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竜の親、人の子  作者: 暁月夜 詩音
第四章 竜と人が住む町
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0010-02

 次の日。



 八人は領主主催のパーティー会場に居た。ホールを貸し切って、主要な人物の多くが参加している。名目は、『人と竜の交流記念』である。



 ヨイヅキ達を多くの人達が、無遠慮に見ていた。スイハやグレンゲ、コウリョ等は馴れている、と言うよりも気にしないのか自分のペースであっちこっちで話しかけられている。



 まだ正確にはパーティーは始まっていない。ただ集まっているだけである。パーティーの主催者による宣言を終えて始まるのだ。


 そんな中、ヨイヅキの元に独りの男がやって来た。かなり恰幅が良い男である。装飾品等から貴族だと分かる。


「これはこれは、ヨイヅキ殿ではありませんか。私、エグレ・シャルリーン。シャルリーン家、党首でございます」


「ご丁寧にどうも。ヨイヅキ・ソーレイドだ」

 一応、一度だけ顔を見せているので覚えられていたのだろう。



「娘様も麗しく、どうです? ぜひ内の──」

「断る。他人に決め付けられた人生等、面白くもないだろう?」


 あくまで笑顔でそう言った。カーミレの未来は、カーミレに決めさせると。策略の駒ではない、と言うように。



「そうですか。いやぁ、残念です」

「そうか、では」

 足早にカーミレを連れて去っていった。残念です、と言いながらも微塵も諦めていないような気がした。


 カーミレがヨイヅキを見ながら不思議そうにしていた。





「本日はお忙しい中、お集まり頂き、ありがとうございます。主催者から開始のご挨拶です」


 ちょくちょく会っている、ナルトリアの領主とその給仕のミナの言葉により、ざわついていた会場は一瞬で静かになった。その隣には、現領主であるゼルフォ・ナルトリアが立っている。



「今日は、祝いの日だ。共存に一歩一歩進んでいるナルトリアへの。食事と踊り、楽しんでいってくれっ!」


 その言葉を皮切りに、パーティーが正式に始まった。







「数日ぶりだな。ヨイヅキ殿」

「あぁ。そうだな。ゼルフォ殿」

 真っ先にゼルフォがヨイヅキの所に来た。友好関係を示したかったのだろうか?




「お初にお目にかかる。焔と破の古竜 グレンゲだ」


「ヨイヅキがお世話になっています。霧と断の古竜 スイハです。以後、お見知りおきを」


「ボクは、光と癒の古竜 コウリョだよ。よろしくね」


「私は緑と陽の古竜 リョクハです。よろしくお願いします」


 コウリョ以外は口調がいつもより丁寧だった。まぁ、そんなには変わらないが。全員が全員、人形でいつもよりも豪華な衣装を着ている。


 一応、古竜と言うのは竜族の頂点に立つものである。要るだけで、同じ系統の竜には加護が与えられるのだ。それに、入れば士気が高まる。



「このナルトリアを治めている。ゼルフォ・ナルトリアだ。今後ともにより良い関係であることを願う。堅苦しい話は抜きだ。今日は良い音楽隊も来ている。踊るといい」


 それだけ言うとゼルフォは去っていった。

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