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第九話
本日も3話更新です。
第八話からどうぞ。
「…フェリクス」
今まで沈黙していた陛下が、低くしかし全員の耳に届く声で口を開いた。顔色の悪いフェリクス殿下は、ゆっくりと陛下の方へ顔を向ける。
「そなたは、未来の王として未熟である。此度の件、調べようと思えばいくらでも調べ上げることができたのだ」
陛下の声には、怒りと悲しみが混ざっていた。
会場の空気は、張り詰め、誰も息をつく者はいない。
「儂は、影の調査により、ビビアン嬢がエリザベス嬢と繋がっておることを、すでに知っておった」
フェリクスの顔色がさらに青ざめる。
「そなたが王として歩んでいけるかどうかを、試したのだ」
一拍置いて、陛下は言葉を紡ぐ。
「結果は…否。周囲の意見を聞かず、婚約者との関わりを持とうとせず、挙句には王命である婚約に冤罪をかけ、一方的に破棄した」
鋭い眼差しで、息子であるフェリクス殿下を射抜く。
「これでは、王は任せられぬ」
「ですが、父上!」
フェリクス殿下は必死に言い募ろうとする。しかしその声は、いつもの威厳や高慢さを欠き、ひどくか細い。




