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16.伊藤愛が常勤准教授の肩書きで赴任した時…

「南先生!本当にありがとうございます」

「良かったですねー!伊藤先生。又ご一緒に教育と研究が出来ますね!」と喜びを素直に言った。

「私こそ!今後ともご指導の程。よろしくお願いします」

「そんな方苦しい事はいいですよー!。伊藤先生が好きな様に、ご自由に、伸び伸びやって下さいね。私に、遠慮する事は全くありませんから」と笑いながら言った。

 伊藤は、南に感謝しか無かった。南の近くで仕事が出来る喜びで一杯になっていた。

 伊藤は結婚しても夫婦別姓にしたままであった。その方が何かと都合がいいからである。

 伊藤も幾つかの科目を持ち。学生の評判も南と同様に非常に良かった。流石、持ち前の機転の良さと頭脳明晰で様々な仕事をこなし、既に南の右腕となっていた。

また、引き続き中法大学の非常勤講師もしていた。彼女は人脈も広く。旦那さんの仕事も大学の傍らで手伝っている点もあり。より人脈を広げ、南にその人脈と旦那の仕事を良く相談したり。時には南の指導を仰ぐ事も多かった。南はまさに!大学と民間及び社会を正しい方向に導く指導者になっていた。

 まだ、37歳になったばかりなのに…。伊藤は3つ上の40歳を迎え様としていた。

 南は、既に政府関係者や全国の行政及び様々な企業や団体などから、毎日の様に指導を含めた協力依頼が大学側に来る様になっていた。

 その依頼を全部受けるのではなく。受け入れには慎重かつ的確な判断を持って引き受けていた。

 それが例え政府や官僚の仕事でも!受ける価値のないものは…容赦なく拒否をしたり。切り捨てる事も多かった。

 つまり、人や社会を正しく導く事が南の信念だったからである。決して、忖度や損得勘定などは彼には無縁のものであった。何故なら、その信念と使命感から大学教員と研究者の道を歩む決心をしたからである。


 学長は、南のその判断と行動に強く共鳴と理解を示していた。ある意味!尊敬すら感じていたのである。

しかし大学の内部状況は狭い世界で、尚且つ大学教員は個人商店の様なものなので…此処でも南の活躍に嫉妬したり、あらぬ噂を立てる輩はいた。

 南は東帝大学の特任教授になった時。様々な教員から大学の内部状況や環境を聞いていた。耳を塞ぎたくなる様な情報も沢山あった。

 教員同士仲の良い人達は良好な関係を保っていたが…そうでない教員には誹謗中傷が横行していたのである。

 それは、南にとって教育現場での意外な側面であった。

以前恩師からもそれらしき事は耳にしたが、これ程酷いとは想像しなかった。

多くの大学教員は、自らを知識人と思い。各人のプライドは非常に高く。ある意味!オタク集団そのものでもあった。

更に、学生や社会を遠ざけて自らの好きな研究のみに関心のある教員も多い現況があった。

 要するに課題が山積みの状況であった。これでは…海外の大学からより遠ざかるばかりだと南は内心思っていた。

 馬鹿馬鹿しい噂や嫉妬などには全く興味も関心も無かったが。教育者として堕落した姿勢には目を瞑る事は出来なかったし、してはいけないとも思っていた。

 特に、教授・准教授・講師・助教・助手などの能力にさほど関係ない従列やプライドと排他状況には…教員のやる気やモチベーションを下げる「悪式慣習」にも!我慢出来ない状況であった。


