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ルーカス視点

「リナ、幸せにできなくてごめん」



誰に聞かせるつもりでもなく、思わず口からこぼれた言葉だった。


幸せにできなくて…


いや、幸せにしたかった。


もしくは、自分が幸せになりたかったのかもしれない。



思い浮かぶのはリナの悲しそうな顔。


ずっと気がかりだった。


ある日突然リナがいなくなっていた。


散々突き放しておきながら、いざ目の前からリナの姿が消えてしまうと、絶望感に苛まれた。


ほんとは怖かった。リナが自分の元から去っていくこと、二度と会えなくなってしまうことが…


僕の心は醜い。


リナを…自分の都合の良いように側に置きたい気持ちがあった。


サラとの事を打ち明けようと何度迷ったことか….


リナは優しい。


きっと自分の側にいようとする。


僕も側にいてほしいから。


だがリナを巻き込むことは出来ない。


リナには、真っ直ぐに堂々と日向の人生を歩んでほしい。


いつだって、リナは僕にとって特別な人だった。笑顔が眩しくて、僕の心を明るく照らしてくれた。



だからこそ、冷たく接するしかなかった。

そうしなければ、リナを手放すことができなかった。そうしなければ…自分の気持ちに歯止めが効かなかった。


いつだってリナを目で追い求めていた。


カオリちゃん…


その可愛い面影はあの頃のリナを思い出す。

何のしがらみもなかったあの頃が懐かしい。


一つリナと違うところを挙げるとすれば目元だろう。彼に似たのだな。


彼は約束を果たしてくれたのだろう。


彼もリナのことを本気で想っていたのか。

自分で頼んでおきながら複雑な気持ちだ。


手渡されたハンカチを胸元のポケットに戻す。

 入れる時、懐かしいリナの香りがした。


カオリちゃんか…


歳月の流れを痛感した。













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