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12.新たな可能性への探索

南は、イノベーション研究所の所長代理(役員待遇)で職に着いた。年収は5000万円。本来なら戦略企画部で4月から部長代理に昇格する予定であった。年収は3500百万円。新天地で1500万円高くなったと言える。南は年収や立場より、やりたい事が此処にあったから新天地を選択したのである。

 新田所長はヘッドハンティングされたのは37歳。その時は南と同じく所長代理(役員待遇)で年収7000万円であった。それから5年が過ぎて42歳で、代表取締役所長に昇格した。年収は1億を越えている。日本では高額な金額と言えばそうだがこの業界ではそうでもない。海外の研究の世界ではザラなのである。日本でも広告代理店のクリエイティブでスター級のクリエイティブディレクターの年収が1億円に到達した人も現れている。

 南のやりたい事は、2年前の政府関係での循環型社会に於ける様々な循環型仕組みやシステム開発のイノベーションである。

 暮らしと企業の生産性には、密接な関係がある。今の激動の社会ではより「循環型」が大きなキーワードとなっている。

 つまり、無駄のない効率的な生産性を生み出す繋がりの循環型である。それが実現してこそ持続化社会だと言える。しかし、今の現実の社会はあらゆる点でバラバラに動いている。そのお陰で非生産であり、沢山の無駄が生じている。


 その1つがゴミ問題であったり、水不足や食糧不足の問題にも連鎖し続けている。また、突然の自然災害がいつ何処で起こるか予測不能に陥っている。その災害から誰もが身を守る事や防災強化する面での一連の循環型システムの開発が急がれる目の前の問題だとも言える。

 これらの問題解決に、生活そのものの一連の循環型による「新たなコンパクトシティ」の効率性と防災性を兼ね備えたシステム開発のイノベーションを起こさなければと…南は強い問題意識を持っていた。

 世間では、イノベーションは企業や商品開発に使われる場合が多い。しかし、今日の異常気候では、暮らしそのものの在り方や社会システムそのものを変えて行かなければ、人類そのものや人間社会自体が立ち行かない事態になりつつある。南の先見力や洞察力はこの問題の先を既に想像していたのである。その眼力にいち早く気づいたのがイノベーション研究所の新田所長だった。

 新田は、彼の優れた先見力と想像力に、精度の高い仮説検証力に下を巻く程の才能と人間力に。既に脱帽していたのである。


南はいずれ遅かれ早かれ、人間は地上では生きられなくなると仮説を立てていた。人間の暮らしは大胆にゆくゆくは上空か地下に新たな都市開発を作らなければならないと考えていた。

 何故なら、荒れ狂う自然の猛威で様々な我々の社会インフラは破壊され。尚且つ食糧である様々な穀物や水さえもが失い。人類の存続さえ脅かされる事を、既に仮説の素で想像していたのである。それが後、何年後か何十年後にそうなるか分かり兼ねるが…いずれにせよ!早急にその構想を実現しなければならないと!生まれてくる子供達の為にもその使命感に燃えていた。

 その1つが実現可能な地下コンパクトシティ構想である。大型ハリケンや大型竜巻に大津波や大洪水に、更に火山噴火と大地震などから守る地下構想は、超大型洞穴や地下超大型シェルターの様なもの想像していた。


 其処には、水も食糧もエネルギーさえもが充分に確保された循環型システムが整備されて居た。特に命とも言える酸素や水は、上空や海水等から適切に濾過された循環システムで不純物がない空気と生水になる持続化社会を目指していた。

 更に、酸素と水に人間などの排出が循環型システムで繰り返される効率と無駄を取り除いた。まさに!理想とする地下空間コンパクトシティ構想を…南は既に描いていたのである。

 彼はまさに!救世主そのものなのかもしれない。要するに!正しい方向に導く人そのものである…。

 つまり、あらゆる全てが循環共に生まれ変わる無駄のない暮らしの循環型地下コンパクトシティ構想である。

 これは、全ての人が「支え合い、助け合う」新たな夢の都市構想モデルの実現を想像していた。其処に行き着く様々課題解決を、南は目指していたのである。

 世の中は善人や正しく人を評価する人ばかりではない。多く人は嫉妬から来る恨み辛みや誹謗中傷が多い。南も例外ではない。


特に、正義感の強い南は尚更風当たりが強くなるのが…サラリーマンの世界なのかもしれない。いわゆる逆恨みである。


 心無いダメ社員から、妬みに近い南叩きもあった

「アイツは社長や常務のコネで入社でき。あの若さでここまで出世したのでは?とか。あの三流大学出でここまで出世したのはおかしい?何かあるのでは…」と陰口を叩く人もいた。

