ナイトツーリング①
大量の書類を書き終えた。ふと、時計を見ると公務終了の時間だ。いつの間にか横山も帰ってきていた。
負傷した足立さん以外は、部屋に集まり終礼を行う。
「今日1日お疲れ様ー。明日から頼むわね?」
「ってことは、お留守番係解放ですか!?」
横山が嬉しそうに、班長に訪ねる。
「まぁ、そういうことになるのかな?今まで通りにやっていけばいいってことよっ。」
終礼を終え、俺たちは帰路につく。
「足立さんどうやって帰るんだろう。」
「歩いて帰る訳にもいかないわよね。」
「俺がバイクの後ろに乗っけて帰るか!」
「そうねぇ。そうしたら?」
なんか星沢さんの声が冷たい気もするが気にしないでおこう。
医務室を訪れると、足立さんが座っていた。
「どう、まだ痛む?」
「だいぶ収まってきたけど、歩くと痛いわね。」
「歩いて帰るのは無理そうだから、俺の後ろに乗る?バイク。」
「え?いいの?」
「うん。」
「じゃあ、すぐ前にバイク持ってくるからここで待っててよ。」
「分かった。ありがとう空野くん。」
駐輪場からバイクを持ってきて、足立さんを呼びに行く。
「足立さん外まで歩ける?」
「そ、それくらいなら⋯⋯。」
苦戦しながらも、バイクにまたがることに成功した。
「思ってたより怖いね。」
「腰掴んでて!落ちたら困るから!」
ギュッ
背中になにか柔らかいものが当たる。
ダメだ。安全運転!気にしたら事故る!
背中に存在を感じながら夜のドライブ(家に送るだけだが)が始まった。