(最終編)18.大学の友人
今、日本企業の社員は95%以上がやる気がないと言うニュース報道を見た。何故?そんなにやる気がないだろうと南は思った。
その事を妻のまゆに聞いてみた。すると妻は…
「分かる様な気がするわ。今、昔の様に企業戦士がいるだろうか?。多分、いないと思うわ。それは適当に仕事をしても手当は余り変わらない事と出世にもこだわらない人が増えたからじゃ〜ないかしら。生き方も働き方も多様化しているしね!」
「確かに、がむしゃらに仕事をする人は非常に少ないだろうね。そもそもまゆが以前言っていた様に、企業は信用出来ないからねー。それもやる気を失っている理由かもね。しかし、やる気もない。時代錯誤の慣習や常識やら、この国はより堕落するばかりに映るだけど…どうしたものかと思う時があるよー」
「副編集長になったけど…正直に言うと。私はその立場になりたくなかったわ。部下の育成や煩わしい仕事も増えたし。そのお陰で、物書きの時間が取れなく。ストレスは溜まる一方。その割に給料はそれ程上がった訳でもなく。割が合わないとはこう言う事だとつくづく思う日々よ」
「そうか。そんなにストレスが溜まっているだ。まゆは物書きがしたいだよねー。その副編はやっていて自身のメリットにならないの?」
「メリットがない訳でもないわ。肩書きで相手の反応も大分変わるしね!。そのお陰で、作家先生への依頼がやり易くなった面はメリットよ。ただ、自分自身の時間は大デメリットよ。私は、他人の出版や雑誌より自身で物書きをするのが好きかもしれない。まして、部下の指導なんて向いてないのかも!」
「そうなんだ!だったら、作家中心にしたらいいじゃない…。まゆが以前言っていた。人生は一度しかないだから、好きな事に時間を使うべきだょ!。お金の事は心配ないよー。何とかなるさぁー。これまでもそうして来たじゃ〜ないか。また、お金ではないよね!人生は…好きな事や向いている事に集中すべきだよー。それもまゆが言っていた事だよ〜。まゆは物書きが合っていると思うよ!。作家になりなよ。子育てもそっちの方がやり易いじゃ〜ない。僕も子育ても協力するし…それが世の中に対して、まゆの役割だと思う。人に安らぎと癒しを与える物書きの役割が…」
「鼓太郎には、とても感謝しているわー!。子育てに非常に協力してくれているし。家事も私より積極的にやるし。ほうとうに感謝しかないわ。そうねー!そろそろ作家家業に集中しょうかしら。私が果たす世の中への役割として…書きたい事も色々あるしねー」
「そうした方がいいよ!。僕も応援するから。書きたい事があるなら、尚更だよ!。まゆは作家が向いていると思う。前から言っている様…文才の才能が非常にあるから、それに集中すべきだよー。最初の頃は売れなくても、心配する必要ないから。僕の収入だけで大丈夫だから。それに、僕も色々出版もしょうとも思っているだ。出版社から色々頼まれているから、社会の為に書こうと思っているだー」
「それは、いいねー!。鼓太郎こそが…文才にも恵まれているから色々書いた方がいいと思う。2人で作家デビューしょうか。色々考えてみる!。今後の事を考えて…実は、他社の先輩から、エッセイや小説を書いたらどう?と言われているの。先輩の会社から出版したいだって!。今は、そんな時間を持てないからまだ返事していないけどねー」
「書くべきだょー!周りからそう言われているなら、尚更だよー」
「そうねー!人生は一度だけだからね。今の仕事がひと段落したら、作家デビューでも考えてみる」
南は、今の人は会社や出世には拘らない人が増えているのか?。やはり、生き甲斐と生き方に関心があるのかもしれないと思っていた。