 その様な陰口を聞いた。南をよく知る戦略企画部の塚本や伊藤及び部下達は、「何を言っているのよー!南課長の能力や実績を知らないの?。貴方達にとやかく陰口を叩かれる筋はないわ。恥ずかしくないですか!貴方達は。自分の能力の無さを恥じるべきだ。哀れな人たちねー貴方達は」と特に伊藤愛はこれらの陰口や誹謗中傷を聞いた時。激しくその人達を罵った。

 南を良く知るものは同じ状況で叱りつけたり。時には伐倒に近い言葉で容赦なく浴びせた。



これその時、一本の電話で新田代表が慌てて出る所だった。


「どうしたんですか?新田代表」

「今、伝播Pの和田社長に役員会議の席に来てくれと呼び出しが来たんだ!」

「えー!何かあったですかねー」と南は心配そうに新田代表の顔を見た。

「さ〜何だろうねー?君は何も心配しなくていいから。その状況を帰ってから話すから」と言って、慌てて出ていった。


 思わぬ事態が起こった…

は、営業局や他のセクションに役員間でも度々あった。

 しかし、南はそんな事を全く気にもかけなかった。彼にはそんな誹謗中傷に関わっている暇などなかったと言った方がいいかもしれない。それと彼の度量の広さと器の違いが歴然とあった。

 彼は常に、新たな目標を見つけて一心不乱に突き進んでいた。人間とはそう言う人もいる事を以前から認識していたからである。

 南のモットーは、何事も一生懸命にやる!生きるであった。後悔しない生き方を常に心掛けたのである。

 以前、2度の挫折を経験したお陰かもしれない。それは、受験と就職である。そのせいで周りに流されない。主体的に生きる事を心掛けていた。それもあり、会社で愚痴や僻み根性を持った事がない。

 これは和田社長や中野常務に塚本部長と今年4月から昇格した伊藤課長補佐に営業局の木村部長と今年4月から昇格した田中係長と本郷主任の共通姿勢だと言える。だからその人達は周りから羨ましがれる出世をしていると言えよう…。また、研究所の新田所長も同じ事が言える。


 今や、南を良く知る者達は…彼の「問題意識」の高さや課題解決の「行動力」に、その凄さから尊敬の念さえ彼に抱く人は多かった。

 自ら自信のある人とは、他人の陰口や恨み辛みは決して言わない流儀を持っている。寧ろ!相手を褒め称える度量と器さえもあるのが一般的なのかもしれない…。

 今年の4月から南は東帝大学特任教授(任期なし非常勤)と母校文帝大学特任教授(任期なし非常勤)として両校で授業(其々各週1回)をする事になった。

 また、新たに塚本部長の母校である筑紫大学の科学技術研究所の特別研究員を塚本の口利きでやる事になった。特別研究員は決まって日程ではなく。研究者として論文作成や発表を年1回すれば良い状況であった。又は其処の研究者や教授と共同研究や共同論文と発表でも良かった。

 特に、南は研究所の研究員や教授と共に循環型システム開発と地下空間コンパクトシティ構想実現のイノベーションと実現の研究及び難題解決に力を注いでいた。


時には恩師の力を借りたり。東帝大学の教授の力を借りたりしながら…様々な共同研究をしていた。

 この研究の「循環型システム構築モデル」は、当社イノベーション研究所のテーマである「企業利益循環型システム開発」にも応用出来るイノベーション研究でもあった。所謂一石二鳥の研究テーマであった。

その研究に費やした日数は3年。その間、南とまゆは結婚し西荻窪で結婚生活をしていた。住まいは、10階建の新築分譲マンション5階の4LDKを固定相場の住宅ローンで購入した。価格は6500万円で頭金3000万円の30年ローンである。2人はボーナスなどのまとまった金額で、出来るだけ早く返すつもりでいた。2人の年収は、南が今年4月からの大学や特別研究員の年収を加えると8000万円を超えそうである。

