公務開始っ!
「いやー。若い子の下着姿は最高だねぇ。」
いや、充分あなたも若いと思いますけど・・・・・・。
「班長!どんな下着でした??」
マッチョに変態キャラって最悪な組み合わせじゃね?
「横山、そんなことばっかり言ってたら嫌われるぞ」
「す、すみません。タイプじゃありません。」
星沢さんがガチトーンでそう言い放った。横山の顔は一瞬にして青ざめた。
「分かってる。じょ、冗談で言ったんだよな・・・・・。気にしないで。はははぁ。」
最後の方愛想笑いにため息が混じっていた。かなり落ち込んでいるようだ。
「出会って1時間半で、そこまで言い合えるなら、問題なさそうね・・・・・・。」
「それじゃ、部屋行くわよっ」
俺達は、班長について行く。
「交番から引き継いだって聞いたから結構狭いのかと思ってましたけどそうでも無いんですね。」
「そうねぇ。ここは広い方なのかしらね?他の警戒部に移ったことないからわかんないわ~」
「でも、調布飛行場の保安室は酷いって聞くぞ!俺の親父、調布の空港保安官なんだよな!」
最近出来た機関であることから家族ぐるみで空港保安官というのは珍しい。
「えー?調布飛行場の横山さんって君のお父さんなの!?」
「班長っ!知ってるんすか!」
「2年前まで居たわよ~。変態オヤジだったけど。」
やはり親子似たもの同士か。
「羽田にいたなら言ってくれれば良いのによぉ。」
多分、その噂が息子に知られたくないから言わなかったんだろう。
「じゃあ、適当に座ってー」
「失礼しまーす」
横山の向かいに俺が座った。そして何故か、女性陣2人は俺の隣に。
「え?なんでみんな空野のとなり?」
「い、いやぁ。深い意味はないのよ。うん。」
すげぇ。深い意味ありそうな感じに足立さんが言った。
「星沢さんまで~ひどいよぉ」
「私は、女の子同士仲良くやりたいから隣に。ね?足立さんっ」
「だねだね!仲良くなりたいもんね!」
女性の団結力はすごいなぁ・・・・・・。ハメ外したら俺まで避けられそうだから気をつけよう。
「じゃ、私ここでいいわよっ!」
「は、班長~。やさしいですねぇ。一生ついて行きます!」
「一生はやめてねっ。せめて移動するまでっ」
ニコッと優しい笑顔でそういった。逆に大打撃だろう。
「冗談ですよ~」
そうでも無かったようだ・・・・・・。
「それじゃ、装備確認します!起立!」
ザッ
一斉に立ち上がる。集団行動は保安学校でしっかり叩き込まれたので完璧だ。
「警棒!」
『よし!』
「手錠!」
『よし!』
「防弾チョッキ!」
『よし!』
空港保安官の武器は、基本的に警棒のみだ。警察官は拳銃を所持しているが、空港施設内のみが公務範囲であり、人口密度が高くかなり発砲は危険なため緊急時以外は装備しない。拳銃は各班に2丁配備されている。
「これより公務を開始します!」
「敬礼!」
ザッ
『よろしくお願いします!』
こうして、俺達の空港保安官の公務が始まった。