからといって裸で来ないでくださいね」

「ちょっと!唯!恥ずかしいから言わないでよ!」

布月は顔を赤らめながら反論した。

「はい」

「そんなことがあったんだ」

「沙紀~!誰にも言わないでね」

「わかったよ。よし行こう」

洗面所から出ながら、言った。

「だね。唯、準備は良い?」

「いつでも良いです」

「よし、行くよ!」

と言うと、威勢よく布月は玄関を駆け出していた。

「布月さん、どこに行くのですか?」

『どこって、D‐78地区に決まっているでしょ』

「沙紀さんは空を飛べるのですから、一緒に上空から行けば良いではないのですか?」

『そっか。さすが唯ね』

気づかないほうがおかしいだろ!

「沙紀さん、それでは装着してください」

「あの~。どうすればまたあの姿になれるのですか?」

他人から敬語を使われるのはあまり好きじゃないな…

「先ほどのように思いを強く持てばよいのです。と後、私にも布月さんと同じような口調で良いですよ」

「わかった」

沙紀が思うと同時にまたあの光が身体を包んだ。

「布月は今どこにいる?」

『ほら、早く来る!空から見てればわかるから』

「はい、はい。ほんじゃ沙紀、行くよ!」

「了解です。今から沙紀さんの通信機に私と布月さんをつなぎます」

沙紀はそう言うと唯の言葉を聞きつつ、窓から飛び降りた。

『唯です。聞こえますか?』

『布月だよ~。今、地上から沙紀が見えるよ。降りてきて』

「二人の声、聞こえているよ。すぐ降りるから待っていて」

『早くね』

沙紀は地面に降り立った。

『唯です。テルボルがそちらに向かっています。そこで待機してください』

「沙紀、来るよ。良い?」

「うん。頑張る」

「来たよ!」

沙紀はライフルとウィングシールドを構え、布月は長剣の柄を繋ぎ、ダブルセイバーにしてテルボルを待ち構えた。先頭のテルボルからライフルが放たれたのを皮切りに後方のテルボルからもミサイルが放たれて沙紀たちに向かって来た。沙紀は咄嗟にウィングシールドでかばった。シールドを持たない布月はすべて長剣で落としていた。

「きゃっ!怖い」

『怖気付いてもダメだよ。みんなを護るため来たんのじゃないの?』

と、イヤホンから布月の勇ましい声が聞こえてきた。

「…うん!よし!行こう」

視界に標準装置が見え、戸惑いつつもそれを見ながら沙紀は先頭のテルボルにライフルの標準を合わせた。

(銃声)

沙紀の撃った銃弾は吸い込まれていくようにテルボルの胴体に直撃した。

『初めてにしては上出来だね!この調子で倒すよ』

「うん」

一方、布月はダブルセイバーで一度に複数体のテルボルを撃破していった。

『私に見とれていないで、早くやらないと』

沙紀はウィングシールドを背中につけるとライフルを左手に持ち替え、背中から長剣を出した。

(ライフルは装弾数に限りがある、長剣は腕が無くならない限り振り続けられる。)

沙紀はそう思うと低空滑走をして、右側にいるテルボルを撃破していった。

『唯です。そろそろ沙紀さんは戦闘を中止し、上空に退避してください』

「何で?まだ戦い始めたばっかりだよ」

『沙紀、唯の言葉に従ったほうが良いよ。後で大変なことになるから』

「わかった。布月、一人で大丈夫?」

沙紀はそう言うと空へ飛んだ。

『私は今まで一人で戦って来たんだよ。唯、相手の残り何体?』

『あと、15体ほどです』

『OK。いける!』

布月はそういうと腰部ホルダーから短剣を出し、両手に構えた。

「まったく。数が多くてもね。指揮がちゃんととれてないと」

布月はスケートのように地面を滑りながら、正確にテルボルの首や胸や足を刺していった。

数十秒後―

『沙紀さん、布月さん。唯です。相手は全滅です。帰還してください』

「了解。沙紀、帰りも宜しく」

「はい。お疲れ」


二人は寮に着くと唯が布団の準備をして待ってくれていた。

「さすが、唯ね。準備が良い」

「いえ」

あんたにやらされているんだよ!

と、唯は下を向いた。

「あっ、沙紀この子が後方支援者兼雑用係の唯だよ」

「唯です。よろしく御願いします」

「こっちこそよろしく。雑用係って何?」

「料理とか洗濯とか色々なことをやること」

「布月さん、私は洗濯はやらないと前にも言ったはずですが…」

「まあ、いいじゃん。同性なんだからさ。一緒に洗っても大丈夫でしょ。気にしない、気にしない」

いや、俺は男子だから!異性だから!

「気にします!訂正すると、私は料理と掃除だけをします!」

さすが布月。間違いすぎ…。でもその割にはテストの点いいもんな。唯に教えてもらっているのかな?

「で、気になることがあるんだけど良いかな?」

「はい?」

「私、布月や唯と同じ部屋じゃないけどテルボルが出たときはどうすればいいの?」

「それならご心配なく。明日の土曜日になればわかります。それより、今日は早く寝ないと戦いの疲れが取れませんよ」

まあ俺の秘密はまだ二人にばれていないようだな。よし、よし。

沙紀は自分の部屋に帰っていった。


唯と布月が初登場です。

戦闘シーンが下手ですがこれからがんばって上手く描写できるようにがんばります。

翼装甲と剣装甲の武装は後々出します。

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