 また、昨年からまゆはチーフに昇格し600万円で合計約8600万を超えである。当然、キャッシュで買っても良かったが先を考えて貯金にする事にした。2人は倹約主義で、全く浪費家とは無縁の存在だった故。貯金は既に2億を超えていた。


 このマンションは駅まで徒歩7〜8分で周りに公園や小中学校がある恵まれた環境でもあった。まゆが一目で気に入って購入したのである。新婚旅行は、フランスと北欧の8泊12日間の旅行であった。

 南の両親は東京に永住する事に全く反対をしなかった。「お前の人生だから、お前が決めればいい。父さんも母さんも鼓太郎が決めた事に賛成だから」と言うだけであった。両親は東京の大学に行く時から、そう決めていた。

「男たるもの!主体的に生きろ」が両親の教育方針だったからである。

 特に、年1回は鼓太郎の実家である沖縄に帰省する事を2人で決めていた。まゆの両親もまた、いつ沖縄に帰って其処で暮らしても構わないと思っていた。特に、父親は沖縄に嫁いだら沖縄にちょくちょく遊びに行ける思惑もあった。沖縄にも大学があるから、鼓太郎は其処で研究と教育をすればいいとさえ思っていた。

 結婚生活は、共稼ぎで家事は分担。どちがどんなに忙しくても!週末は2人で過ごす事を決めていた。南は彼女の仕事に非常に理解を示していたが…まゆの父親は、まゆは早く仕事を辞めて家事に専念することを実家に行く度に小言の様に言われていた。

             

「また!お父さん、その事を言う。姑が嫁をいびるのと一緒よー」眉間にしわ寄せてうるさい!と言う顔でまゆが言い放った。

「鼓太郎君は、今、ドデカい研究をしているのだよー。その環境をお前が作らなくて、どうするだよー。なあー鼓太郎君」

「まゆは充分過ぎる位環境を作り。僕を支援していますから、私は大丈夫です」

「そうか?…それならいいだけどね!」

「ほらー鼓太郎もそう言っているだから、酔ったらその話はもう!辞めて」

近くにいる母は、この会話を聞いていつも含み笑いをしている。また始まったと…。


「鼓太郎さん、ごめんなさいね!うちの人は酔うとこの話が出ることを。それだけ、鼓太郎さんが可愛いでしょうね。それと娘を甘やかして育てた事に申し訳ないと、うちの人は思っているでしょう」

「とんでもないです!お母さん。彼女のお陰で、今、研究と教育が出来ているので、彼女には感謝しかないです」といつもまゆに感謝している事を素直に話した。

「ほら!母さんまで…私がまるで悪女のように言わないで」

「ごめんごめん…そんなつもりはないのよー」

と会話が盛んになる頃。酒が強くない!父親は傍で程よく寝込んでいた。いつものパータンである。


  妻のまゆから…


「最近、大学の授業や研究はどうなの?。思う様にはかどっている?」

「そうだねー!まあまあだね。学生への授業は学生との討論形式で様々な発見があり、楽しいよ」

「そう楽しいだったら、良かったわー。所でどんな発見があるの?」

「疑問や質問が増えた事かなぁ〜。例えば、何故?日本の政治はそこ迄堕落しているでしょうとか。財政破綻する前に、我々若者は海外に移り住んだ方がいいですかねーとか。先生はこのまま日本にいるでしょうか?とか。などなどの日本の現実を問う質問と問題意識が高まった様に思う」

「へ〜え。今の学生は将来にかなり不安なんだろうね〜。私達の頃もかなり不安だったけどねー!この国には…」

「僕は絶望的だったけどねー」

「絶望的?確かに、希望は見出せなかったけどねー。絶望的か…で、今はどうなの…」

「今も変わらず絶望的。だから、研究を色々しているだけどね!。自分の手で、その絶望感をかき消して希望感が持てる様、この社会を変えたいねー」

「この国や社会は変えられるの?。政治屋たちがあれでは変わらないでしょう」

「政治屋たちに任せていたら、この国は沈没するだけだから、自分達で変えるしかないでしょう。例えば、僕がやった循環型コンパクトシテイの様に!」

「あれは!最高の企画だったねー!。騙しのトリックか?。うちの社でも、あの企画は絶賛だたわよー。まさか!政府と官僚を見事に騙しただもんねー。まさに国民の為の対策だったわ!。今の研究もまた!騙すの?」と微笑みなからつ込んできた。


