乙女の渇望
もしもある日突然、何の準備もなく異世界へと来てしまっていたら…
あなたはまず、何を必要としますか?
私ならこう答えます。
「基礎化粧品です。」と――――――
現代日本の高水準の生活から、知らぬ間に中世のようなファンタジー世界へと叩き落とされた私、森村里緒は現在22歳。
まさに身一つ、丸裸でトリップしてきた私に化粧品の持ち合わせなんてなく―――3日も経つ頃には、質の低い石鹸で洗うだけの肌はカサカサで油分が頑張っちゃって、水分どこ?潤いは?という状態。
元々肌があまり強くない体質で、化粧品を選り好みしなきゃいけなかったくらいなのに、保護されて行き着いたのは町の小さな教会で、どこかのお約束のようにお城やお屋敷で衣食住のお世話してもらえるヒロインたちとは違い、当然働かなくては食べるものも食べられない。
水仕事で手が荒れても、それが当たり前の世界。
痛いし痒いし、はっきり言ってかなり辛かった。
あかぎれがひどくて何か薬を貰えないかと言い出そうとしたこともあったが、「やっとマトモな手になってきたわねぇ。今までどんな生活してきたかわからないけど、そのうち手の方が丈夫になるんだから頑張るのよ。」と言われ、結局言い出せなかった。
一番親身になって面倒を見てくれていた年配のシスター・エイプリルにそう言われたことで、私はそれがここでは我侭な高望みなのだと悟った。
教会の敷地内には孤児院も併設されていているのだが、院の子供たちだって水仕事をしても、薬やなんかに頼る素振りは見たことがない。
子供たちですら当たり前に我慢していることを、大人で新参者の私が、どうして言い出せようか。
例え、一般的な日本人のこの顔が、この世界基準では15~6歳程度に見えたことから、最初は院の方に保護される算段があったのだとしても、私は二十歳を超えた、大人なのである。
そして、大人だからこそ我慢できないこともある。
身嗜みだ。
これが小学生、百歩譲って中学生くらいまでならいざ知らず、成人女性として最低限の身嗜みに化粧品は必要不可欠。
毎日のスキンケアには化粧水と乳液、コットンもいるし、ボディクリームだって欲しい。
もっと言えば、毎日シャンプーとトリートメントもしたい。
それなのに、こちらの世界では、そんなものは王侯貴族の嗜好品。
しかもそれすら、現代の品質には程遠く、髪は固形の石鹸を泡立てて洗い、香油などでケアする程度。
そもそもコットンは存在しないようで、絹や柔らかい布に浸すか手で直に化粧水やクリームを塗るらしい。
らしい、としか言えないのは、私がそんなセレブな生活とは程遠い庶民だからだ。
元の世界の生活の方がいかに清潔で豊かな生活だったとしても、あちらではそれが一般的だった。言い訳をするつもりはないが、私はけして贅沢がしたいわけではない。
長年培ってきた価値観に見合った清潔さが恋しいだけなのだ。
しかし、物語でよくあるヒロインのように、トリップ先でお姫様のように面倒をみてもらえるなんてことは、異世界トリップと同じくらい、可能性としてないのだ。
現実とはかくも厳しいのである。
毎日入浴剤入りのお風呂で顔パックしたいとか、ファンデーションやグロスがないと、なんて言わない。
ただせめて、毎日のシャンプーとトリートメントが出来て、洗顔後と風呂上がりのスキンケア、リップクリームだけでもさせて欲しい。
けれど、見本も何もなく、向こうでも作ったことのない石鹸や化粧水を、その手の専門知識のない私に開発する術はない。
日に日に荒れていく肌と毛穴の汚れに、もう諦めるしかないのかと思っていた私に、一筋の光明を見せてくれたのがシスター・エイプリルだった。
年齢的にも院ではなく、教会でシスター見習いとして過ごしていた私は、シスターの仕事を覚えながら、孤児院の子供たちのお世話や炊事洗濯といった、主に雑用を任されており、手荒れもひどくなるばかりだった。
まだまだ柔らかく弱い手の私は、あかぎれの他に膿んだりしていて、そのあまりに哀れな状態に、シスターも驚き、手をかしてくれたのだ。
「まあまあ!どうしたらこんなにひどくなるのかしら?やっぱりあなた、どこかの貴族のお嬢様だったのかしらね?それとも手が弱いのを知ってて、他の仕事でもしていたのかしら?これじゃ何か薬を塗って様子を見る他ないわね」
「でもお薬なんて…」
「こんなになって何言ってるの!まったくあなたもこんなにひどくなる前にどうして言わなかったの?あかぎれやなんかとは違って、ちゃんと薬を塗らなきゃ膿は治らないわ」
どうやら、ここの基準で言うと、ひび割れ・あかぎれ=ほっときゃ前より丈夫になる。
膿=治療しないとひどくなるので、致し方ない、のかな?
