7.南課長に、突然!とんでもない仕事が迷い込む事になる…
「南課長、これから営業1課の会議室に私と一緒に行ってくれないか。何か急用がなければだけど」と慌てた様子で塚本が内線を使い言って来た。
「どうしたんです。私は大丈夫ですけど…急用ですか」と塚本部長の席に顔を向けた。
「営業の木村部長から急用な要件らしく、直ぐに南課長と一緒に会議室迄来てくれと、今内線が入ったんだ。私も話を聞かなければ分からないだけどね…」
2人は急いで別館の10階に向かった。エレベーターでその階に上がる間に、南が塚本部長の顔を見て「何なですかね!」と心配そうに声を掛けた。
「よっほど急用な依頼か。それとも大きな依頼か。どちらかだろうなぁ〜。そうでなければ…我々を呼びつける事はしないだろう」と返した。
「そうだよねー。いつもなら内の方に営業が来るのに、今日は来てくれとは…何ですかね」と言った時に10階に着いた。
急いで会議室に入った。そこに木村部長と田中主任に本郷が既に席に着いていた。
「いやー申し訳ない!急に内の会議室に呼びつけて」と木村が言った。
「それは、いいですけど。部長から会議室に来てくれと言われるのは初めてなのでびっくりしましたよ」と塚本が言葉を返した。
3人とも真剣な顔付きをしながら、「実は…」と話しづらそうに…木村から出た内容に、2人はまさか?と思う様な出来事を話された…
「2人とも既に知っているとは思うけど…今度、内の会社に政府機関から内密の依頼があって、その対処で内の課にそれをやって欲しいと社長及び役員から直接話しが来たんだ。それを引き受けるかどうか?迷っている時。本郷からそれなら、直ぐに南課長と塚本部長に相談したらどうでしょうかと言われたので2人に来てもらったと言う事なんだ」と木村が緊張気味に話した。
「それは、例の件ですか」と塚本が切り出した。
「そう、例の件なんだ」
「例の件とは何ですか?」と南が言った。
「実は、役員会議で部長職は呼び出されて。政府の依頼に対してどうするか?と意見を聞かれたんだ」
「で、その内容とは何ですか?」と南が尋ねた。
言いにくそうに…木村から「日本は人口減少から、日本経済は更に厳しい状況に追い込まれている。政府としては様々な対策を行なっているがどれも上手く行っていないらしく。国民は政府の行政手腕に不満が高まっている。そこで内から日本経済が以前の様に活気が出るやり方はないのか?。そのアイデアと方法論を提示した企画を考えてくれないかと言う依頼らしいと上層部から聞いた」と告げた。
この話しに、塚本は内心どうしてまた?と内心思っていた…。
何故なら以前、政府と関わった事で散々各マスコミから叩かれて酷い目にあったからである。それで今の和田社長になってから、これからは政府依頼は、今後全てやらない方針で決まったからである。
それを今更何故だ?と塚本は思った。
以前は政府管轄の世界陸上大会やら、様々なスポーツイベントに博覧会などを広告代理店の伝播堂時代にやっていた。それらの「裏金問題」が発覚したお陰で、内は根も歯もない詮索をされた。その結果、内は報道で散々叩かれて大打撃を受けた苦い経験がある。それなのに何故?今更…と塚本は思っていた。
塚本は「この依頼を…またやるのか?」と木村に聞いた。
「いつ、その依頼を聞いたのですか?」と畳み掛ける様に言い放った。
「それが…1時間前なんだ」
「取締役沢田営業局長に呼び出されて、営業1課でやってくれないかと打診された」
その時、「どうして内の1課なんですか?。こう言う依頼は内の事業部とかイノベーション研究所の仕事ではないですか?。営業が仕切るのはどうなんでしょうか?」と反論したんだけどねーと木村は不満そうに話した。