 教員間で聞く。マスコミ対応型・内部出世対応型・無関心を装う対応型・学生受けの対応型などなどの型もくだらないと思っていた。

 また大学側による教員の尊厳を無視した対応や文部科学省の大学改革なども理に合わない状況などなどから、大学は課題だらけであった。

 南は取り敢えず!これらの課題は…当面無視し。教育者と研究者として、我が道を突き進む事に専念しょうと考えていた。

 自分自身が様々な見本を示して行けばこれらの状況は徐々に変わると持ち前の先見力と洞察力で、既に見極めていたのである。

これまでの大学は知(知性・知識等)の結集の場であった。様々な知の専門家達がそれぞれの役割で若者の教育や社会に様々な提言してきた。

 しかし、今日の知の学びや知の提言は様々なツールや書籍で何処でもその気になれば学べる状況で尚且つ提言さえも出来る様になった。

 特に、SNSやチャットGTPなどのAIの進化で知の提供は大きく変わって来ている。

何が起こるか分からない想定外だらけの激動の時代には、今日の常識は明日には非常識に変わる恐れさえもあった。

こんな時代に、現代人は何を学びどんな技術がこれからは必要なのか?。

我々教育者や研究者は様々な想定外を想像し、自らの役割に真摯に向き合わなければならない。と南は思っていた。

これ以上、社会の混乱や様々な悲劇に遭遇しない様にする為。

 人間本来の才能をより高く、より強くする為に!。これらを研究と教育で導かなければならないと強い思いでいた。

 その人間本来の才能とは、先を見通す先見力であり。様々な現象を想定出来る想像力である。

 更に言えば、正しい方向とは何かを突き止める仮説検証力とも言える。


 これらの様々な才能を結集し…


 これからの進む方向を描いた構想力の能力も高めなければならない!と認識していた。

 それが新たに新設されたイノベーション創造開発学部である。

 此処で学ぶ学生は1学年で200人。総勢800人となる。男女比は半々である。


イノベーション創造開発学部の教員は、様々な専門分野を極めた異色の教員達が集められていった。

心理学から理工学に社会科学から芸術及びデザイン学の様々な専門分野である。

 此処は従来の知識や技術等を吸収する場ではない。

様々な専門の知から新たな知や物事を生み出す学びの場である。

よって、これまでの固定概念は捨て。「新たな発想と智力」で何かを生み出す事だと強い信念を南は持っていた。

 南の専門分野である社会科学系は漫画家の様な先見力で新たな世界観を描く能力が求められると南は思っていた…。

 理工系の専門分野はある現象を解き明かす理数系の方程式等の理解は最低限必要不可欠だろうが…社会科学系(経済・商学・経営・情報等)の場合はこれまでの知識や統計分析等は出された「数値の意味」を勉強し認識出来たら、コンピュータソフトやAIで誰もが使いこなす事が出来る時代になった。(それは理工系も同じ状況になりつつある)

 出された結果をどう読み込み認識した上で…次のステージである新たな世界観(モデルや方程式等)を描く想像力や発想力が特に問われていると南は考えていた。

 南は10代の時から漫画家を尊敬していた。何故ならその人達が描いた空想の世界観が既に現実化したものが多いからである。

 まさに!先を見通す想像力と先見力に長けた発想だからである。

 ある意味、南には預言者さえにもその人達が映っていた…。


 日本人や日本社会及び政治、行政の全てに言える事だが…「発想の転換」がこの国では必要不可欠だと…南は様々な仕事を通して強く認識していた。

 それが日本人が苦手とする!問いを作り。その問いの答えを作る又は導くものである。

「南先生、昨日の先を見通す発想法の授業での宿題レポートですが、問いを作り、問いの答えを作る又は導くレポート提出は…その前の授業でやった課題解決の着眼点との連動何んでしょうか?」と授業終了後にゼミ生とその他の学生達から質問を受けた。

「その通りだよ。様々な課題が多い今の時代は、課題の本質そのものが見えずらい状況があるからねー。従って、課題の問いを自ら考え。その問いを解決する答えを仮説検証で作るか導かなければ解決策にならないだょ。社会は問いのない、答えがない事が多い。だから、自らの問題意識で解いて行くしかないだょ〜」と説明した。

「先生、明確なテーマかこの様なテーマと言うヒントがないと問いも答えも出せません」

「世の中は、出されたテーマなどないと思った方がいい。今日、尚更何が課題なのかさえ分からない時代になっている。だから、自分自身で問題意識を高めるしかないんだよー分かるかね学生諸君。とにかく、見つけて考えなさい。想像しなさい!」と伝えた。