南の若い頃は失敗だらけだった。大学進学に失敗し、就職も失敗した。しかし、大学の恩師に恵まれ。就職した先で様々な支えが、今日の私があると思っていた。それは学びを通して自分自身の好きな道を歩んで来た事で、幸せな時間を過ごして来たと思った。
特に、まゆには感謝しきれない程。感謝しかなかった…。
人は好きな事に打ち込んでいる時が一番!幸せなんだとつくづく思っている。たった一度の人生なら…それこそが大切なんだと…思っていた。
好きな事であれば…一生懸命に出来る。後ろを振り向かずに、一生懸命に生きる喜びを伝えていければと思った。
自分を信じなさいと…心の中からそう言いたい。そうすればやる気もでる。打ち込みたい事が見つかれば目標や目的も見つかる筈だと…思った。
ただ…。好きな事が出来ない人もいる。一生懸命にやりたい環境に恵まれない人もいる。大半はそれが現実である。そんな状況や環境でも、やり甲斐や一生懸命になれるだろうか…?。
「鼓太郎!どうしたの?。いきなり黙り込んで…何か考えていたの?」
「あ…ごめん。少し考え事をしていた。例えば、人には好きな事をしたくても出来ない。または、やり甲斐の仕事に付ける人はごく僅かだっと思うだけど…その事が一般的だし、現実かもしれないと、今考えていたんだ。どう思う?」
「そう言う事を考えていたんだ。そうねー!それが一般的なのかもしれないねー。私達は恵まれていると思う。でもねー!鼓太郎。恵まれない環境は多いかのもしれない。それを変えるのもその人自身の問題じゃ〜ないのかなぁ〜。だって、恵まれない環境と嘆いても行動をしなければ変わらないし。お金の為に、働かなければならないから、しょうがなく働いていると言う人が多いけど。それもどうかなぁ〜と思う。それもその人の考え方に問題があるかもしれないからね。所謂、価値観じゃ〜ないかなぁ!。環境も一生懸命も、そしてやり甲斐も…その人がどう思うかなのよー。きっと!。
つまり、自身の人生にどう向き合うかだっと思うわ。どんな環境であれ。どんなつまらない仕事であれ。嫌なら!変える行動と努力をすればいいのよー。私達はどう?。上を見ればキリが無いし。下も見ればキリがない。私達の現実も…世間で言う一流や有名大学でもないのに!それなりに私達はやって来たと思うの。それは…何故?。
今の立ち位置で何をすればいいかを考え行動して来た事に尽きるわ!。何が出来るか?を…特に鼓太郎はして来たと思うの。それと私は時代だと思うわ。時代が変わって!時代が求める事さえ変わったと思うの。
今、何が必要で何をしなければならないのか?を考え想像し、行動をして来たから、今の鼓太郎があるのよー。鼓太郎を見て来て非常にそう思うの。違う?」
「言い訳をしない!と言う事かもしれないねー。とにかく、今を一生懸命に考え行動して来ただけかも。それと周りの環境と引き上げる人が周りに居たと思う。僕の場合は…」
「鼓太郎はいつも一生懸命に考え想像して行動をして来たのよ!。環境も引き上げる人も。鼓太郎の姿勢と時代に合った才能があったから、環境や人にも恵まれたに過ぎないと私は思うの。結局!自分自身の問題なのよー。恵まれる恵まれない状況は、本人が自身に向き合うしかないわ。それで一生懸命に生きる事をするしかないわ。その事に尽きるのよー。出来ない理由を見つけるのではなく。出来る理由を見つける事なのよーあなたがそうでしょう…私はあなたから様々な刺激を受けたのよ」
「人の未来など、いずれどうなるか?分からない。何故なら、自分を振り返ってそう思った。ただ、楽しい事がしたい。お金を稼ぎたい。出世や肩書きなどはどうでもいいと思った。そんな自分がここまで出来たのは…多分?。常に未来を想像して、それに近づける為には?。今、何を考えてその壁になる課題を想像しながら、その解決になる行動をして来た事に尽きるのかもしれないねー。でも!この先は何が起こるか分からない。分からないから、想像し仮説を立てているのかもしれないね!」