「しかし、営業が仕切るからと言って、何故?戦略企画部の私達が関わるのでしょうか。ちょっと私達が関わる依頼ではないのではないかと思うですけど…」と塚本は緊張気味で言った。
企業の様々な依頼に戦略企画部が関わり大きな成果と結果は出している現状があった。特に、南と塚本が関わったものは全て依頼主から大好評を貰っていた。
「ところが!戦略企画部の塚本部長と南課長と一緒に仕切って欲しいと」言われたんだよー。
「誰に?」
「沢田局長に!」
「我々より、事業部や研究所向きの依頼なので、其処の方がいい提案が出来ると思うですけど」
「私もそう思っただけど…沢田局長から是非宜しく頼むと言われ。其処は頭が硬い点と優れたアイデアなど出せないからと言う理由らしいんだ」
「それは局長の考えなんですか」
「局長は和田社長や周りの重役からそう言われたらしんだ」
更に畳み掛ける様に「其処では発想の面や斬新な企画の面でも期待出来ないと言う理由で…特に和田社長より、君の営業局で全体をプロデュースをし、南課長のずば抜けた頭脳で様々な課題解決とアイデアによる提案を仕切ってくれないかと言われたらしいだ」
「ふう〜ん。しかし、今回の依頼は、流石に南課長でも身が重過ぎて、いつもの様に政府関係者に振り回されるだけかもしれないから、私はどうかなぁ〜と思うよ」と南課長を心配して突き放す様に話した。
「其処を締めるのが部長である塚本さんの役割では?」
「え!私が、無理です」と咄嗟に答えた。
だいぶ前に、塚本は論理的な理論に卓越していると言われ。政府依頼の事業計画に携わり。散々振り回された挙句。結局、様々な関係者や政治家からチャチャを言われ、その事業は中止になった苦い経験がある。その時、上の者は誰も責任を取らずに、社内で塚本1人が責任を取らされる羽目になった。
塚本はそう言う依頼はもう!ゴメンだと内心そう思っていた。ましてや!可愛い部下の南にそんな思いをさせる状況は絶対に避けたいと思った。
「南課長はどうですか。この依頼に対して」と木村から南に振ってきた。
2人の会話をじーと聞いていた南は…「質問してもいいですか?」と尋ねた。
「なんでしょ…」
「何故、政府の仕事をしない!と方針を決めたのに、今回の依頼に応じようと思ったのでしょう」と切り出した。
「う〜ん私もよく分からないだけど、社長と役員は国が困っている状況から、これは我々がやるしかない!と思ったじゃ〜ないのかと思うよー」
「何故!国が困っているからと内がやる必要があるでしょう」と南はつ込んだ。
更に「それとも…報酬額と内の存在感を高める為でしょうか」と鋭い質問を重ねた。
木村は、流石鋭い質問をして来ると内心思った。まぁ〜南らしい洞察力を効かせた質問だとも思った。
伝播Pには、現在は財務省や経済産業省からの天の下り役員はいない。社員の噂では…以前の広告代理店時代の時は、その1つは恒例の天下り先で内の役員に収まっていたらしい。
また、もう1つの恒例に社長令嬢の人質もあったらしい。しかし、今はその悪式恒例は全て辞めたと社員は聞いている。
それなのに…何故?今更と言う疑問が浮かぶ。本当に国の為で、また同じリスクを冒してまで依頼を受けるのだろうか?。と疑問が次々と浮かんだ。
また、企業は営利集団である。利益より「リスク」を冒して迄。その依頼を引き受けるだろうか?と言う疑問も南の頭を過ぎていた。
本来は、今の激動の時代なら、よりリスクマネジメントを取るのが当たり前だ。それなのに何故?と思った。
南は大学の卒業論文で、見事な仮説検証による「リスクマネジメント」に触れた内容を書いている。担当教員(南の恩師)からそれについて非常に高い評価を受けている。ある意味!南の得意科目の1つでもあった…。
