第九回・ここまでのおさらい
九章の簡単なまとめです。
「設定がゴチャゴチャしてこんがらがってきた」とか「このキャラのフルネーム何だっけ?」となった時にお読みください。
○超簡易あらすじ
・終わりの始まり
新たな神代計画はとうとう最終局面を迎えていた。
荒神因子の解析作業は完了し、ヒトを神にアップデートする準備は整った。
計画の発動に先駆けて、ヒルコは不穏分子の排除とアマテラスの確保を稲船に要求。稲船はそれに応じ、荒神たちの集まる高臣学園へと向かうのであった。
・祭の裏側で
その夜、高臣学園では年に一度の学園祭が行われていた。
捜査の息抜きにと学園へ訪れた明だったが、穏やかなひとときも長くは続かなかった。
明たちは稲船の作り出した異空間「幽世の函」に捕らわれ、さらに強力な力を得た八十神たちの襲撃を受けてしまう。
幽世の複雑な地形と敵の波状攻撃に悩まされる明たち。そんな彼らの前に現れたのは、クロエのヤタガラスだった。
ヤタガラスの導きによって明たちは迷路を抜け出し、幽世の起点へと向かうのであった。
・第三の道
学園の屋上にて明たちは稲船と対峙する。
稲船は沙夜の病気を治療するために神代を望んでいる。同情した明は言葉による説得を試みるが、稲船の決意は固い。交渉の決裂は必然だった。
苦戦の末に稲船を撃破する明たち。しかし、それでも稲船は頑として敗北を認めようとしなかった。
もはやどちらかが死ぬまで戦い続けるしかないのか……と思われた時、クロエが稲船にもう一つの選択肢を提示する。
それは新たな神代に頼ることなく沙夜を救う道。この町に生きる荒神の力を結集することで、新たな可能性を模索しようというのだ。
クロエの言葉に心動かされた稲船はようやく負けを認めたものの、全ては遅すぎた。
新たな神代はもう止められない段階まで進んでいる。そして稲船の話によると、既にヒルコはアマテラスの肉体を確保しているという。
王の器とも呼ばれる三貴士アマテラスの末裔……その正体は明たちもよく知る少女、新田晄だった。
○作中の用語および地名
・幽世の函
かつて武内宿禰が天之御柱を封じるために編み出した結界。
それはフトタマの結界を何重にも重ね合わせることで生み出される次元の迷宮である。
○キャラ設定
・稲船 隆二
<所属>現神勢力首領
<性別>男
<年齢>38歳
<容姿>オールバックの黒髪。無表情。
<体格>身長179cm。細身
<服装>灰色のスーツ。
<能力>ニニギノミコトの眷属。生命力を操り、自分や対象の力を一時的に増減させる。この能力は異能にも適応できる。
八年前、父の後を継いで学園の理事長に収まった男。
合理的だが他人の心を顧みない経営、教育方針で反発を招くが、当時新任教師だった長倉沙夜と激しい衝突の末、人間らしい感情を学ぶようになる。
ヒルコの誘いに乗ったのもすべては彼女のためであり、心の底では神子ニニギとして振る舞うことに強い抵抗があった。
彼はあくまで、自分を一人の人間として見てほしかったのだ。