第三回:ここまでのおさらい
三章の簡単なまとめです。
「設定がゴチャゴチャしてこんがらがってきた」とか「このキャラのフルネーム何だっけ?」となった時にお読みください。
○超簡易あらすじ
・新たな敵と白髪の荒神
"王の器"と呼ばれる特殊な荒神・水野猛。
昏睡状態に陥った彼を連れ去るため、新たな現神が病院を強襲する。
明たちは謎の少女と共に敵を撃退するが、彼女は明から勾玉を強奪すると、意味深な言葉を残して姿を消した。
・武内家
明朝。明と望美は事件の真相を掴んでいると思しき生徒会長・武内を問いただすため、今井町へと向かう。
武内は不在だったが、代わりに副会長の門倉が自らの知る情報を明かしてくれることになった。
門倉の話によると、現神こそが記紀神話に記されたいにしえの神であり、荒神は彼らの力を分け与えられた存在なのだという。
生徒会は現神と戦うための組織であり、その構成員も多くが荒神とのこと。
明たち荒神は生徒会によって見守られ、同時に警戒されていたようだ。
明は門倉の話を聞きながら、現神の封印を解いたのは荒神ではないかという疑念を持つ。
・璃月斗貴子の提案
門倉との話を終えた明たちの前に、勾玉を奪った少女……璃月斗貴子が再び現れる。
事件から手を引くようにと警告する斗貴子だが、明はこれを拒否。斗貴子の持つ情報と、自身の進退を賭けて決闘を行うことになる。
時間を操る異能・ツクヨミに苦戦するも、なんとか勝利を得る明たち。
敗北した斗貴子は彼らの力を認め、現神の背後にいる真の黒幕……荒神ニニギの存在を伝えるのであった。
・シナツヒコとの決戦
斗貴子の発案を受けて、病院を襲った現神……怪鳥シナツヒコの討伐作戦が開始される。
現神の遺す勾玉"ヤサカニ"を摂取することで異能を強化した斗貴子は、圧倒的な力でシナツヒコを追い詰める。
しかし、あと一息のところでヤサカニの副作用が斗貴子を襲う。
一転窮地に追い込まれる明たちだったが、そこに復活した猛が参戦。彼の助力によってシナツヒコの撃破に成功する。
戦闘の後、明は武内を説得し、猛の生徒会入りを了承させる。
現神に狙われるさだめは変わらないが、猛はひとまずの安全と、共に戦う仲間を得ることができたのだった。
○作中の用語および地名
・武内家
記紀神話に名を残す天皇家の側近・武内宿禰の血を受け継ぐ家系。
彼らの一族は飛鳥地方に封印された現神と八十神を監視するために存在していたが、その使命は時代の流れと共に忘れ去られていった。
現在は現神の存在を知る武内暁人だけが使命のために動いている。
・遺跡
飛鳥地方に点在する先史文明の遺跡群。高度な電気技術の片鱗がそこかしこに見受けられる。
極度の電磁波障害により、荒神以外の者がその入り口を見つけることはできない。
複数ある遺跡のどこかに現神の本拠地があると考えられている。
・フトタマの結界
遺跡に蓄えられた大電力によって生み出される結界。"電子霧"を利用して対象地域を隔絶された異次元へと転移させる。
電子霧とは強力な電磁波が作り出す白い霧であり、電子霧には物体消失や次元転移などの力が備わっているという。
余談だが、米軍のフィラデルフィア実験やバミューダトライアングルなど、世界中で起きる様々な消失事件の現場で電子霧と思しき白い霧の存在が目撃されている。
・現神
記紀神話のモデルとなった存在。有史以前は古代人に神々と崇められ、遺跡を管理していた。
二千年近く封印されていたが、数年前に復活。荒神ニニギの指揮の下、他の荒神たちを狩っている。
彼らがどこから現れたのか、なぜ封印されていたのかは今もって不明のまま。
木津池は彼らの正体について有力な仮説を立てているようだが……。
・三貴士
アマテラス、スサノオ、ツクヨミ。