今の社会は、情報網が発達しずきて簡単に調べたり。様々な事が直ぐに調べられる。学びさえもが手軽に何でも手に入る時代。この様な環境下で、取り敢えずこうしょうとか。取り敢えず資格を取ろうとか。取り敢えず此処に進学しょうとか。人は物事を深く考える事もしなくなり。まして先を想像する事もしなくなってしまったのではないかと南は思った。
先が見え無くなった訳ではなく。見ようとしない。想像も仮説さえも面倒臭いと言う心理に陥っているのかもしれないと南は推理していた。
大学の研究室で…南はコーヒーメーカーで沸かしたホットコーヒーを飲みながら、椅子にのきぞる姿勢をしながら昨日のまゆとの会話や今の社会とか、人の心理などを考え、想像しながら空想にふけていた。
その時、内線が入った…
「おはようございます!南先生、今よろしいでしょうか」と助手の櫻井が言ってきた。
「おはようございます。はい!大丈夫です」
「実は、今…大学の同級生の石坂さんと言う方から電話が入っていますけど!どうしましょうか?」
「石坂!。そうですか。分かりました。何番ですか」
「はい。2番です…よろしくお願いします」
「もしもし。南です。どうしたの?。石坂!携帯に電話すればいいのに」
「おー!南。携帯に電話したけど…通じないから、職場に電話したんだけど。携帯壊れているじゃ〜ないの?」
「えー!通じなかった〜。ちょっと待って。あーごめん!電源スイチを消していた。ごめん、ごめん!」
南は研究室で物思いにふけっている時はスマホの電源を切る事がある。邪魔が入らない様にである。
「お前さ!電源を切るなよー」
「悪い悪い…たまにあるだ。笑 久しぶりだねー。所でどうしたんだ。突然!」
「実は、今東京に来ているんだ。またまた突然だけど…今日会えない?話したい事があって午前の特急で来たんだ。出来れば久しぶりに飲みながら話したいだけど。急で申し訳ない。明日の午前中に茨城に帰るだ。どう?」
「そうなんだ。うん、大丈夫だよー。じゃ〜以前飲んだあの居酒屋で夕方18時でどうかなぁ〜」
「了解!。あの居酒屋だねー。18時と言う事で、よろしく…」
石坂は母校文帝大学ゼミの親友であり。彼は大手建設の大友建設に居たが、3年勤務した後に退社した。
その後、実家茨城のお父さんがやっていたホテルの後継となった。退社した理由は、営業ノルマに心が折れて一時的に引き篭もりになった。約半年間引き篭もった後に、実家に戻り父がやっていたホテル業の仕事を手伝う様になったのである。
4年前に、文帝大学ゼミOB会で久しぶりに会って、会の終了後に2人で西新宿駅のまゆと良く行った居酒屋-癒しで飲んだ。
その時、ホテル経営で行き詰まっていた状況で相談を受け。一年後に経営は順調になっていた。その時、直接彼のホテルに出向き「サービスプロフィットチェーンモデル=サービス利益循環型モデル」を使い3ヶ月間、業務改善を繰り返して指導を行った。その後、順調に利益を上げ。更に従業員が辞めない状況になったと石坂から報告を受けた。
サービスプロフィットチェーンモデルとは北欧で開発されたモデルで、ホテル業や流通業及び航空業などのサービス産業向け利益循環システムである。このモデルで世界中の大手サービス業が利益を上げる成果を出した実例である。
このモデルは従業員に目標値ややる気度及び満足度を高めながら、現場のサービス質向上で利益を上げる循環型システムモデルである。それと同時に、南が開発した視覚伝達開発モデルをドッキングする事で、顧客を呼び込むモデルと利益循環型モデルの複合が、より効果を上げる結果となった。