ちなみに、卒業論文タイトルは、「日本企業における成功の方程式」だった。タイトルはありふれたものたが、非常に先見力溢れた画期的な方程式で恩師からは絶賛的な評価だった。
何と300ページを超える。博士号論文に匹敵する程の出来栄えで、最高論文賞に輝き母校の図書館に永久保存になっている絶品の論文であった。
※この論文の成功の方程式は、経営やマーケティングの博士号や修士号論文に良く使用されている。消費者行動論説の方程式モデルを作り。そのモデルの良さを立証する為の複雑な要因を。要因間の相関関係や因果関係の影響を、モデル検証の共分散構造分析の統計処理でモデルを立証したものであった。良くある複雑な仮説だけを作り。それを資料やありきたりデータで仮説を裏付けたものではない。その複雑な仮説モデルを実際の統計処理で立証したものであった。其処から仮説立案といい。論理性といい。実際の検証の結果そのものが卒論を超えた修士号論文及び博士号論文に等しい論文であった。
渋々、南は…
「上層部からの命令ならやりますけど…予想もしなかった依頼なので、色々な想定を想像した後。依頼を正式に受ける前に、後日幾つかの質問をしてもよろしいでしょうか」と含みを持って返事をした。
「質問とは?何だろう…」と多少不安気味に聞いて来た。
「今回の依頼は企業ではなく。政府と国に関わる事ですので。様々な想定と予測がより求められると思います。アイデアや企画をするにしても、それなりの心の準備が必要です。そう言う点を踏まえた質問をしたいと思います。今は未だ考え付かないですが…よろしいでしょうか」と締めくくった。
(流石。南課長だ。常に冷静沈着な人だと木村は内心これまでの仕事を見てきた事から…そう思っていた…。)
「分かった。質問が出来次第。連絡をください。私が分かる範囲であればその場で答えます。ただ分からない事は上の者に聞いてから返事をします」と言った。
横槍のタイミングで…塚本が
「その時は、その場に沢田営業局長を同席させたらどうだろう」と塚本の横槍が入った。
「あ…そうだなぁ〜その方がいいかもしれない。ただ、時間が合えばだけどね」
「南課長の為にも、是非!よろしくお願いします」
「うん、分かった」
南から「質問内容は、出来るだけ早くまとめて連絡します。また、次の日程はそちらに私が合わせます。但し、そちらの依頼件数が多くて、今非常に立て込んでいる故。いつ出来るかは今は言えませんけど。出来るだけ早くします。一週間後には出来るだけまとめる事が出来ると思います」と締めくくった。
「南課長、いいのか?この依頼を受けても」と塚本が念を押して来た。
「はい、上層部の命令なら仕方ないでしょう!」と返事をした。
「断ってもいいだょー。何かあれば私が責任を取ってもいいだょ…。どうもこの仕事は気に乗らないだょねー」と含みを持って木村に言い放った。
「いつもながら、塚本部長は厳しい事を言うねー」と頭をかいて苦笑いをした…
「今日はこの辺で御開きにしましょう。また後日と言う事」と木村が仕切った。
木村より、「今日は、忙しい中。急に申し訳なかった。私も余り気が進まないだけど、上から言われると仕方ないと思うしかない。何とか、2人共よろしくお願いします」と頭を下げて締めくくった。
暫くして2人は戦略企画部に戻り、それぞれの席に着いた。
南が席に戻るやいなや…部下の伊藤愛が近寄って来て「どうでした。急な依頼とは何だったですか」と尋ねて来た。
「うん。今は言えない依頼だけどねー」と返事をした。
「そうですか。でも営業1課がその依頼を引き受けたと周りでは噂になっていますよー」