「良く出来た学生には、発表も含め。成績も良い結果になると思ったらいいです」と含み笑いで南は発した。

「そうなー!ペーパーテストはないのですか?」

「私の授業は、暗記で答えるようなペーパーテストはないです!。あるのはレポートと発表のみか?又は社会で起こっている課題への謎解き答案だと思った方がいいですよ」

「南先生は、私達を困らせて楽しいでしょう?」と女子学生がにゃにゃした表情で言った。

「はい!皆さんを困らせるのは非常に楽しいねー」と言い。「悔しかったら困らないよう様になりなさい」と付け加えて…学生と一緒に大笑いした。

 授業中もこんな調子で笑う場面が多く。授業中に何か食べたり飲んだりする事も許している。

 何故なら、緊張せずにリラックスさせる環境を作りたいからである。

 ほとんどの学生達は、与えられた問いに正解を出す教育を受けて来た学生が多い。

でも!実社会ではそれは通用しない。特に、今の時代は何が正解で何を判断すればいいのかさえ。分からない時代になっているから尚更である。

問いと答えを作る能力がより重要となっている。


つまり、柔軟な発想と想像力に問題意識を持つ能力である。

 最近、企業や様々な団体・組合に商工会議所などから、「何が問題・課題なのかを!先生の力で解き明かして欲しいのです」と言う依頼が増えて来た。それが…今の時代なのかと思う時がある…。

 助手の櫻井里子から東京都庁知事室から南教授に電話が入ってると連絡が来た。講義中なので、代わりに要件を聞いて欲しいと伝えた。

「助手の櫻井と申します。只今南は講義中なので、私の方で承りますがどの様なご用件でしょうか?」

「東京都庁知事室の白川と申します。実は小幅知事より南先生にご依頼したい要件があり。お電話を致しました。1つ目は都庁職員の改革依頼です。2つ目は当職員と社会人向けの人材育成事業における講師依頼です。詳しい内容は、南先生と直接お会いして小幅知事よりお話ししたいとの事です。大変恐縮ですが、南先生の講義終了後にお電話頂きたいとお伝えして頂きますでしょうか。電話番号は〇〇〇〇迄です。小幅知事直通です」

「かしこまりました。南が戻り次第その要件を伝えます。但し、講義終了時間は午後15時頃になります。その時でもよろしいですか」

「はい、大丈夫です。小幅は今日は終日知事室にいますのでよろしくお願いします!」

 南が、講義終了後に研究室に戻り。助手よりその要件を聞いた。南は何故?都庁知事から直接私に依頼して来るのか?理由があるのかもしれないと思った。


「東帝大学の南と申します。大変恐れ入りますが、小幅知事にお取次お願いいたします」

「南先生ですか。小幅です。わざわざお電話頂き申し訳けごさません。実は2つの件で直接お会いして詳しい内容をお話ししたいのですが…先生のご都合はいつがよろしいでしょうか?」

「そうですね。来週であれば火曜日か木曜日の午後なら、今の所予定が入っていませんが」

「それなら、火曜日の午後15時でどうでしょう」

「かしこまりました。それでは来週の火曜日午後15時にそちらへお伺いいたします」

「大変お忙しい中、お手数をお掛けします。ではその時に…」

「何なでしょうねー。わざわざ知事が合って話したいとは?」と助手の櫻井が近づいて来て言った。

「そうだねー。都庁職員改革の依頼だから、慎重にしたいのかもしれないね。小幅知事は聡明な知事らしいので…」

「先生、聡明と言うよりは男勝りの行動派と言うイメージですけどねー私は…」

「そうか、男勝りの行動派ねー!そうだね。そう言うイメージがするね。確かに!」


 助手の櫻井里子は、南の副学長秘書も兼務していた。年齢は28歳。私立青成大学で博士号取得した頑張り屋である。助手になる前は私立東駒大学を出て民間の生命保険会社の秘書を経験をしていた。