視覚伝達開発モデルとは、観光客は観光地やホテルの情報と経験を基にブランドイメージを抱く様になる。そのイメージはフィーリング(雰囲気や情緒)演出で、より良いイメージが可能となる。また、その良いイメージはブランドコンセプト(概念)とグランドデザイン(全体像の設計)がなければその良いイメージも持続的な記憶になりずらい。
従って、それらの要因が双方に良い相関関係と因果関係で影響し合って始めて成果と効果を上げるものとなる。このオリジナルモデルで、顧客を呼び込む結果にも繋がった。
「南、久しぶり。突然すまなかったなぁ〜。今日は大丈夫だった?」
「大丈夫、大丈夫。元気そうでなりよりだ」
「以前は、大変お世話になった!。非常に助かったよー!。お前のお陰で。今日は、またある相談で東京に来たんだ。いきなり本題に入るけど…茨城の商工会議所から頼まれて来たんだ。会頭から、友人の東帝大学の南教授に資源が少ない茨城県の地域活性化策でお力添えをして頂けないかと言う依頼の件なんだ。非常に忙しい南先生だけど…色々な噂を聞いて、南先生に是非頼みたいと言う事なんだ。忙しい人なので…引き受けるかどうか分かりませんよーと話したんだけどね。南は政府関係や行政の依頼をことごとく断っているらしいので厳しいと思いますよーとも言ったんだけどね。そこをなんとか!と言われてねー。内も商工会議所の会員なんでね。取り敢えず聞いて見ると言って来たんだよー。
今、茨城は人口減少もあり。各市町村は過疎化が進み。それと同時に商店街の空き店舗も増え始めている。また人の交流も活気もなく。商店街全体がかなり厳しそうなんだ。若者は相変わらず東京に行く人が多く。働き手不足も深刻化している。これは全国的なんだけどねー。どうだろう…力添え出来ないだろうか?南!」
「そうだなぁ〜。行政の仕事は余り気が乗らないなぁ〜!。今迄色々な事をして来たのではないのか?。しかし、成果と結果が出ていないのは何故?。その原因と理由を明確にせずに、予算ありきでやって来たからではないのか!。地方の行政や商工会議所は…様々な利権絡みが多いと聞くから、どんな良い提案内容も却下されるらしいから、僕は引き受けたくないねー!。それは石坂の頼みでも!僕はやりたくないなぁ〜」
以前、地方の商工会議所や行政の仕事をしている数人の人間から様々な事を聞いた時に酷いものだと南はつくづく思った。
それは、我々の税金である様々な補助金に群がる現実である。その税金である補助金予算を回して、それに群がった仕事や生活をしている人が非常に多い。
それは地方企業も個人も団体や組合も同じ状況がある。
地方の自力経済や所得改善に自力企業育成とは無縁に近いものが毎年の様に「予算ありき!」で行われている実態がある。
これでは…心ある人がどの様な素晴らしいアイデアや課題対策の施策を打ち出した所で、周りから(そう言う連中)もみ消されるのは当たり前の様に南はその時、話を聞いていて思った…。
この国は…又は、地方は良くなる方向より、自分達の立場や懐だけに関心が強く。それ以外は邪魔者であり、敵だと思いそれを潰しにかかる現況がある。
つまり、あしの引っ張り合いと無視や妨害に誹謗中傷が横行する社会だと言えよう。特に、既得権益者や利権絡みの関係者は陰でその策略に長けている人が非常に多い。
だから、この国は税金は毎年の様に上がる一方で、一向に国も社会も良くなる所か!。悪くなる一方であり、堕落の道を進んでいると南は強い危機意識を持っていた…。
「やはり、そうか!。確かに南が言う通りだと思う。外野がうるさいし、取り仕切る人がいないと言う現実もあるからなぁ〜!。