「いや!騙すのではなく。どちらかと言えば…無視して進めるやり方かなぁ〜」

「え…今度は無視するだ。やはり!あなたは天才だねー」と言って大笑いをした。

「学生にも、例えば政府や行政を!騙したり、無視して自分達の手で変えれば…希望の持てる国と社会になるかもよーと伝えたけどね。例えば、あの循環型社会の企画内容を話したり。今、研究している地下空間循環型コンパクトシテイなどの例を上げて話したけどねー」

「でー!学生の反応はどうだった。さぞかし、びっくりしていたでしょう。所で地下空間の街って出来るの?。信じがたい話だけど」

「確かに、驚きとどよめきがあったけどね。それは出来るさぁ〜。正確に言えば、何とかしなければならないと言う事かなぁ。特に、地震だらけで自然災害が多い日本は、やらなければ沈没するだけだからね!」

「流石!導く人は違うねー。そうよーこの日本社会を助けてよ。あなたの力で。前回と同じく、うちに特集組ませてね!」と微笑みかけた。

「こら!また僕を利用する。自分の手でスクープを取ったら?」

「夫婦でしょう。利用出来るものは何でも利用しなくちゃ…。でも!迷惑になる事はしないわ。前もそうだったでしょう。私は真の編集者よ!。人が迷惑になる事は書かないし。まして愛する旦那さんはより特別よー」とはぐらかす様に言った。

             

「話は変わるけど!…今の政府や行政は酷いねー。国民に税金などの負担ばかり、押し付けて自分達は何よ!裏金とか利権絡みの私服を肥やす事に目が行き。私達の生活には全く無関心。挙げ句の果ては…必要ない事に我々の税金をばら撒きの何の効果にもならない無駄遣いをし続けている。これでは、この国は益々借金を積んで沈没するのは当たり前だわ!。若者がこの国と社会の在り方を心配するのは…当たり前よー。私でさえ!この先が心配だもの。

 特に、福祉や医療と介護なども国民の税金負担ばかり増やす割に、未だに抜本的な改善や解決には程遠いでしょう。何なでしょうね!まさに、政治や公務員は税金泥棒ーと国民は多いに非難すべきよー。国民が黙っているから、我々の税金で生活をしている人達が改善や見直しを真剣に考えないのよー。ある意味!全て、国民が悪いのよー。私はそう思うだけど!鼓太郎はそれについてどう思う?」

「まゆは!相変わらず…政治と行政に厳しいねー。主婦の視点からなのか?それとも現実の発想から来ているのか?。いずれにせよ!まゆが言う通りだと思う。まゆの様に、これはおかしい!と問題意識を国民は持つべきだねー。ある意味!政治屋と特に官僚達は、国民を舐めているねー。特に、今の政権は…。こんな連中に何を言っても悪式慣習に縛られている故。

 何も変わらない!何も生まない!と思うしかないね…。選挙で今の政権の議員達を根こそぎ落選させない限り。その事に触れた!東帝大学の学生がいて。これまでは官僚の道で、ここの卒業生はキャリア組だと言われ。其処に行く事を当然の様に行く人がいるけど!私は真平ごめんだと思っています。と発言する其処の学生が増えたと思う。


それは、大変いい事だと思うと同時に。官僚機構に入って大改革をして欲しいと思う気持ちもあるので…残念な気持ちもあるので、複雑な心境でその学生達の意見を聞いていたけどね…。

 要するに…待っていたら物事はなにも変わらないどころか、益々酷くなるばかりだと強く認識しなさい!と言い続けている。

 つまり、まゆの様に常に問題意識を高める姿勢が我々の生活が良くなる方向に改善する事だねー。その為の行動が1番だと言うことだょ〜ねえ、まゆ!」

「そうね〜問題意識は大切だよねー。私は鼓太郎と付き合い始めてから、様々な問題意識が出たと思うわ!。つまり、鼓太郎は導くのが上手いのよー。問題意識が湧きあがれば…それを調べ様と思うも。それが大事よねー。それでこうなるのでは?と仮説を立てて行動をする。それで、私は編集部の主任になれた様な気がする。それにコラム担当になれたのもあなたのお陰よ。感謝しているわ。やはり、あなたは教育者向きなのよ。この国の為に、若い人を多いに導いて」