明るく几帳面で機転が効く女性である。学長が南の教授就任の際に秘書&助手として採用したのである。

 小幅知事は南の政府関係の仕事について非常に感銘をしていた。特に、騙しのトリックに対して讃辞された。今の政府や官僚にはあれぐらいの事をしなければ日本は変わらない!と付け加えた。やはり、彼女は様々な改革がこの国には必要不可欠だと認識していた。

 其処で、政治と官僚機構は直ぐに実施出来なくとも!都庁なら明日からでも出来る状況がある。それは公務員改革とする稼ぐ公務員意識改革である。

 ただ税金を使うだけでなく。自ら稼ぐ意識になれば税金を使う際に無駄遣いではなく「成果と結果」を意識できる様になると信念を持って改革したいとの事であった。 

 これは内部抵抗と反発が予想される故。慎重に事を運ぶ必要があるとも話していた。それと同時に、都庁職員と一般市民への稼ぐ為に必要不可欠なスキルである企画発想と構想立案の教育をして欲しいと言われた。

 雇用促進や人手不足解消もこのスキルが身に付けば問題改善・解消に繋がると私は思っている。と伝えられその為には南先生の力添えがどうしても必要だと熱意と藁に縋る思いの心境さえも感じた。

 南はその場では返事せずに、他の仕事で、今立て込んでいる状況を説明し。一度持ち帰って前向きに検討する事だけを伝えて、その日は終えた。

 大学に戻る電車の中で、南は慎重を要する故に、知事は直接会って話したかったのかと、様々な事を想像していた。

 特に、いい大人の意識改革は非常に難しい。まして都庁職員や公務員は、大学教員と同じでプライドも高そうである。稼ぐ教育はしたとしても。果たして、いい大人の意識を変えるだけの事が出来るだろうか?。まして、都庁職員と言えども公務員である。

 頭が硬そうで柔軟性に課題が残る人達!。以前、政府関係でこの手の公務員達と散々仕事をして来た経験から、そう思っていた…引き受けるべきか?それとも今回は丁寧に断るべきか?南は迷っていた。


ただ。小幅知事が知事室を去り際に言った「南先生が埼玉県で行った地下空間都市構想計画には、私個人としてはそれを東京でやりたかったです。但し、東京は地下に鉄道があちらこちらに張り巡らされている状況では、より困難と課題が沢山あると思いますが…今後の首都圏直下型大地震と南海トラフ大地震によるインフラ破壊の大打撃と都民の人命を考えれと…避けては通れない!大プロジェクトだったと思います。先生のその行動力には大変尊敬していますし。また、その若さであの問題意識の高さと凄い想像力に裏打ちされた構想力に非常に私自身!感銘したと同時に。躊躇している時間はこの国はない!と改めて実感と反省をさせられました」と呟く様に言われたのが強い印象として残っている。

 南は、聡明で大胆で尚且つやり手の政治家だから、駆け引きで立ち去る際にあの様な事を言ったのか?。それとも!純粋な気持ちからポロリと出た発言と本音なのか?。その真意は分からないが内心嬉しかった…。やはり!彼女は政治家の中では、特に問題意識の高い人だと改めて認識する事になった。

 南は大学教員になって、これまで政府関係や官僚からの依頼された用件はことごとくく断ってきた。何故なら、イノベーション研究所時代で振り回されたあの状況を2度と繰り返したくなかったからである

 南は大学の授業でも教えている「成果と結果を出す企画発想法」で企画とは、企て(仕掛る)と計画であると伝えている。


要するに、何事も企て(仕掛る)が無ければ何も生まれない。常に、この世は何かを企て(仕掛る)る事が大事たと学生には伝えている…。

 その為に直観を大切にしなさいとも言っている。それはただの閃いた思い付きではなく。観察などを通した問題意識による直観であるとも。その直観が正しいのかどうかを仮説検証で真実に近づけ。その企画を具体的に実現するたの綿密な計画と先を見通す想像が後々ものを言うとも伝えている。