「えーもう周りにその噂がながれているのか?秘密の依頼なのに?」と困惑した表情になった。
「こう言う秘密の依頼は、様々な憶測が飛び交いますからね!気をつけた方がいいですよ!南課長」と心配そうに伊藤が言った。
「そうだね。慎重にやるよ」
「その方がいいです」
塚本から「これからあの依頼の件。中野常務に報告して来る。どうしたら良いか。判断を貰って来るよー」と内線が入った。
「はい、宜しくお願いします!」
「了解」と言い、中野常務室に向かった。
1時間後。塚本は席に戻った。そして南課長を呼んで話した。
「中野常務は、その依頼を既に聞いていて社長依頼故。無下に断る事は厳しいとの見解だ。ただ、慎重にやる必要があると言っていた。なんせ、政府関係者の依頼だから。それは社長も同じらしい。難しい依頼なので、戦略企画部がやる必要があるとも言っていた。営業1課にその話をしたのは…戦略企画部の私と南でしかその依頼はこなせないと見越したからだそうだ…。2人なら慎重に事を運ぶ状況が作れると社長と中野常務の間で話し合ったと聞いた」
「慎重にと言うなら。何故…リスクを冒して迄。その依頼を受けるでしょうか?」
「それも聞いたのだが…今は言えないらしい。但し、2人の様々な想定でやはり!これは受けるべきではないと結論付けた場合は報告をしてくれないか?と言われ。その時は、もう一度社長と話し合って見るからと言われた」
「そうですか。了解です。」
「慎重にあらゆる面を想定して行こう!私も出来る範囲で考えて見る。君も気づく範囲で考えて見てくれ」
「かしこまりました」と南は発し、自分の席に戻った。
席に戻った南は、ぼんやりと日本経済が良くなる行政策か?。余りにも抽象的な依頼だなぁ〜と思っていた。それだけ、政府も行き詰まっているのだろうと!いつもの様に想像していた。
そうこうしている間に、昼時になった。南は1人で外出し、何か超難題の依頼が入った時。必ず昼食を兼ねて行く所がある。それは、空想に耽る際に誰にも邪魔されない静かで落ち着く場所である。
薄暗くてクラッシック音楽が流れて料理が美味しい「クラッシック喫茶-たんぽぽ」である。特に、ここは卵カレーライスとハヤシライスが絶品でもあった。更に、リズナーブルな価格で量も多く腹持ちも良い。
南は学生時代から暇さえあれば中野駅から徒歩5分の「たんぽぽ」に通っていた。名物マスターとも非常に仲が良かった。何故、名物かと言うと、人当たりもそうだが。それ以上に彼の服装である。
まるで大正時代の蝶ネクタイとハット帽とだぶだぷの背広が、まるで大正時代そのものであった。年齢不詳だが、真っ白な長髪に笑顔が可愛い老人である。多分、70歳は超えている。
南は超難題の空想や想像の世界に浸る為。良く昼時から夕方位まで外出をし、そこにいる場合が多かった。何かあれば、スマホやノートパソコンで連絡し合えば良かったからである。戦略企画部は自らの仕事さえしていれば、自宅だろうが何処で仕事をしても良い自由さがあった。無駄な会議はなくし。戦略プランナーが仕事に集中出来る環境を作ったのである。
特に中野が常務になり、塚本が部長に昇格した時によりその自由な環境は強化された。
営業と打ち合わせがある際は、前もって双方のスケジュール調整が必要となる。今回の早急を要する依頼会議は例外中の例外であった。たまたま2人が社内にいたから出来た様なものである。
戦略企画部の塚本と南は、だいたい午前中は社内の自身の席にいる様にしていた。何故なら、この2人は年中非常に忙しい状況がある故。午前中は様々な仕事依頼や連絡事項が多かったからである。
良くビジネスは、出来る人に仕事が集中すると言われている。何故なら、その人に頼むとある一定のレベルで仕事をこなしてくれるから安心なのだ。