「主任とコラム担当はまゆ自身が頑張ったお陰だよ。そう言えば、今どんなコラムを書いているの?連載!それとも単発?」

「タイトルは、街角日記と言う連載物だけど。内容はその都度の単発が多いかなぁ〜。読者も増えてきて。掲載の期間が増えて来たの。これで内容が溜まったら、次は書籍にして出版も考えているわ!」

「へ〜え。作家誕生だねー」

「あなたも、これまで大学で講義した内容を出版すればいいのよ!。大学教員は、そうやって出版している人が多いのよー。うちの父もその1人だけど…」


「またー!直ぐに利用しようとする…」含み笑いでまゆの顔を見た。

「そうじゃ〜ないわ。失礼ね!。純粋にそう思ったの。その本で導かれる人が増えるでしょう。学生だけでなく。一般の人も。例えば、鼓太郎は専門書ではなく。エッセイ見たいな読み易いもので、この国や社会の問題意識を高めるものにするとか。それも社会貢献だと思うわ。どう?」

「そうだねー。考えて見る」

 まゆは、私の良きパートナーであり。良きマネジャーだと常日頃からそう思っていた。エッセイか?問題意識を広めるにはいいかもと…南は思っていた。

 イノベーション研究所で、南は所長代理の役員待遇とあって今や広々とした個室と秘書付きの待遇で仕事をしていた。

 突然、秘書から南所長代理!今、戦略企画部の真壁さんと言う方から電話が入っていると伝えられた。

南は真壁?。どうしたんだろうと思いながら電話をとった…

「はい!南です」

「南所長代理、大変お久しぶりです。戦略企画部の真壁です!。私の事を覚えていらしゃいますか?」と緊張ぎみに伝えた。

「そりや〜良く覚えているよー。もと部下であり。母校の可愛い後輩だからねー。どうしたの?突然、電話が来たからびくりしたけどね!。何かあった…」

「ありがとうございます!。突然の電話失礼だと思いましたけど…南所長代理の声が聞きたくなったので…電話しました。特に、何かあった訳でもなく。何もない故、最近南課長の事を思い出す事が多いですよー!。伊藤課長補佐もそう言っていました」

「そうか〜私の事を!嬉しい限りだねー。ゆっくり話したいけど…これから会議があるので、今日いつもの所で久しぶりに飲もうか?。その時に、ゆっくり話しをしたいねー。何か用事がなければだけど…」

「ホント!ですか。用事はないです!。是非ご一緒に久しぶりに飲みたいです!」


 2人は以前良く行っていた居酒屋に19時に待ち合わせた。南は34歳になり。真壁は26歳になっていた。現役で母校の文帝大学に入学し、4年前に電博Pに入社した。1年は南の下で働いていた。


「南所長代理から、飲みに誘われて嬉しいです」

「やぁー久しぶり!真壁君、元気にしていた?。私が移動して3年になるから、3年ぶりだね。相変わらず忙しいじゃ〜ないの」

「それが…南所長代理が移動になって、内の課は覇気がないと言うか。あの頃より忙しさが半減しました。伊藤課長補佐もあの頃が楽しかったと良く愚痴をこぼす様になりました」

「伊藤さんが…そうか?。営業から仕事が減ったの?」

「はい。営業からと言うより。全体的に減ったと思います。営業と一緒に行ったクライアントさんから、もう南課長はいないだょねーと言われ。寂しくなったねーと必ず言われますから。やぱり、大打撃だと思います」

「そんなに…。それは悪い事をしてしまったねー。真壁君、それからもう君の上司じゃないから、これからは南さんと呼んでいいよ。君は可愛い後輩だから、所長代理は堅苦しくてどうも!性に合わないから」

「そうですか!。それでは、今後は南先輩と呼ばせて頂きます!」

「それがいいねー!」

「所で先輩!。内の方で何か手伝う事はありませんか?。夕方に先輩と飲みに行く話を伊藤課長補佐や廊下のすれ違い様に塚本部長にその事を話したら。2人とも何か手伝う事があれば、気軽に声をかけて欲しいと言っていました」