 小幅知事がやろうとしているのは…事を起こす企画(仕掛け)である。

 その際、反対勢力の行動を先読みした綿密な計画と落としどころの構想案を準備して置かなければならない。その構想が的外れになったら、何の「成果も結果」も出ずにただの時間と費用の無駄になる。

 その時、この企画をするかどうかの「直観=感性」が非常に大事になる。南は、その直観に非常に長けている面があった。

 今回の小幅知事の鋭い眼差しと先を見通す眼力を直観的に南は見抜いてい事から、この依頼は「成果と結果」を出す可能性はあると踏んだ…。

 南はいつもの様に様々な想像と構想案を頭の中で作り上げていた。後はそれを基に精度の高い仮説検証が出来るかであると思っていた。それが出来そうであれば…この依頼は引き受けても良いと思った。

 一週間後、南は小幅知事に直通電話で幾つかの条件付きで承諾の意思表示をした。小幅知事は全ての条件付きを認め。全て南先生にお任せしますと告げられ、その条件が認められた。


後程、今回の依頼及びこれらの条件事項を認めた契約書に知事承諾書を含めたものを同封して秘書より届ける事になった。

 次回の知事との打ち合わせは20日後に知事室となった。その時、今後の事もある故。櫻井助手と伊藤准教授も同行させる事になった。


上記の条件


1.都庁職員の意識改革を行う場合は、何が起ころうとも最低2年間は継続してこの事業を続ける事。


2.意識改革と同時に都庁職員の能力主義と実力主義の評価内容とガラス張りの評価システムを行う事。


3.意識改革にあたって、「方法論と権限」は私どもに一任する事。


4.このプロジェクトの「成果と結果」への責任は南教員だけでなく。小幅知事も同責任を負う事。その為に双方で納得の同意で慎重に進める事。


5.都庁職員と一般市民及び社会人の人材育成事業は、都庁職員のみ分けた事業推進とする事。


 以上の条件はあくまでも「成果と結果」を見据えた同意事項である。

 実行にあたっては、一切の妥協を許さない姿勢が望まれる故。この様な取り決めに同意する必要がある。


「南先生、都庁小幅知事の依頼を引き受けるのですか?。大丈夫でしょうか。また、以前の様に振り回されて大変な目に遭わないでしょうか?」と伊藤が心配そうな顔で質問した。

「私も心配です。以前の事は分かりませんが…小幅知事は信用出来る方なんでしょうか。彼女は身勝手な自由思想党に居た政治家ですよねー。そんな人を私は信用出来ないです。あの人達は、自分の非を絶対認めず。他人のせいにし逃げる人種だと思います。今は知事でも!元自由思想党の幹部ですよ。南先生!気をつけた方がいいですよ」とすかさず櫻井が呟いた。

「私は、これまでの政府関係や官僚とは小幅知事はちょっと違うと思っている。彼女と会って、彼女の目と表情から直観でこの人は信頼出来ると思った。それと公務員改革はやらなければならないものだと思っている。この国の事を考えれば…。小幅知事が言う通り、都庁職員の意識改革をして稼ぐ職員の意識になれば、これまでの税金の無駄遣いは無くなるかもしれない。それとこれまでの悪式慣習や公務員文化がなくなる見本が作れたらと思った。これは、誰かがやらなければならない事だと思う」と南はすかさずそう応えた。

「そうかもしれませんが…公務員改革を南先生がやらなくても。国民の代表である政治家の誰かがこんな難儀な事をやればいいですよー。その為に、我々は様々な税金を払い政治家を雇っているですから。それに、女性は目も表情もいくらでも演技が出来るですよ…先生。特に、小幅知事はそう言う事は朝飯米だと思います。何故なら、強かな女性のイメージがありますから南先生気をつけた方がいいですよー」と櫻井が三毛にシワを寄せて言い放った。