また、出来る人間とは優先事項で仕事をしてくれるから助かる面も多い。
要するに、臨機応変に処理すると言う事だ!。
周りは南が外出した時は、あそこにいると既に誰もが知っていた…。
本社は新橋駅近くにある故。中野駅迄1時間以上は掛かる。「たんぽぽ」に行くのは余程、難題の解決をしなければならない時に限っていた。
自宅は荻窪駅近くなので帰り道ではあったが、それでも南は必ず一度は社に戻る。何故なら、外出先で何か急を要する事が起こってないかを確認する必要があったからである。
この行動は彼の責任感そのものの行動でもあった。帰宅は決まって19時に社を出るルーティンワークでもあった。
たんぽぽに入ると「おー久しぶり。最近、仕事が忙しかたのか?」とマスターから声をかけられた。
「ちょっと、急ぎの仕事が重なったので、なかなか来る事が出来なかったよ!」と返事をした。もうかれこれ3ヶ月以上はご無沙汰していた。
「いつもので、いいかい?」と言われた。相変わらず混んでいたので早く出す為に気を遣ったのである。いつもとは、大盛りハヤシライスセットである。ホットコーヒーとデザートのショートケーキ付きで、800円である。ハヤシライス単品だと学生時代から変わらない500円である。それも大盛りである。周りはマスター!大丈夫?円安で物価が非常に高騰している状況で赤字じゃ〜ないの?と心配していた。
我々社会人からもっと取ってもいいだぜーと常連客は口を揃えて言う。
マスターは、いつも!「お前らの様なビンボー暇なしから高い金なんか取れないよー」と決まり文句で言われる。
若いスタッフも数人雇っているので…皆んなより心配になる。スタッフは余程居心地がいいのか。誰も辞めずに此処に就職した状態である。とにかく長い…。
「そう言えば、牛田君を知っているよねー。彼から南が来たら連絡してと言っていたよ。どうする?」とマスターが思い出し様に言ってきた。
「そうですか。でも今日は考える事があるので、私から牛田さんには後で連絡します。彼の連絡先を知っているので、ありがとうございます」
「了解」
牛田は大企業の牛田生命保険の御曹司。歴代5代目の社長が今の父親。いずれは長男の彼が継ぐ事になっている。
たんぽぽの常連客で、此処で知り合った友人である。歳は1つ上で、国の年金は信用出来ないと彼に伝えたら、彼がいる牛田生命保険の積み立て年金を紹介され、満60歳で利子を含め受け取る予定である。
毎月、2万円の積み立てで60歳に一括であれば2500万円が銀行口座に振り込まれる。分割であれば年間190万円が15年間銀行口座に振り込まれる。生命保険は倒産リスクは非常に低いので安心でもある。
南は老後の事を考え、確実に支払われる民間の年金積み立てにした。
株などの投資はリスクが伴う故。後、生命保険会社を変えて後2つはやろうと考えていた。
以前、半年前に牛田さんと話している時。彼の父親から仕事の件で私を紹介して欲しいと頼まれたらしい。私の活躍を周りから聞いたらしく。直接会って色々聞きたいらしい。
その後双方の日程がなかなか合わずに今日に至っている。多分、その日程調整の件だとピント来た。
しかし、今はそんな余裕がない程立て込んでいるので彼を遠ざけるしかないと思った。
食事を終えて、クラッシック音楽を聴きながら、ホットコーヒーを飲んだ頃。
いつもの様に政府関係者の依頼についてあれこれと考え想像を膨らませていた。
南は、学生時代から今の日本に非常に不安を抱いていた。多分、誰もが不安を抱いているとも思っていた。少子高齢化に1300兆円を超える借金に円安による物価高騰。