「そうか…塚本部長や伊藤さんが。それは有り難い。しかし、今の所は特にないけどねー。いずれ応援要請をするかもしれないけどねー。その時は、是非!よろしくお願いしますと、私が言っていたと伝えて欲しい…。これから、あるプロジェクトを立ち上げ様と思っていた矢崎なんだよ。実は…。ただ、極秘に動いているので誰にも今は言わないで欲しいだ」

「それは何ですか?。極秘とは…差し支え無ければ話してください!」

「う…そうだね!今言える事は、あるグランドデザインを描いている最中なんだ。それが出来て、マスタープランに落とし込んだ時。このプロジェクトが何で、どの様な手伝いをして欲しいか、話すねー。今は出来ないけど」

「そんなに?極秘扱い何ですか」

「まぁ〜極秘と言えば極秘だけどねー。ただ、今は邪魔が入らないようにしたいんだ」

「邪魔とは?」

「政府関係者に!」

「そう何ですか?。また、政府関係の仕事ですか。しかし、南先輩!あれだけあの仕事のお陰で、様々な成果や結果を残したのに、政府関係者が邪魔しますかね?。私には感謝されても!邪魔はしないと思うですけどねー」  

「あの連中は、利権絡みがある為にそれが侵されそうなら、激しい抵抗と妨害する人達なので…信用は出来ない!。あの時もそうだったじゃ〜ない。正しい事とか理にかなった事でも…全てが心ある人ではないからねえ〜。寧ろ心の無い人の方が多いのかもしれない。全てが自身の損得勘定で動く政治屋が、今は多いと思うから慎重にやらざる得ないだょー真壁君」

「今から、何かワクワクして来ました。やっぱり先輩の仕事は楽しいし、やり甲斐がありますねー。その時は、全力でお手伝いさせてください!」


「そうか…その時は頼りにしているよ。流石、私の後輩だ!」

「はい!先輩」


 久々の先輩後輩の飲み会故。話は尽きなかった。南は楽しい時間と癒しの時間にもなった。ただ、自分が抜けた戦略企画部の事も心配にもなった。今、取り組んでいる研究と企画でお世話になった戦略企画部への恩返として、真摯に考え様と思った。

 世で言う。出身大学や学校の先輩後輩の絆が強くなるのは当然かもしれない。但し、それは誰でもいいのではない!。出身大学だからと言え、えこひいきは周りのやる気を限りなく落とす事になるからである。あくまでもその人の適正と能力に、その人の人間力で総合的に判断し、評価をすべきである。その評価でその人の出世や入社を決定すべきである。

 真壁は南にとって出身大学の後輩だが、彼には厳しく指導もした。真壁は先輩の期待に応える彼なりの努力が見えたから、可愛いがり信頼をしたのである。南は、そもそも何処の大学出と言う事

には全く関心がなかった。彼は常にその人そのものを直観や観察で見極めようとしていたのである。

 特に、ビジネスは感情論では必ず失敗する。まして偏った見方や思い込みで良くなったケースは少ないと彼自身が身をもって認識していたからである。


何事も、その人を見て判断すべし!である…。


いよいよ地下空間都市構想のプロジェクトが動き出した…


 グランドデザインを作成する上で何処に作るかの場所設定に時間が費やされた。日本は地震大国故に慎重に場所選択をしなければならない。東京は何層に跨る地下鉄が走っている。

 つまり、地下空間を作るノウハウと技術が東京には集まっている。東京に近い場所が最も有力な候補地となった。東京に近く。尚且つ広い高野がある「さいたま県」にモデル予定地として決定した。

 グランドデザイン名は仮「地下未来空間-コンパクト最先端都市構想案」とした。

 南が作成したマスタープランに従って最先端技術と最先端都市計画。最先端地下空間構造計画。最先端様インフラ整備。最先端地下交通計画。最先端自然エネルギー計画。最先端植物工場計画。最先端医療福祉計画。最先端ドーム建設計画。などなどの最先端科学技術を駆使した壮大な構想のプロジェクトが動き出した。