「櫻井さんの気持ちは良く分かりますけど…こちらにいる南先生は、その事を良く認識している人なのよー。彼と色々な仕事をして来たから、既に様々な想像力で考えて、あらゆるケースを仮説検証でこの先を見通して居ると思うわ!。何故なら南先生は天才であり、宇宙人だから!。笑 要するに…あらゆる事を見通す超人的な直観力を持つ宇宙人だもん!様々な事を冷静に分析して確信を持っているのよー。心配要らないわ。また、今の政治家達には何も期待しない方がいい!彼らはドロボー猫よ。それもタチの悪い詐欺師同然だかねー」

「私も政治家は詐欺師だとつくづく思います。特に、自由思想党議員は。彼らに何一つ期待していませんが…。そんなに南先生って凄い人なんですねー!噂は色々聞いていましたが…宇宙人ですか?。未来が予測出来る方なんですねー南先生は…」櫻井はアー然とした表情で南を見ていた。

「伊藤先生!宇宙人は酷いなぁ〜。笑 」

「だって!そうだもん。櫻井さん、一緒に仕事をすれば…分かるわよー!南先生は宇宙人だと…」3人で大笑いをした。伊藤は、南とまた一緒に仕事が出来るのが非常に嬉しかった…。

 南は、研究室に戻りいつもの様にデスクでホットコーヒーを飲みながら、ぼんやり都庁職員の事を想像していた…。

 都庁職員は、さぞかしいい大学を出て決まった仕事を毎日こなす状況だろう。母校文帝大学の同級生にも数人の地方公務員になった人がいる。此間久々に飲んだ時。毎日がルーティンワークでつまらないとぼやいていた事を思い出した。


郷土の沖縄でも母校の大学OB会に出席した時。県庁職員で部長職の先輩から、職員には難関大学出も多いが三分の一は高卒者だと聞いた。

 友人から地方公務員(市役所職員)は勤務年数で給料や階級が上がるので、大卒者より高卒者の方が給料と階級が高い人が多いとも聞いたことがある…。

 東京都庁職員も同じ状況があるのだろうか?。地方は財源が厳しいが。東京都庁は一つの国と同じくらいの財源があり、膨大な黒字とも聞いた事がある。

 職場として学生からも人気がある。特に安定した職場として人気が高い。民間の様にギスギスした競争もなく、福利厚生も非常にいいらしい。難関大学の安定志向が強い学生から、人気が高いのも分かる様な気がする。特に今の学生は生まれた時から不景気な世の中しか知らない故、尚更でもある。また地方と同じ公務員故。高卒者もいると考えられる…。

 公務員は定年60歳だが、その間終身雇用制や年功序列制で高い報酬が保障されている。また、定年後の年金も平均月-35万円位はあるらしい。民間の厚生年金ならせいぜい月-20〜25万円位。自営業が加入している国民年金なら、月-4〜5万円か高い人でも7〜8万円位だと聞く。

 公務員とは、福利厚生や年収も含め非常に恵まれていると言えよう…!。

 南は周りから聞く。公務員(都庁も含め)の現況を様々な点から想像をしていた…

 その人達の「お金を稼ぐ」意識改革か?…。ある意味!税金を使う事しか知らない人達が…どう改革?をするかである。


南は二つの部屋がある。一つは副学長室ともう一つは自身の研究室である。事務作業以外は自身の研究室で作業をしている事が多い。助手兼秘書の櫻井は副学長室の秘書室にいる場合が多い。

 南は何か質問をしたり、用事を頼む際は内線で頼んでいた。


「櫻井さん、一つ質問をしたいだけど…」

「何でしょう!先生」

「櫻井さんから見て。東京都庁職員は恵まれていると思う。どんなイメージがある?彼らに…」

「そうですねー!よく知らないですが…誰もが思うイメージは、あらゆる面で非常に恵まれているイメージですかねー。例えば、定時で帰宅し給料やボーナスは非常に高く。尚且つ住宅手当や保養施設の利用などの福利厚生にも恵まれているイメージです!。また、いい大学を出てプライドも非常に高く。ネグラが多い人達ですかねー。笑 それと…安定志向で覇気がなく。仕事には、やり甲斐を求めず、もっぱらプライベートに夢中になっている人達のイメージもあります」