しかし南が言えば、誰もが素直にやるのではないだろうか。何故なら、日本中であの循環型コンパクトシーティ構想を実現させ。尚且つ様々な企業での実績に、地下空間シェルダーを全国展開させた人物だからなぁー。最近では都庁職員意識改革迄もやったらしいと周りから聞いた。
南は昔から凄いからなぁー!。それに、内のホテル経営改革も含め!。誰も茨城では、南がやってくれるなら異論や反対もする人はいないと思うよー。もし、そう言う人がいたら周りから袋叩きに合うんじゃ〜ないかなぁ…。笑 なんとか!茨城を助けてくれないか?南…」
「、いや〜まいたなぁー!。石坂がそこまで言うなら、考えて見るけどさぁ〜。もし!引き受けるなら条件を幾つか出して、それでも良かったらと言う事になると思うよー!。時間の無駄だけは避けたいからね。
それと、これまでの話しとは違うだけど…石坂は何故?今の人はやり甲斐や目標がなくなっていると思う!。企業や様々な組織でも、そう言う傾向が高まっているらしいだ!。就職した会社を直ぐに辞める人も多いらしいけど。何が原因だと思う。石坂の経験則から率直に言って欲しいだけど…」
「そうだねー!俺の経験から言うと…入る前から明確な目標目的がないからだと思う。取り敢えず大企業だから入社しょうとか。でも入社したら、段々この仕事を続ける意味があるのか?と俺は思ったねー。多分!殆どの人は、この仕事をやる意味があるのか?と思っていると思う。楽しさややり甲斐を見出せないのもあると思うけど…それ以上に、そもそも何がしたいのか?が分からない人が多いじゃないのかなぁー。
一瞬の喜びから一生の喜びを!。多くの人は考えていないと思う。つまり、目先の事でしか考えていないのでは?。お金とか。休みや福利厚生とか。周りの目が良いとか、そこの社員だったら優越感に浸れるとか。でも!毎日の仕事だから、段々つまらない!と言う感情が高まってしまうから離職すると思うよ。
心が弱いと言えば弱いのかもしれないね!。特に、そう言う人は認めてくれないとか。自分の居場所がない!と思うのかもね。認められるのも、居場所を作るのも!自分で掴まなければならないだけどねー。
南に良く言われた!課題を探し、それを解決する為に深く考え、想像し、仮説で解決策を見つけるだよー!と言われたのは今でも鮮明に覚えている。また、主体的にその行動をすれば楽しくなるからとも言われて。そうだと気付かされた。
多くの人は他力本願なんだよー。環境だとか、誰か人のせいにしているのだろうねー。無意識に…。日々、目の前の事に追われ、先を真摯に想像しないだろうねー。今の現代人は。南は宇宙人だから先が見えたり。課題が洞察出来るけど…笑。一般人は目の前の事しか考えられずに生きているだよー。
南が言った新たな才能の方程式を知ったら!その人も宇宙人に変われるじゃ〜ないのかなぁー。笑 俺はそう思うよ!実際、俺も宇宙人迄は行かないけど…笑。多少近づく事が出来たと思うから」
「お前も…宇宙人と言うか?」
「ゼミの先生がよくそう言っていたからなー!。俺もそう思ったよー。流石にあの卒業論文を読んだ時は…。他でもそう言われているじゃ〜ないのか?」
「たまにねー!」
「ほーら!やっぱり」
2人で大笑いをした…
「お前が言うよに…やはり、取り敢えず●●●しょうと思っているのか。でもお前が言っている事なんだろうなー。目の前の事に追われ過ぎているだろうなぁ。今の人は…。それは!問題意識なんだろうなぁ〜。それがある人とそうでない人とでは、行動が変わってくるからねー。やる気、目標かー。何をしたらいいか分からないのか。これらは教育と社会が悪いからなんだろうなぁ〜。この国は酷いからねー!」
会話に夢中になり過ぎて、出された料理が殆ど冷めてしまったので、会話を中断して食べる事と飲む方に集中した…
