男は語る
ある男、トリノ・マーリハウスは一人で語る。幼馴染のシラノ・トロヴォロスについて、計画について。それは人気のない誰も気づかない場所で。
「聞いてくれよ、俺の愚痴を。」そんなことを誰もいないカウンターでつぶやく。
そして語り始める。
万能騎士は知っているか?戦闘においてはバフデバフ以外すべてできる最強の冒険者だ。そして、俺は幼馴染だから知っている。こいつは戦闘スキルのみならず料理掃除をはじめとした生活スキルも完壁にこなす。欠点なんて一人しかいないことくらいだ。
いやぁ昔はよく一緒に魔物と戦ったものだ。
私が補助して彼女が受け流し、斬り、そして撃つ、最高のコンビだったなあ。
なのに、なのになのに、冒険資格合宿からは、あろうことか俺という最高の相棒を忘れ、よくわからない奴らと冒険をし始めた。
俺の観察結果から、女3男1の4人パーティで冒険していると分かった。
わかったのだが、なぜ私がいないのだ!百歩譲ってまだ女二人は許そう。だが、どうして、あんな何もできない男を連れているのだ。
おかしい。ああぁぁあああぁおかしい。俺は?え、俺は?????
はぁぁぁぁ。落ち着こう。
気を取り直して。
そう。だから俺は計画した。あいつが俺とパーティをくめるように。そして彼女の"欠点"をなくしてあげるために。計画は99%まで進展した。さて、〆をしますか。