スマホに買い換えましたが。
先日、スマホに買い換えた。
スマホ"を"買い換えたんじゃない。スマホ"に"買い換えた。
約十年使っていた前の携帯を、3Gサービス終了に伴って、変えることとなったわけだ。
「そんなにガラケー好きなら、ガラケーもまだあるよ?」
……別にガラケーが好きなんじゃない。
知り合いのツテがあり、iPhone13という機種を手に入れた。最新ではないがすごいらしい。なんか、うらやましがられたり、「楽しんでね」って新しいスマホ生活?を散々祝福されたり……。
みな、『スマホ"に"買い換えた』ことを、まるで人生の躍進のように……とても喜ばしいことのように思っているようだ。「いいもの手に入れたね!!」って…・・・。
……どうも、俺の価値観は浮世離れしている。
確かに、新しい機種に買い換えられたことは嬉しかった。しかし、それは、買い換えたのが高性能の新スマホだったこととは別の理由だった。
十年使っているガラケーは、バッテリーがかなりへたっている。
「え? バッテリーって十年も持つの?」
って驚く人は多いが、使い方に無茶がなければ十分にもつ。それでも、電波飛ばしてると減りは相当早くなってはいた。
十年使った携帯だ。音楽を何百曲と入れ、写真を撮りビデオを撮り、ストップウォッチを使ってキッチンタイマーを使って、時計やカレンダーを読みながら、物語のネタが思いつけば、そのたびにメモ帳を開いて十年分である。
なにせスマホに比べて小さいし、折りたためるため画面が割れることはないから、過酷な条件でも安心して連れて行ける。
十年も使えばすべての操作を最短時間で済ませられるし、これほど便利な電子手帳もなかったものだ。
バッテリーはヘタっているのだが、やはりバッテリーを多く使うのは通信作業……電波を発信したり傍受したりという部分が多いらしい。それが常時圏外になった今、有能なポケット手帳として、長時間継続して使えることになったのだ。
俺としては、スマホ"に"買い換えて、それが新機種で高性能なことよりも、"相棒"が、バッテリーの減りを気にせずに、これまでと同様に俺をサポートしてくれることの方が嬉しい。
ともあれ、だから俺が新しいスマホを手にしても夢中になってない様が、どうもミナサマには理解できないらしい。そして、俺の喜ぶツボが伝わらないから、俺が何をすると本当に喜ぶのか、基本的にミナサマ分からないらしい。
ちなみに勘違いしておられる方もいらっしゃるのだが、俺は作家になること、プロになること、書籍化すること、などは、夢でもなんでもない。それこそ十年以上実現していないし、それがなければお話にならないのだが、本当に大事なのは"そこから"であり、"それまで"が実現してもたぶん、別に飄々としてるだろう。
そう。新機種で高性能なスマホを手に入れた、今のように。