「所で、お前知っている?。最近、聞いたんだけど…あの町田が亡くなったのを…」
「えーホントかよ。あの町田が亡くなったのか?。何故、いつ?」
「やはり、知らなかったか。一部の人しか知らないらしい。半年前、自殺らしいよ」
「自殺?ホントかよー」
「うん。そうらしい…。何でも事業を失敗したらしく。高くな借金で、離婚後に首を吊ったらしい…。アイツは独立志向が学生の時から強かったからなぁ〜。
詳しくは知らないけど…居酒屋をやっていたらしく。物価高騰で著しく経営が悪化したらしい。まさか、高くな借金を増やしていたとは、周りも知らなかったらしいよ。それもかなり。それを隠して見栄で頑張り過ぎたと聞いた。それを聞いて…俺も気をつけなければと思ったよ。俺には、南がいるから心配はないけどねー。笑 困ったら、また色々教えてくれよー、我が親友よ。笑。アイツも南に相談していれば…そうならなかったのに!と思うよ」
「いや!僕は人助けには無縁の人だから…。しかし、非常にショックだよー。町田が亡くなったとは。人の人生は分からないものだ。自信満々の町田がねー!」
「南そう言えば、毎年の様に自殺する人が増えているらしいよ!」
「それは知っている。毎年の様に増えているらしいねー。それも今の社会が悪いからだねー。特に、政治屋どもが…」
「そうだねー。政治屋は酷いねー!。それも国民が無関心だから、酷い政治屋どもがやりたい放題になるだょ。全て国民が悪い!」
「そうだねー国民が悪いね。町田が…死んだか。悲し過ぎる。彼の田舎はどこだったけー」
「北海道の小樽市だったと思う」
「北海道か…。小樽は僕が好きな街だ。遠いなぁ!。墓参りに行きたいけどねー」
「今度、行こうか。何人か誘って…」
「行こう!。日程が決まったら連絡してよー」
「了解!」
2人が分かれた後。南は家路に向かう途中で、いつもの様に色々な事を想像し、様々な空想にふけっていた。
あの元気いっぱいの町田が自殺したか…
自殺者ややる気のない症候群、目標・目的の欠落。更に、取り敢えずの目先に何故?人は陥るのだろう…。それらはまず環境作りが必要ではないのか…などなどを想像し空想をしていた。
帰宅した後。風呂を入りながら、また空想にふけていた…
出来ないと言う固定概念から、出来ると言う想像から空想に。更に空想から構想へと膨らませる事が重要だと南は思った。
例えば、地域活性化や商店街活性化も其処に住む住民や様々な職業や職場の住み易く楽しい日常を含めた。やり甲斐ある利益循環型システム開発が出来れば…自殺者や離職率に過疎化などなどが解消されるのではないか?。
今の人は自己中になり過ぎる故。周りが見えなくなっている。そのせいで意固地に陥り、孤独感からやり甲斐も見出せない。
自分自身はどの様な役立つ人間さえも見え出せない状況が蔓延した社会だと言えよう。其処にどの様な課題が蔓延しているか?である。
それを解消するには…やはり、企画の仕掛けが突破口になるだろう…。今、この国や社会はどんどん悪くなる負のスパイラルに陥っている。それは何故か?。それは理想とする街や社会や国の目標軸がないからであると南は思った。
どの様な目標軸の理想郷を想像しベストになる空想を描き。出来る果ての構想を設計した後に、様々な人と時間と役割でそれを実現するプロセスへ導く事が重要になるとある仮説を立てようと思った。
つまり、皆んなが「幸せを呼び込む循環型メリットシステム構想」だと思った。組合や団体だけでなく、NPO団体や支援を外部に作り。それらを活用し、各人に役割を持たせ!やり甲斐とイノベーションデザイン(新しい価値の設計)を取り入れた客観的でダイバーシティ(多様性)を含む。