 地下のメリットは、今日地上は気温さが世界中寒暖さが毎年の様に酷くなっている。-60℃もあれば+70℃もある地域さえある。それに比べ地下は寒暖さが少なく。平均20℃と安定した気温で暮らしやすいメリットが非常に高い。後は、電気の自然エネルギーをどう取り込むか?。水や太陽光をどう取り込むか?。などの課題は色々あるが、今日の地球温暖化による気候変動を考慮すればやらざる得ないプロジェクトである。

 また、この地下都市はある意味!少子高齢化が進む人類の希望-救世主になる画期的なプロジェクトでもあった。


 オーストラリアやイタリアなどのヨーロッパ諸国には、地下家が現実にある場所がある。その報道で、地下は涼しい家庭環境がある。ただ、都市空間となるとどれだけの地下に都市を作るかの課題もある。日本は鉄道を通す海中地下トンネルさえ、これまで実現した実績が数多くある。それ故、不可能ではない。

 さいたまのモデルケースを基に、ゆくゆくは全国の至る所に建設する予定にした。また、海外への日本の構想企画や技術のパックで外貨を稼ぐ絶好の都市計画産業でもあった。日本は既に鉄道産業や新幹線開発技術で海外へ外貨獲得の実績があった。その第2バージョンの位置付けである。

 更に言えば、中国や北朝鮮のミサイル攻撃にさらされた日本は国民の命を守る意味でもこの構想計画は必要不可欠だと南は思っていた…。

 予算は国家プロジェクトの位置付けの予算となった。過去の国土計画に類似するものである。

 南が総合プロジェクトリーダー(統括官)として指揮し。新田所長が最高責任者(代表)となった。イノベーション研究所の3分の2の研究者がそれぞれの専門役割で付いた。また、伝播Pの戦略企画部や営業局1課も南の要請でそれぞれの役割をする事になった。

 南の信念は…何事もやって見なければ分からない!。何事もチャレンジであり、チャレンジをしなければ生き残れない時代だと思っていた。

 伝播Pの関連会社-株式会社イノベーション研究所は、社員数が600名。平均年齢が35歳。平均年収-2000〜3000万円。完全能力主義、実力主義。社員は完全個室体制。勤務時間-各自の変動時間制(勤務時間の目安-7時間)、週休2日制。福利厚生は社宅あり。長期休暇制(平均1ヶ月間)。育児休暇制。日本各地に別荘環境整備などなど。平均学歴は修士号マスター博士号ドクター。主な出身大学はスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大、ハーバード大学、オクスフォード大学、東帝大学、京帝大学などなど…。


 南は既に、「地下空間都市計画構想」の論文で東帝大学イノベーション専攻とスタンフォード大学創造専攻の両校で論文博士号を取得していた。尚且つ、同時にスタンフォード大学の客員教授にも赴任していた。

 このプロジェクトには、世界中からその道や研究者が集まり。ある意味!技術の祭典に近いものがあった。

 南は、文帝大学入学から英語の勉強には励んでいた。高校の時から英語の成績だけは抜群に良かった面もあった。それは総合商社に行く目標があったからである。残念ながら、そう夢破れる結果となったが…大学時代に英会話も得意科目の1つでもあったのだ。

何事も無駄はない!と言う事である…。


 南の壮大な夢がついに!動き出した。さぁ〜南統括官!今後の行方どうなる?


 南統括官は、イノベーション研究所の400人の研究者を引き連れてこのプロジェクトを統括していた。計画は様々な所で難題の課題にそれぞれ直面し、既に3年半年が経過した。やはり、一筋縄では行かないと覚悟していたが…予想以上に手こずる事が日に日に増していた。


 特に、人命への配慮から予定のサイズから縮小もやむ得ない事態も数多く発生した.

「南統括官、これ以上地下を掘り起こす事は非常に厳しい状況があります。何故なら、幾つかの岩盤地層が重なり合い。これ以上掘ると大変危険が伴うかもしれません?」とシニア研究者やチーフ研究者達から、早めの決断をに迫る事も増えた…。

 今の人間の能力や技術ではここまでが限界線なのかと無力感や挫折感を何度も味わう状況に遭遇する事が増えた。また、人命の差し迫る危険回避の為に、やむ得ない撤退を何度も余儀なくされた。


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