辛いって言ってみても良かったのかな。
「たまにこんな風に荒れる子はいるけど、こんなに膿むなんて珍しいわね。そういう体質なのかしら?こんなに我慢するなんて辛かったでしょうに…」
そう言われて、不覚にも泣きそうになった私。
他に寄る辺もない私には、優しさが身に沁みる程沁みていた。
やはり、シスター・エイプリルはみんなのお母さんなのだと思った。
ある日突然教会近くの泉で発見された私が、運良く良識ある騎士の方に保護され、この教会に住まうことになってからずっと、シスターは何も知らない私に優しくしてくれた。
それはシスターだからなのかもしれないけれど、それでも私は救われた。
日本人の圧倒的大多数にもれず、仏教徒だった私に敬虔さはイマイチないけれど、元の世界に帰れないのなら…帰る方法が見つかるまででもいい。
せっかくシスター見習いという居場所を貰えたのだから、私は、どうせならシスターみたいなシスターになりたい。
ステンドグラスの女神様は信じられなくても、目の前の現の、この人は信じられる気がした。
そして自分も、この人みたいに誰かに信じてもらいたい。
この世界に最初に放り出されたとき、知らない場所に知らない人間、知らないものにばかり囲まれているのが怖いのだと思っていた。
でも今ならわかる。
私が本当に恐ろしかったのは、私を、誰も知らないことだったのだと―――――
すると、シスター・エイプリルに握られた両手に、ほわ、とあたたかい何かが灯ったような感覚がした。
春のそよ風のように心地よい名残を残して離された両手を見てみると…
「!!……う、そ………傷が…」
治っていた。
驚き目を丸くする私に微笑んだシスター・エイプリルは、傷以外に残った膿の出ている場所に少しスッとする匂いの軟膏を塗っていく。
「あら、見るのは初めて?私みたいな弱い回復魔法でもそんなに驚いてくれるなんて……ああそうだったわね。あなたは記憶がないんだったわね。やっぱり不便というか、大変ね」
「まほう…?」
このとき、この世界に来て一月半程だったが、私はまったく知らなかった。
思えば、私は日常に慣れるのに必死だったし、仕事も寝泊りも何もかもがこの敷地内で済んでいたものだから知らなかったのだ。
町には冒険者ギルド…というまるでゲームの世界のような施設があったり、ここから馬車で3日くらいのところにある都には、魔法を学ぶ専門の学校とかまであるらしい。
だいたい通えるのは貴族のお金持ちで、庶民は余程才能があって特待生と認められて奨学金を受けないと無理という話だ。
…そうか。
院の子供たちの間で、やけに剣士や魔法使いごっこが流行ってるな~とは思っていたが、実際に職があるからか…文化が発達してないわりに想像力が豊かなんだなと思ってたよ。
ごめんね、皆。
日本人の感覚的には、宇宙飛行士になりたいとか、パイロットになりたいみたいな感じなのかな。
魔法で身を立てていくには、かなりの努力と生まれ持った才能が必要らしいから。
しかし最も驚くべきことは、私にも回復魔法の才能があったらしいこと。
シスター曰く、同じ能力を持っている人同士は感覚で何となくわかるのと、他にもそれぞれ特徴があるのだとか。
癒しの魔力を含め、稀有な能力を持った人間は、時として誘拐や人身売買の対象にされる。
そのため、癒しの使い手などの貴重な能力者は国に登録されているのだが、私の名前は当然なく、赤子の時に売買され、闇取引の途中に起きた何らかの事故だろうということで保護。
大人とはいえ、見た目は10代半ばで記憶喪失の(フリをした)身寄りのない私の保護者として、近場で同じ癒しの力を持つシスターに、白羽の矢が立ったそうな。
またどこかに売られるところだったのだろう、とは同情的に言われていたけど、そう判断された最たる理由が魔法だなんてファンタジーとは思わなかった。
……てっきり、裸だったからそういう結論に落ち着いたのだとばっかり…。
ああでも、女としてあのときのことはあまり思い出したくない……!
