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夢の始まり

小さい頃から何かを守る仕事に就きたいと考えていた俺は、飛行機が好きだったこともあり進路を空港保安庁に決めた。

 空港保安庁とは、度重なるテロに対抗するため専門知識を持った職員が空港の治安維持に務める機関である。いわば、空港専門の警察官みたいなものだ。


 高校を卒業して空港保安学校に進学した俺は、無事全過程を修了し空港保安官になることが決まった。それに、夢に見ていた羽田空港に配属することになった。


「よっしゃー!」

 嬉しさのあまりに、声が出てしまった。

「近所迷惑になるからほどほどにしとかないとな・・・・・・」

 明日は、初公務の日だ。早めに寝ておこうと、親に配属が決まったとメールをして眠りについた。



 張り切りすぎて、かなり早く羽田空港に着いてしまった。集合は6時となっていたが、まだ5時だ。

 バイクで来たのだが、配属の仲間がいるかもと駅のホームをうろうろする。

 しかし、ここに居ても仕方がないと思い、保安室に向かうことにした。

「いやー。羽田は本当に広いなぁ」

 羽田空港は高校の修学旅行で来て以来一度も来ていない。事前に配られた地図に目を凝らしながら、目指す。

「あぁ、あったあった。」

 やっとの事で、公安署に到着した。これだけ広い空港の治安を維持するはとても大変だろうと今更ながら思う。

「あ、あのー」

 後ろから、若い黒髪の女性に声をかけられた。

「急に声をかけてすみません。保安室はここでいいのでしょうか?」

「ここで合ってますよ!」

「ありがとうございます!あなたも今日から配属ですか?」

「はい、空野裕翔って言います!第3班に配属です!」

「同じく、第3班に配属の星沢美帆です。よろしくお願いします。」

 第3班の保安室は第2ターミナルにある。前までは、交番だったらしい。


 30分ほど待っていると、新規配属のメンバーが揃った。

「俺、横山光輝っす!よろしくお願いします!保安学校では運動馬鹿って呼ばれてました!」

 確かに、運動神経も良さそうだしいい体つきをしている。保安学校を出ていれば、全員警察官レベルの訓練は受けてはいるが、ずば抜けて凄そうだ。

「まぁ、この仕事体力があってなんぼですしねぇ・・・・・・」

 星沢さんはマッチョはタイプではないのか少し引いている。

「それで、私は足立光希です!よろしくお願いします!」

 こっちの子は、ロングヘアでスタイル抜群だ。

「そろそろ、集合時間ですね・・・・・・」

 全員、緊張からかかなり顔が強ばっている。


「あー!みんな待った?」

 すごくラフな格好でテンション高めの女性がやってきた。いかにも、若者って感じだ。

「空港保安庁羽田警戒部第3班班長重田里美っよろしくねっ。」

 彼女はそう言いながら、保安手帳を開いてみせた。


なんだ、そこまで緊張する必要なかった・・・・・・。ここにいる4人は少なくともそう思った。

 まぁ、班長が優しそうな人で良かった。というのが本音だ。

「それじゃ、入って入って!」

「失礼します!」

 中は、ついたてで仕切られただけでの部屋が3つあり交番のようにカウンターがある。

すると、奥の部屋から厳つい男の人が出てきた。

「おっ、新人たちだな!俺は、第2ターミナル保安室主任津田健二郎つだけんじろうだ!よろしくな!」

「見た目は、怖いけどすごく面倒見いい人らしいから!」

「班長?らしいじゃなくて面倒見がいい!だぞ~」

「あははっ、すみませーん!」

 思っていたよりも馴れ馴れしいな・・・・・・。

「それじゃあ1時間後に主任室に1人ずつ来るように!」

 1時間後だと公務の時間はとっくに始まってしまうが大丈夫なのだろうか。初日だし、まぁ深くは考えないでおこう。


「で、着替えはこっちでやってね!男は右で女の子は左!空野、横山のぞくなよ~。2人ともいいから出してそうなんだからっ」

「見ませんよ!なぁ横山!」

「あの子達の下着見れるの私だけー♡」

 元気のいい班長で何よりだ・・・・・・・・・。

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