更に、政府や政治家の不祥事の度々。それに、追い討ちを掛ける様に各地の洪水被害や地震災害と台風災害が毎年の様に増えている。温暖化による異常気象で、様々な農作物の不作が毎年の様に告げられる事態。この様な「想定外の出来事」があちらこちらで勃発する今日。この日本は大丈夫?と思うのは当たり前である。
まして、日本経済では、失われた30年と言われ。今や産業競争力も国力さえも低下し。国際通貨基金によれば…日本の貨幣価値は以前の半分以下迄下がり。世界の自国通貨信用度で日本の円は最下位の番付である…。
これらの背景からこの国に希望など抱けるだろうか?。この国の未来は財政破綻では?。と悲観的に見るのが大半だと容易に想像される。
特に、今首都圏直下型大地震や南海トラフ大地震が起これば!どうなるか。インフラの復興の被害総額を想像しても…この大借金を抱える日本は、1年後には財政破綻する確率は100%だろう。
想像しただけで恐ろしい…
こんな最悪な状況にしたのは?長年続いている今の政権。自由思想党ではないのか。それと相変わらず変わらない縦割りの縄張り争いで明け暮れて、更に自分達の天下り先に躍起なり国民を蔑ろにしているのが…中央官僚ではないのか。その官僚事態は、一流と評価されている国立東帝大学の派閥学歴による良く言われているキャリア組み官僚。
更に、国民目線で何か事を起こそうものなら「出る釘は、容赦なく撃たれる」エリートコース脱落の悪式慣習と風習が未だに残る官僚機構。それらの事から、この人達の責任は非常に重い!と学生時代からそう思っていた…。
小説家に夢を寄せていたが叶わず。実業家になった父と小学校の教員をしていた母の両親から、良く政治家と公務員にだけはなるな!と幼い頃から言われ続けて来た。
我々の税金で「タダ飯同然!」の堕落したその人達を見て来た両親が言うのは、当然なのかもしれない。
今日、我々国民に益々重税を課して置きながら、税金の無駄遣いを相変わらず辞める気配もなく。自己中心で未だに利権や既得権益ばかりに目が行く今の政権や行政。
その悪式慣習と風習を変える!政治改革と公務員改革が真っ先にやる事ではないか?。それが出来ない連中が、日本経済を良くする対策だとか良いアイデア?だと…良く言えたものだと。心で叫んている自分がいた。
身勝手な連中のお陰で、国民の暮らしや生活は益々酷くなるばかり。特に、物価高騰で苦しむ人達を蔑ろに政治家の裏金問題だとか。日本国民を食い物にしている宗教団体に自らの選挙応援をさせていたとは!何なんだと思わざる得ない…。
そんな政府に我々が提案する日本経済を良くする方法とか。産業が活性化するアイデアなどが採用されるのか?。ご都合主義の政府と官僚に、この国が良くなる方法より、自分達に都合の良い!対策や方法しか興味がないのではないだろうか。
こんな連中の私服を肥やす対策やアイデアなどまっぴらごめんだ!と思った…。
そもそも我々の年金はどうなるのだ?。我々若者が貰う時は年金制度は既に破綻しているのではないだろうか。払うだけ払って…。無しかよー!とまた怒りが、込み上げてきた。
これまで、変えられなかった連中が、内のどんな提案でも変わるだろうか?。ただの時間の無駄!になるのではないだろうかと色々な点で想像し考えてみた。
何故?当社は、この様な最悪な政府の依頼を受ける事にしたのか?また、悪評を叩かれて当社を窮地に追い込むだけになるのではないか?。
今の悪評の政府や官僚達の肩棒を担ぐ仕事を我々はしない方がいいのではないか?。
その悪評を覚悟しても!当社の財務はかなり厳しいのか?。とりあえず何でもかんでもお金にしたいのか?…などなどと様々な予測を立てて考え、仮説を持って様々な推論を働かせた。
日本経済を良くする対策とは!