「シスターもそうだけど、聖職者になるには、癒しの力が必須条件なの。だから教会の奥には聖職者のための魔道書もたくさんあるわ。まずはここでの生活に慣れてから、魔法についてはゆっくり学びながら確認していこうと思っていたのだけど……まさか魔法自体にそこまで驚かれるとは思ってなかったわ。ごめんなさいね」
「いえ!そんな…!すみません。私こそ、全然知らなくて……」
子供でも当たり前に知っていることだけに、シスターも思いつかなかったのだ。
私の常識ではあり得ないけど、シスターに申し訳ない顔をされると、無性に恥ずかしい気持ちになった。
尻すぼみに俯くと、シスターは塗り終わった軟膏がとれないよう、清潔な布を当てて巻いてくれた。
「教会にはね、病院にかかれない貧しい人や緊急の怪我をした人が応急処置に来るの。勿論一介のシスターでは大怪我を治せる人なんてそういないし、時々だけど。だからこういう道具も揃っているの。はい、できた」
「ありがとうございます」
「じゃあ…手のこともあるし、明日からは魔法についてもっとお話をしましょう。子供たちは寂しがるでしょうけど、院の方はシーリアたちにまかせて」
「はい!」
敬愛するシスター・エイプリルの申し出に、私は一も二もなく頷いた。
魔法という空想上の夢が、この手に実在しようとしている興奮。
それから…
「ふふっ練習するうちに、きっとお肌もまたキレイになるわ」
なっなんでわかったんですかシスター!?
実は、シスターに手を癒してもらった時点で、かなり期待していたのだ。
傷を癒すことが出来る魔法があるのなら、荒れた肌を元通りに癒すことも出来るのではないかと。
その目論見は当たり、あれから半年程シスターの指導を受け、勉強と練習を重ねた結果、私の肌は元通りどころか、それ以上にぷるっぷるのつやっつやになっていた。
これこそが、癒しの力を持つ者の特徴のひとつであるらしい。
なんでも、魔力とは常に身体から微弱ではあるが溢れており、その溢れていた魔力を身に纏うようにして、無駄な消費を押さえ、必要なとき必要な分だけ引き出すことが、即ちコントロールする、ということになるそうだ。
そして身に纏った癒しの力は、ごくごく小さな力ではあるが発揮され、恒久的にその身を癒し続けることになる。
要は、ちょっと手が切れたり、さか剥けくらいなら傷ついたこともわからないまま、たちどころに治ってしまうということで、肌荒れも然り。
不思議と毛穴も汚れにくくなり、普通に石鹸で洗ってさえいれば、癒しの力で、肌は健康を自動的に取り戻してくれるのである。
シスターは同じ癒し手としてこれを知っていたため、あの時あんなことを言っていたのだ。
大きな力を持っていれば、それだけ扱いが難しい。
だが、大きな効果も発揮する。
小さな力は扱いやすいけれど、その分小さな効果しか齎さない。
私の魔力はシスターよりも内容量が大きかったようで、シスターは私の肌荒れの原因をこう評していた。
「きっと魔力の制御も忘れてしまって、突然纏っていたものがなくなったから、急な変化に身体がついていかなかったのね」
いえ、ただの化粧品の枯渇かと…。
日本では回復魔法なんて二次元の世界にしか置いてないけれど、現代人レベルのスキンケアは、この世界では回復系の使い手の特徴と見事一致していたようだ。
それにしてもシスター…もしかしてお肌だけで判断してたわけじゃないですよね?
