プロローグ
沙紀と妹はテルボルから逃げていた。
「ハアハア、お姉ちゃん、もう走れない…」
「何言っているの!ここで走るのをやめたら死ぬんだよ!」
「もういいよ。どうせ逃げられないのだから」
「こんなことで死んでもいいの?あなたには、まだやりたい事が沢山あるはずだよ。それに私はあなたを必ず助けるって言ったよね!」
「でも…」
そう言っている間にも二人の後ろではどんどん人が殺されていた。
「ほら、早く」
「あっ、お姉ちゃん待って!」
「あっ!」
沙紀が妹の腕を引っ張った瞬間、妹が派手に転んでしまった。
「ほら、立って」
「キャ…」
沙紀が見るとテルボルが転んだ妹の上に乗ってライフルを背中に押し付けていた。
「!!」
「お姉ちゃ…」
その時、テルボルのライフルが火を噴いた。
テルボルの胴体に返り血が付いた。
沙紀はその瞬間、時が止まったように感じた。
「おい、何をやっているんだ!早く逃げろ!おまえも殺されるぞ!」
「でも、…が……」
沙紀が戸惑っている間に沙紀もテルボルに押し倒されていた。
ここで私は死ぬ…。誰も助けることが出来ずに…
「頭を下げろ!」
そんな声が聞こえたのを最後に沙紀は気を失った。
唯は目の前に女の子がテルボルに倒れているのを見つけ、
「頭を下げろ!」
と叫んでしまった。
さて、どうしよう?よし!
唯は背中に下げていた銃の携帯が許可された現代の法律でも禁止されているM-82の強化改造版(自作、違法)を構え、撃った。
その一撃で沙紀を押さえていたテルボルと回りにいたテルボルまでも吹き飛ばしてしまった。
「おお。結構な威力だな。でもマズルフラッシュがひどいな…」
唯がそういった次の瞬間、テルボルの銃器の照準が唯に向けられた。
「やべっ!」
この子を連れて離脱しないと…でも方法がない。とりあえず
「ウィングシールド」
唯はウィングシールドを展開して自分とその女の子を包んだ。
しばらくしてテルボルが撤退する気配がしたので、唯もその子の傷の手当てだけをして去った行った。
沙紀が次に目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。
「私生きている…。なんで…?」
テルボルに押し倒されたはずなのに…あの人の声は何だっただろう?
どうも。
CPUです。
1週間に1,2回といっていたのにもう次話投稿です…
次は明後日ぐらいになります。
妹の名前が出てきませんが後々出てきます。
次から第1章スタートです。