今、どの様な事が行われているのか?…経済を良くするには。
人口減少を食い止めたお金の流れ?。エネルギー問題の改善?。正規雇用の問題?。地方対策による東京一極化解消?。食糧問題?。中小企業の働き手改善?。賃金上昇による生活安定?。新たな産業創出?。SDGsの持続化社会?。物流人手解消のコンパクトシーティ?。生産性を高める人材育成?。複合収入実現の学びと副業促進?。商工会による経営革新や販売促進の各種専門家派遣と各種セミナー改善?。などなどの様々な対策がこれまで散々行われて来たではないか?。
どれもこれも!目先の単発的なやり方と補充ばかり。先を見据えた未来構想に近づける抜本的な課題解決に至っていない。ただの問題対処方でしかないと南は思った。
だから、どれもかしこも!「成果と結果」に結び付かずに、ただ予算ありきや税金を使う目的で行わなわれて来たではないか。利権や使う目的でやって上手くいかなくて反省や見直しはしない。こんな状態で…何が新たな対策だ。何がアイデアだ。これまで真面な事をしていれば、こんな最悪な経済にはなっていない!と思った。
これらは学生時代から、強い問題意識を持って調べた事がある。
大学時代の恩師は大学教員になる前。経済産業省の官僚だった。様々な対策や施策のやり方に大いに疑問を持ち。より良いやり方を考案し上司に提案したが…「余計な事をするなぁー!前例のない事をしても周りから潰され。出世の道が塞がれるぞー。長いものに巻かれていればいいだょ〜」と強く言われて、やる気を失ったと聞かされた。古い体質に縛られ八方塞がりになっているのが官僚体制である。そんな組織に未練もなく。さっさと退職し大学教員になった過去を聞かされた事がある。
要するに…長いものに巻かれて税金を使う事の目的で税金の無駄遣いをし続けているのが行政の実態である。政治も行政も変わるつもりもないのに、成果と結果を上げる対策を出しても無意味ではないのか?と想像するしかないのでは…と仮説を立てた。
では?どうする…こんな連中に良い方法を実施させるには!。
う…と考え込み。ふーと一息ついた。
まともな正統論や論理構成など聞き耳も持たないだろう…。まして、日本経済が即良くなる凄いアイデアでさえ!「自分達の不都合」なものは寄ってたかって潰しにかかるに違いない。と想定した。
もし、やるとすれば!騙して実施させる対策とアイデアしか無い。騙すとは…その連中に得になる様に見せかけて、実際はそうでなくとも。結果国民や世論から好感度が高まる事をすればいいのではないか?と仮説を立てた。
我々国民の生活が良くなる事が大前提である。政治や行政の悪代官達のご都合主義を担ぐ策とアイデアは真平ごめだ!。こんな連中の同類にだけはなりたく無い。
南は幼い頃から正義感は非常に強かった。それは両親の教育の影響が強かったからである。
「人様の迷惑になる様なら、死んだ方がマシだ!」と口癖の様に言われた。それもあり、今の政治や行政を非常に毛嫌いしていたと思える…。
色々想像し様々な仮説を立てていると…マスターから「コーヒーのお代わり、どう?」とマグカップにコーヒーを入れてくれた。何度もホットコーヒーのお代わりをしても無料である。
マスターは庶民の味方であり、ふっとぱっらだ。流石江戸子と言えよう…。
「あーありがとう!マスター」と返事をした時。かなりの時間が過ぎている事に気づく。腕時計の針が16時を指していた。そろそろ社に戻らなければと思った。
コーヒーを一気に飲み。スマホのノートに書き込んだ様々な内容を一旦閉じて。カバンを持ってマスターがいるレジに向かった。
「ご馳走様。マスター!。」と言い。お金をレジの脇に置いた。
「いつもありがとうございます!。南君、随分難しそうな顔していたけど…仕事大変そうだねー」と心配そうに声を掛けられた。
「あーそう!そんなに難しそうな顔していた?」
「うん、していた」
「今、面倒臭い仕事が急に入ったからだと思う。今度、それが何か話すね!」と言い。急いで駅に向かった。
社に戻る電車の中でも。その事が離れなかった。暫くして社に戻ったのが17時30分を回っていた。
