第七回・ここまでのおさらい
七章の簡単なまとめです。
「設定がゴチャゴチャしてこんがらがってきた」とか「このキャラのフルネーム何だっけ?」となった時にお読みください。
○超簡易あらすじ
・いざ忌部山へ
三輪山を巡る攻防から数日後。ようやく目を覚ました明はスクナヒコナとの会談に臨む。
荒神狩りを否定しつつも現神の蛮行を看過していたスクナヒコナ。彼女は自らの行いを謝罪したのち、明たちを忌部山へと誘う。
忌部山には古代文明の地下廃棄施設「黄泉平坂」の入り口が隠されていた。
そして、その先には高天原最大の遺跡「天之御柱」を起動させるための鍵……磁石結晶イザナミが封印されているのだという。
・神話の始まり
黄泉平坂に向かう途中、スクナヒコナは数多くの秘密を語る。
暴走したイザナミと神産みの終焉。原初の荒神である三貴士の誕生。そして黒幕であるヒルコの正体。
かつてヒルコは高天原の王子だったが、神産みの失敗によって醜い姿になり果ててしまったため、黄泉平坂に封じられていた。
今一度真の神へと至るため、ヒルコは新たな神代と三貴士の肉体を求めた。その執念こそが現神を復活させ、此度の事件を引き起こしたのだった。
・炎神の目覚め
黄泉平坂最深部へと辿り着いた一行。しかしイザナミは既に持ち去られており、そのうえ現神の策略によって禁忌の炎神ヒノカグヅチが解き放たれてしまう。
暴走したヤサカニの生み出す超高温が明を苦しめるが、制御不能の力はヒノカグヅチ自身の首を絞めることになる。
火球と化したヒノカグヅチは辺り一面を溶かし尽くし、地下水脈の底へと沈んでいった。
○作中の用語および地名
・忌部山
橿原市南西部にそびえる小さな山。
現神アメノフトタマを信仰する豪族「忌部氏」ゆかりの山であり、山中にはフトタマの結界に隠された地下トンネルがある。
・黄泉平坂
超古代文明・高天原が作り出した地下大空洞。
元々は奈良盆地の湖水を排出するための穴だったが、のちに廃棄施設として利用されるようになる。
施設最下層にはヒノカグヅチ、ヒルコ、イザナミといった高天原の暗部が封じられていた。
・三貴士
アマテラス、ツクヨミ、スサノオと呼ばれる三種の荒神を指す言葉。初代三貴士はヤサカニを大量摂取した胎児が電磁波の影響で突然変異したものである。
他の現神にはない強力な異能を有しており、それでいて現神のように肉体が溶けることもない。ある意味現神よりも真の神に近いのかもしれない。
○キャラ設定
・スクナヒコナ
<所属>現神勢力→無所属
<性別>女
<年齢>2000歳以上
<容姿>藍色の長い髪に少女然とした体。
<体格>身長145cm。肉体年齢は十代前半。
<服装>白い貫頭衣
<能力>蟲と呼ばれる生体ナノマシンを散布し、情報の収集や簡単な医療行為等を行うことができる。
現神の一柱。彼女はどちらかというと失敗作の部類であり、他の現神のような異形の体や強力な異能を得ることは叶わなかった。
性格は臆病で小心者。荒神狩りに反対したため三輪山で軟禁生活を送っていが、現在は武内邸で暮らしている。
・ヒルコ
<所属>現神勢力
<性別>男
<年齢>2000歳以上
<容姿>ぶよぶよした肉の塊。
<体格>不定形。
<服装>無し。
<能力>他人の肉体に入り込み支配する。厳密にいうと異能ではない。
高天原の王子であり、神産み計画の発案者。
元は人間だったが、神産みの失敗が彼の肉体をおぞましい肉塊へと変貌させてしまった。
権威の失墜を恐れた王族たちにはヒルコを黄泉平坂に閉じ込め、彼の存在を抹消した。
それから二千年後、地上へ脱出したヒルコはニニギや現神に新たな神代計画を持ち掛ける。全ては自らが神となるそのために。
・ヒノカグヅチ
<所属>無所属
<性別>男
<年齢>2000歳以上
<容姿>燃える岩とマグマの集合体。その形は人の上半身を模している。
<体格>可変。基本は軽乗用車くらいのサイズだが、ヤサカニの出力上昇に応じて大きくなっていく。
<服装>無し。
<能力>炎と熱を無限に生み出す。
現神の一柱。元は大貴族の一人息子だったが、実験中に起きた事故のせいで異能が暴走した。
心身ともに制御不能となった彼は黄泉平坂へと移送されることになる。
人間時代は現神ナキサワメと交流があり、彼女と似た雰囲気を持つ明に接触を図ろうとする。
互いの誤解と行き違いによって一時は交戦状態となるが、最後は明たちを焼き尽くさぬようにと自ら水中に身を投じた。