「余り、いいイメージではないね!」

「もちろんですよー!。税金でぬくぬく生活をしている人達ですよー。そんな人達に、一般人はいいイメージなどはさらさらないと思いますよ。先生!」

「非常に参考になりました。ありがとう!櫻井さん」予想通りの意見だった。時に、税金で苦しみられている庶民からすれば、この人達は悪代官にさえ見えるのだろうと想像した…。


 では、都庁職員にどの様な意識改革をするか?である。その方法の一つはコストへの意識。


 例えば、再生エネルギー(風力、地熱、太陽光等)があるが、日本は実際に持ている資源を活用していない。それは、再生と言う意識が非常に低いからである。


再生=コストと言う意識が低い。あるもの再利用すれば自ずとコスト意識が高まるのに、そうしていない。スーパーは一円でもコストを下げて利益を高めよとする。儲かるとは売上を上げる事だけではない。儲かるとは利益そのものである。

 利益とは、ブランドと言う意識もある。それは、都庁と言うブランドだけでなく。都庁職員の個人ブランドの意識も儲かる事になる。

 都民の税金だけを当てにするだけでなく。職員が出来る事を当たり前にやる事である。人件費をカットしたり。職員の人数をカットしたりのコスト削減ではなく。前向きな姿勢によるコスト削減である。

 これは既にやっているかもしれないが…儲かる、金を稼ぐ意識に基づいた無駄な経費削減ではないのかもしれない。

 一人一人が個人商店の経営者として、自らの業務をどう改善し再利用の利益を上げるかと言う意識改革である…。

 利益とは売上高を上げる事とコスト高を下げる事である。ある資源を最高に活用し、要らない無駄と時間をカットし利益を上げるその意識改革に尽きる。

その成果・結果及びチャレンジに基づいた評価システムと報酬体系とする!能力主義・実力主義の組織風土にする事である。

 これに見合わない!慣習や文化の意識は無くして行く事である。やり甲斐と自らやった事が報われる組織風土と意識向上の職員意識改革である。

 稼ぐ職員の発想で、資源と個人ブランドのコンサルティング活動も挙げられる。

例えば、都周辺の民間企業のコンサルティングサポートもその手っ取り早いお金を稼ぐ方法の一つである。その為に、職員一人一人にコンサルティングノウハウを身に付けさせる。 

更に、企画支援コンサルタントや財務コンサルタント、ブランドコンサルタント、イベントに行商に様々な売り物が作られる。全てが人の活用と言う再資源を生かす意味である。

「南先生、今回も都庁職員に騙しのトリックを使うのでしょうか?」と小幅知事が真剣な眼差しで聞いてきた。


「いや。今回はそれは必要ないと思います。それよりは、今の社会情勢や温暖化による危険をどの様に避けるのか!その背景を説明し。ある意味、危機意識を高めると同時に1人1人の行動を促す…思想の根を植え付けるやり方をしたいと思っています」と南はさらりと応えた。

「思想の根を植え付けるですか?」小幅は勘の鋭い人なので…ピンときた様な表情になった。

「はい、そうです」

「それはいいですねー」

「職員一人一人が主体的に行動する環境作りをしたいと思っています。その環境から…やらねばと思う心境を駆り立てた危機意識も含めた思想の根を植え付けるのです」

「強行に改革を進めると反発する職員が多いですからねー。自然に仕向けて行くやり方ですねー。それは実に理に適ったやり方だと思います」とすかさず、小幅は返事をした。


「それでも!反発する職員はいるでしょう。改革とはそう言うものだと思います。良い居心地を壊したくない心境は誰でもありますからね。ただ、このままだと危ないと意識を植え付ければ…1人でも変えなければと思う人が出れば次第に改革の輪が広がると思います。何故なら、1人の改革思想から変えなければと言う思想の輪が広がるものなんです」

「仰る通りだと思います」





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