伝播Pの戦略企画部は、一人一人がパーテンションで囲まれた個室状態である。仕事に集中出来る環境の一環であった。そのせいか人の出入れにはほとんど気づかない。当然南課長の席もそうで、他のスタッフより広々としたデスクにゆったりとしたスペースが与えられていた。塚本部長の席は全面ガラス張りにカーテン付いた広々とした個室である。
南が席に戻る途中。ガラス張りの個室で塚本部長が何かを書いている姿が目に入った。
席に戻り。社内の自販機コーナーで戻る途中に買った缶のホットコーヒーの蓋を開け飲もうとした時。
パテンションの上から顔を覗かせて「課長、今回の件でお手伝いする事がありますか?」と伊藤が声を掛けて来た。
すかさず缶コーヒーを机に置き「今は、まだ考慮中なので今はいいです。何か手伝う必要が出たら、声をかけますね」と返事をした。
「かしこまりました。遠慮なく言ってくださいねー。何でもしますので」と明るい声で言われた。
「了解です!。その時はお願いします」
「では、課長。私は企画資料を探しに書店に行き。そのまま帰ります」
「はい、了解です」
本来は部下が自分の行動をいちいち上司に報告する義務はないが、今朝の依頼が面倒臭い内容になりそうなので、伊藤が南に気を遣ったのである。急ぎの仕事があるのでは?と…。
また、伊藤愛は南より3つ年上なので、南は何かと気を遣いながら仕事を進めていた。南の後に入った新人達以外は、ほとんどが南より年上と言う状況があったので伊藤と同じく気を使う配慮は忘れなかった。
人は年下の上司に顎でこき使われるのは、誰でも嫌である。南は中高と部活をしていたので、その辺は心得ていた。その気遣いはある意味!その人の人格であり。器とも置き換えられる。南はその器があった。リーダーとしての資質が高かったとも言える。
南は、自分のデスクで缶コーヒーを少し飲んだ後に、両手を頭に乗せ、背もたれに思い切り沿った姿勢で…目を閉じて暫く考え込んでいた。
その時、この依頼は条件付きで対策とアイデアを出した方がいいと思った。
その条件を質問として、営業や上層部にぶつける事にしょうと考えた。
まず、社内でそれをクリアにしなければ、ただの時間ロスになるだけだと思ったからである…。
つまり、政府関係者を騙すトリックを持って企画提案をする条件付きである。ありきたりの対策やアイデアでは何の意味も生まない状況に陥るからである。
意味とは?可能性である。それも大胆な可能性を見極める必要性がある。
例えば、社会そのものを変える可能性である。それをしなければ日本経済そのものが、良くなる筈がないからである。と南は色々な仮説を考えた。
今や日本は自然災害大国である。そのせいで、様々な防災グッズや災害地ボランティアのN POが様々な形で立ち上がっている。それ以外でも副業とするNPO集団が沢山ある。これらを活用する方法やアイデアは、政府や行政にとって好感度を上げる対策としてやる気になるかもしれない。国民ウケが良くて、ご都合主義の予算をそれ程捻出する必要のない!対策とアイデア。これなら、妨害や邪魔が入らずスムーズに事が運ぶかもしれない。
本来なら、政治改革や公務員改革とその仕組みそのものを変える対策が1番良い方法だが。改革には抵抗する連中が多い。特に、政治家や公務員は自己中故。尚更である。彼らはそんな事をやる筈がない!と見切った。
では?国民やNPO団体に企業の得を優先にした対策や方法を挙げて、実施させた後に国民やNPO団体及び企業から、ボトムアップ方式で政治家や公務員改革を促す事を考えるべきである。要するに、一石二鳥の対策とアイデアである。とある仮説が湧き上がって来た。
今や人口減少と地方財源さえもが厳しい状況である。それを含めた改善方法を国民は望んでいる筈だ。それらも含めた最良の対策やアイデアとは何か?と…
様々な想像を膨らませて、あーだこーだと考えている内に。外はすっかり暗くなり。時計の針は19時を指していた。今日はその辺にして帰るかと思った。
塚本部長の方を見ると。部屋は暗くなっていた。周りを見渡しても…まだ仕事をしているのはせいぜい2、3人位だった。
帰宅したのは、帰る途中に食事を済ませて22時になった。今日も遅くなったと思った。最近、いつもこの調子だ。寝床に着くのが12時過ぎ。このままだと身体が持つかなぁ〜とふっと思った。