様々なアイデアや構想へのプロセス設計をやる事なのかもしれないと。南は考え、想像していた。
「いい加減に!出なさい。頭のぼせて倒れるわよー!。また、いつも様に空想・妄想にふけているのでしょう。しょうがないわね!」
「はい、はい。今、出ます!」
「はい!は一回でいいのー。先に寝るねー」
「了解!」
南は心の中で…はい!と答えた。暫くして風呂場から出た。いつも!自分の事を見守り心配してくれるまゆの気持ちが嬉しかった。
そして、自分を支えてくれる人が周りにいたから自分はこれまでやって来れたんだと南は思っていた…。
人にはそれぞれの役割がある。その役割で周りの人を幸せに出来るのなら、人はやり甲斐を持つ事が出来る。そして、自らの目標や目的さえも描く様になり。日々充実した時間が過ごせる様になるだろう…。
人の幸せとはそう言うものではないだろうか。お金や肩書きや出世及び名声や地位ではなく。自分自身を頼ってくれる人がいて。その事自体が、幸せの価値基準ではないだろうか。
そう言う感情になれる!環境と支え助け合う役割で日々が送れる循環型幸せシステムを考え様と南は思っていた…。
月曜日の朝。伊藤先生と櫻井さんに地域活性化の事を話し。2人に手伝ってもらう了解を得た。
石坂に連絡を取り。商工会議所の会頭に幾つかの条件付を提出し。それが受理されたので…引き受ける事になった。茨城県は広い故。石坂が所属する商工会議所管轄の商店街活性化を重点的に行う事となった。
現地視察をした後に、商店街周辺の地域資源を活用する事にした。また、観光客を取り込んだ活性化の方が即効性の面で有効な取組みだと推測された。
その場合、外国人観光客のインバウンド策も取り入れたものも考える必要があった。南は伊藤や櫻井を連れて何度か現地視察及び関係者との打ち合わせをした後。
南が開発した視覚伝達開発モデルで顧客(観光客も含め)へのアプローチを試み。周辺資源を活用した商店街の魅力的な雰囲気作りを作る上で、商店街ブランドコンセプト及び全体的なグランドデザイン(全体的設計)の構想案に着手した。
南は、コンセプト及び全体的デザインを描く上で、最も重視する事があった。それは、商店街や周囲の人々の支え、助け合う一人一人の役割とやり甲斐が叶うグランドデザイン構想である。
これまでの飲食業中心だけでなく。周辺住民との支え合う要因が必要となる。その要因を考えると、生活必需品である生活密着型の雑貨店やミニ農園の野菜直売店、又はホームヘルパーに福祉関連とか。更に、便利屋などなどの生活に密着したものを取り込む必要が挙げられた。それらを空き店舗や周辺土地の無料貸し出をした。
収入源である観光客や外国人が訪れ安い観光案内所や観光ガイド(同時通訳など)サービス業なども含めた新しい形態の商店街にした。
これまでの運営組織に新たな若者や外部団体(様々なNPO団体や組織等)を加えた商店街活性化組織体制を作った。その体制で、様々な人の役割と「利益循環型システム」を構築した運営組織体制とした。
また、商店街ブランド確立のコンセプトに周辺資源を取り込む商店街雰囲気のグランドデザインを基とした。そのデザインによる様々な情報発信やアトラクション及び客寄せパンダのキャラクターなどの展開もした。その展開の企画=仕掛けに、イノベーションデザインによる新しい価値の設計とした。多様な人によるアイデアと発想を持って行う事となった。
その際、商店街や運営などの人手不足の解消を含め。外国人にも優しい商店街として、外国人労働者を使用した運営と働き手にもなって貰う環境整備をした。その事で、よりダイバーシティ(多様性)のある発想と運営が実現可能となった…。
外国人労働者や国内労働者を扱うNPO団体や組合を立ち上げて、労働者の斡旋から周辺アパートや空き店舗活用した住居提供を行った。