古事記において、黄泉の国から逃げ帰ってきた父神イザナギが体を清めた際に生まれた三柱の神を指す。
伝承の中では他の神々より特に尊い存在だと見なされている。
・ヤサカニの勾玉
現神の肉体に埋まっている異能の核。荒神がこれを摂取すると、少しの間だけ異能が強化される。
ただし、過ぎた力は肉体に過剰な負荷をかけ、内臓の損傷や異能の一時使用不能といった副作用をもたらす。
○キャラ設定
・璃月 斗貴子
<所属>県立佐原高校 2-5クラス所属。
<性別>女
<年齢>16歳
<容姿>白髪ロング。瞳の色は赤。猫のような眼つき。
<体格>身長156cm
<服装>黒のブレザーに黒のネクタイ。ミニスカートに黒のハイソックス。
<家族>母。父(離婚済み)。双子の弟(水野猛のこと)。
<能力>三貴士ツクヨミの眷属であり、触れた物の時間を加速、減速、停止させる。時間を戻したり、タイムトラベルをすることはできない。
謎多き荒神の少女。人を食ったような性格で、容易に本心を悟らせない。
なぜか現神に強い敵意を抱いており、単身で事件の調査に乗り出している。
明のことを知っているような素振りを見せるが、果たしてその真意とは……?
・武内 暁人
<所属>私立高臣学園 3-1クラス所属。生徒会会長
<性別>男
<年齢>17歳
<容姿>強面。丸坊主。角ばった顔。仁王。瞳の色は灰色。
<体格>身長193cm。筋肉質で熊のような体。
<服装>黒の学ラン。黒のズボン。革靴。「武」の文字が入った黒のマントを羽織っている。
<家族>母。父は早くに死別。祖父源助も数年前に死別。
<能力>無し。極限まで鍛え上げた肉体で戦う。
驚異的な体躯と老け顔と頑迷さを併せ持った生徒会長。現神の封印を監視してきた武内家の末裔でもある。
祖父の死を機に現神の存在を知ると、彼らの討伐と増え続ける荒神の対処に動き始める。
荒神たちの多くが力に溺れ、私利私欲のために力を使う姿を見てきたため、今では荒神の存在自体に嫌悪感を抱いている。
・門倉 眞子
<所属>私立高臣学園 3-1クラス所属。生徒会副会長
<性別>女
<年齢>18歳
<容姿>紅色の髪を後ろでシニヨンのように編み込んでいる。瞳の色は茶色。
<体格>身長160cm
<服装>暗い朱色のセーラー服。ローファー。生徒会の赤い腕章。
<家族>両親と兄。
<能力>アメノトリフネの眷属。2つの球形力場内部の物を入れ替えることができ、これを利用して疑似的なワープも可能。
代々武内家と深い関わりのある家に生まれた少女。
彼女の家は普通の会社員一家だが、自身が荒神となったことで武内暁人に力を貸すことになる。
曲者揃いの生徒会の中では比較的まともな応対が期待できる人物。良く言えば常識人、悪く言えば日和見。
・毘比野 健作
<所属>奈良県警 藤原署刑事課所属 警部補
<性別>男
<年齢>50歳
<容姿>白髪混じり。ごつごつした岩のような顔。瞳の色は茶色。
<体格>身長171cm。がっしりとした体格。
<服装>土色のトレンチコート。鉛色のスーツ。
<家族>妻と娘
市内の藤原署に20年近く勤務している古株の男。現場主義で昇進にはあまり興味がない。
ここ数年で奇妙な失踪事件が多発していることに怪しい気配を感じ、通常捜査の傍ら調査を進めている。
・シナツヒコ
<所属>現神勢力
<性別>男
<年齢>2000歳以上
<容姿>巨大な鷹
<体格>灰色の翼が左右に二対生えている
<服装>なし
<能力>周囲の気流を自在に操る。
現神の一柱。プライドが人一倍高く、人間を見下している。
自分たちを解放してくれたニニギを妄信しているが、彼の協力者である"あれ"のことは毛嫌いしているようだ。
"あれ"に命令されて渋々水野猛を捕らえようとしていたが、最後は明たちによって討伐される。