トリップ当時のお肌だけで回復系って判断されて、その後やっぱ違うってことにならなくて良かった…!
本当に良かった!!
他にも、攻撃魔法の才がある人、移動魔法の才がある人などで、その付加効果は違ってくるのだそうだ。
そのため、自分と同じ特色を持っている人はわかりやすく、感覚的にも、こう、ピンとくるものがあるのだとか。
シスターは「あなたも色々な人に会ううちにわかるわよ」と言っていた。
といっても、魔力そのものは誰にでもあるらしいけれど、魔法として効果を出し、尚且つ役に立つレベルでの力の発現が出来る人というのは意外と少ないらしい。
だいたいは、内包する魔力が微弱すぎて、身に纏う段階で魔力切れで躓くのが普通なのだ。
少ないパイ生地を無理やり型にはめようとしたら、薄くなりすぎて千切れてしまうのと同じだ。
努力次第では魔力を大きくすることも出来るけれど、それも元々生まれ持った魔力の大きさに比例することが多く、結局魔法は才能に頼るところが大きい。
だから院の子供たちや、シーリアたちが日常的に魔法を使うことがなかったのだ。
使える人が限られているから、目にする機会が少ないのも頷ける。
それを考えると、私は幸運という他ない。
私は回復魔法以外にも、解毒や肉体を補助するような魔法も扱えるらしく、ゲームで言うと典型的な僧侶タイプだ。
ゲームでは僧侶が回復以外にも防御系、補助系を覚えるのは当たり前だったけれど、この世界では癒しの力自体が珍しいこともあり、大変稀有な才能の持ち主……とは、シスターと魔道書様からのお言葉である。
シスターでも、簡単な回復と補助魔法を嗜んでいる程度とのことで、解毒魔法を覚えたときには抱きつかれて喜ばれた。
近くの森には毒性の獣や魔物も少なからずいるので、シスターは毒のせいで亡くなる人を今まで何人も見送ってきたのだと言っていた。
私はそれを聞いて、自分が恥ずかしくなった。
…最初こそ、肌荒れ対策と魔法への憧れがあって夢中だったけれど、肌の悩みが改善された今、あまり才能だなんだと持ち上げられても、何だか自分と周囲との温度差を感じてしまって、妙にいたたまれないような気分になることがあった。
そんな時は、親切にしてくれたシスターや、こんな私でも慕ってくれる子供たちが喜んでくれるならと思って気にしないようにしていたのだが、それこそが驕りだったのだと気づかされたから。
勿論シスターたちに報いたい、役に立ちたい気持ちはあったけれど、それは別問題で、本当はただ素直に、一緒に喜べば良かったのだ。
私が『してあげられる』んじゃなく、私が『出来ることがある』んだと。
「シスター・リオ!ありがとうございます!まさか魔物の牙に噛まれた息子が助かるなんて…!!」
「毒は抜けていますし、傷もほとんど塞がっていますから、もう大丈夫ですよ。もしかしたら動いて傷が開いたり、感染症もないとは言えませんから、あとはお医者さんに診てもらって、お薬貰いながら様子を見てくださいね」
「はい!ありがとうございました!!」
シスター・エイプリルに指導を受け、今では私も、彼女と一緒に怪我人の治療が出来るまでになっていた。
ちなみに、この世界の病院とは主に病を治す場所であり、医師になるには癒しの力は必要ない。
でないとこの世から医者が消えてしまう。
回復魔法は、表面的な傷や解毒には効いても、病には効果が無い。
傷から菌が入り感染症になれば、それは基本的に医師の領分なのである。
この世界の人々の間では、怪我→聖職者もしくは医者、病気→医者というのが常識として根付いているようで、子供の父親は何度も礼を言うと、当然のように子供を抱えて出て行った。