要するに、住みやすく暮らしやすい環境整備は商店街繁栄に欠かせない環境である。商店街周囲に公園整備や育児預かり所の整備は翡翠であった。これからの商売は環境がセットされて上手く行くもだとも言える。
これは、南の支え合う助け合う循環から外せない要因でもあった。
まさに!「人の幸せを呼び込む循環型商店街の構築」となって行った。
南の狙いは、此処でやり甲斐を見つけ!自身の役割を作り、互いに支え助け合える…「幸せな時間を叶える場」として…欲しかったのである。
人口減少や少子高齢化社会は、これまでの車社会に便乗した郊外大型スーパーの時代ではなく。車を使わずに、身近で用が足りて互いに支え助け合うコンパクトな商店街活用の方が理に適っていると南は想像したのである…。
その理に適う事を住む人と商売する人の橋渡しとした「循環型」のお金の流れと生活と暮らしの流れをリンクするリング(輪)に、南は見たってたのである。
此処には「歩いて全ての用が足りる理想郷の暮らし」が叶う場としたのである…。
ある意味!良い昭和の面影とも言えよう。
この仕掛け(企画)は予想以上の反響を出し。活気と安定ある商店街になった。
一年掛かりの取組みになったが…その後、石坂と会頭及び関係者から感謝の言葉を頂いた。
特に、石坂から…
「南!ありがとう。やはり、お前を紹介して非常に良かったよー!皆んな非常に感謝していると思うよー。特に、内のホテル迄もが様々な点で利益循環が迷い込んで非常に潤う結果になったよー!ありがとう、ありがとう。持つべき我が友だなぁ〜」と多少興奮気味に石坂から言われた。
「そんな事より、町田の件では石坂に大変、お世話になったよ!。小樽市にも行けたし。何より町田の墓参りに行けたのも!お前のお陰だ。また、久々に皆んなとも会えて非常に楽しい時間を過ごす事が出来た!。石坂には感謝しかないよー」
「いや〜大した事は何もやっていないよー。また、皆んなで会おうなぁ〜」
「了解!。その時は呼んでくれ!。何処にでも飛んで行くから」
友とは非常にいいものだ!と南は改めてつくづくそう思った…。
茨城の事業が終わり。帰る途中に上野駅近くの居酒屋で、久々に3人で軽く打ち上げ会をした。
「南先生!大変お疲れ様でした。先生から、またまた色々と教わりました。特に、人の役割と導きは何をしたら分からない!今の人には有り難い事ですねー!先生」と伊藤が乾杯の音頭でそう言った。
「そうだねー!人にはそれぞれの役割があるからね。その役割が見つかれば誰もが生き生きするだろうね…。今回の件でそれがより分かった様な気がする。伊藤先生、櫻井さん大変長い間…お疲れ様でした!。皆さんの役割のお陰で無事終える事が出来ました。ありがとうございました!」
「こちらこそ!ありがとうございました。そしてお疲れ様です!」と伊藤が言った後に…
「南先生、伊藤先生色々ありがとうございました。私は、何の役にも立たなかったですが…お二人に支えられて。何とかこなす事が出来ました。とても感謝感激をしています。今後とも!よろしくお願いします」と明るい声で櫻井が言った。
南がすかさず…
「櫻井さんが色々雑用をしてくれたから、このプロジェクトは無事に終えたんです。貴方の役割に非常に感謝してますよー」
「私も、櫻井さんに色々助けてもらって!感謝しかないわー」と伊藤も呟いた。
「そんなー何もしていませんよー!。でも、役割が明確だと仕事がし易いですね。そう思いました」と微笑みながら櫻井が言った。
「私でも、人を導く事が出来るでしょうか?」
南と伊藤がお互いの顔を見ながら…
「出来る、出来る!もちろんだょ…」
久々に、3人で大笑いをしながら楽しい時間を過ごした。