私がふう、と息と一緒に緊張を吐き出していると、シスター・エイプリルは「おつかれさま」と笑って労ってくれた。
同じく「おつかれさまです」と返す私は、最近になってようやく、様になってきたかな、といったところだ。
はじめの頃は、重傷患者の大量の血を見て緊張で震えて、一刻を争うというのに魔法を使うのに手間取ったり、それで患者さんたちを不安にさせてしまったり…。
元の世界で医療従事者とかだったら良かったかもしれないけど、こればかりは慣れるしかないようで、実を言うと今でも怖い。
でも、シスターが一緒にいてくれるから、私でも何とかやっていけている。
そして、毅然とした態度で治療に臨むシスター・エイプリルは、すごくカッコイイ。
お医者さんとかも尊敬しちゃうけど、シスター、やっぱりあなたは私の憧れの人です。
「シスター!リオ姉ちゃーん!!シーリアおばさんがご飯だってー!」
「シスターママぁお姉ちゃん早くぅ!」
「はーい!」
院から、わざわざ教会までお迎えをしてくれたちびちゃんたちの手を握ると、きゃっきゃと喜んでくれるのが嬉しい。
すべすべを取り戻した私の手は子供たちにも好評で、この笑顔を見れるだけで、回復魔法様様と思ってしまう。
「行きましょうシスター!」
「ええ。でもあなたももう、若いけど立派なシスターじゃなくて?」
この教会のシスターはたった一人だから、シスターといえば、シスター・エイプリルのことだ。
私はまだ、見習い中のお付みたいなものなのに、シスターはころころと笑いながらこっちを見ている。
「いいいいえっ!!そんなっ滅相もないです!!私なんてっまだまだほんの半年くらいの、見習いで!かっからかわないでください!」
「あら、さっきの患者さんたちは、あなたのこと、立派なシスターだって思っていたわ」
そういえば、今日は毒に侵された患者さんだったから、治療はほとんど私一人でしていて、あのお父さんにも「シスター」って普通に言われて…
「否定するの忘れてました…」
未だに治療中は緊張してて、なかなか他の事に気を配る余裕がないという証拠である。
がくん、と頭を垂れると、シスター・エイプリルはまた、ころころと笑った。
すると、繋いだ子の手が、くいくいと引かれる。
「ねえねえ、リオ姉ちゃんはシスターじゃないの?」
「えー!シスターのお洋服きてるのに?」
「お歌のときオルガン弾いてるのに?」
くりくりと見上げてくる可愛いお目目たちに、私にも笑みが浮かぶ。
「まだお勉強中なのよ」
「でもシーリアおばさん言ってたぞ!リオ姉ちゃんはもう町のシスターだって」
「シーリアさんが…」
両手にちびちゃんたちがいなければ、私は胸を押さえていただろう。
私を知り、存在を認めてくれる人は、少しずつだけどできている。
元の世界に帰る方法はまだわからないけれど、色々な魔法の才を持つ人がいるのなら、世界を渡る魔法を知っている人がいるのかもしれない。
帰りたい気持ちは衰えていないし、残された家族や自分の存在がどうなっているのかも気にかかる。
まだまだ知らないことだらけで、出来ないことだらけだけど、私はこのとき、ようやく地に足がついたような気がした。
異世界に行ったとしたら、おそらく多くの女性はまず困る事ではないかと思って書きました。
衣食住は何とか適応できても、体質まではどうにもなりませんからね。
現代の水準に慣れた女性がいきなり中世レベルの世界に行って庶民してたら、余程肌が強くない限り肌荒れは必至。