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竜の親、人の子  作者: 暁月夜 詩音
第三章 竜達の暮らす里
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終話 それは、きっとオワリとハジマリ。

0008-04


 古竜達の意見は決まった。もともと、古竜の決断には他の竜が不服を申し立てることはできない。


 出来るとしたら、今いる古竜を倒して古竜の血を得なければならない。その後に、新しく他の古竜を説得する必要がある。



 もっとも、私利私欲のために古竜が働いたなら他の竜が集団で攻められても文句は言えないので慎重に行かなければならない。




 ナルトリアの領主の元へヨイヅキは向かった。先日も来ていたので割りと直ぐに邸の中に入ることができた。



「色の良い返事が帰ってくることを期待している」

「影と茨の古竜たるヨイヅキ・ソーレイドは竜族を代表して宣告する」


 前と同じ場所にゼルフォは座っていた。ニコニコとしていながらも目は笑っていない。そんな中にヨイヅキは静かに宣言した。



「この同盟。有り難く受け入れさせてもらう。それともう一つ、お願いがある」

「なんだ?言ってみろ?」

 了承を得ることができて一瞬だけニヤリとした。それは、竜達を利用し尽くす為の笑いではないだろう。



「ナルトリアの町にて、竜人達にナルトリアの住民として何人か住まわせて欲しい。この町の人間達がどのような反応をするのか、見てみたい。場合によっては、残念だが現状維持でこの町には住まないが」

「いいだろう。なら文書を正式に発表しよう」


 ここから細かく条文が決められたのだが割愛しよう。人と竜とが、平等である条文が結ばれたことだけはここに記しておく。


※※※


 そしてこの日、世界を震撼させる同盟の内容がナルトリアから発表された。


 大神殿があるのみで、他に目立った特産品も軍事力も無い。攻め落とそうと思えば、攻め落とせる程の恐れるに足らない町が同盟を組んだというのだ。



 その同盟の相手は、なんと滅んだと言われていた竜人。また、竜人と人とが暮らせるように少しずつ町を慣らしていくとも、発表があった。



 これが各国で問題になった。



 竜人と言えば、十刻災厄を討伐できると噂されている存在である。それが、大量にいるのだ。悪夢でしかない。



 だが、各国への侵略はしないと同時に発表された。攻め込まれた際は容赦しないとも。



 また、ナルトリアの町人は納得したような雰囲気だった。向こうからしたら得体の知れない人達が肩を並べるというのにだ。


 だが、皆口を揃えて言った。「同じ人間だろう?少しだけ見た目が違うだけで」誰かがいい始めた言葉だったのだが、不思議と全体に広がった言葉。差別などは起こらないだろう。この町では、きっと。



 しかしまだまだ、問題は残っている。だが、竜と人とが手を少しだけでも結べたことにはなるだろう。


 ヨイヅキの夢はもう少しで達成されそうである。



「かの古竜は願い続けて幾星霜。竜と人とは再び手を取ることができるのか?果たして世界は十刻災厄の渦に巻き込まれ消えてしまうのか?全てをしかと見届けよう」


 薄く月明かりが指している夜。細い細い塔の上に黒い兎が立っていた。


「だが十刻災厄は、あと七体。最強最悪の敵がまだまだ残っていますよ?浮かれていて良いのですか?影と茨の古竜さま?」


「それでも、俺は夢を叶えてやるさ。邪魔なら協力して倒すさ。そうだろう?黒兎?」

 その隣にはヨイヅキがいつの間にか座っていた。



「そうでしたねぇ」

 クスリと笑って黒兎は闇へと消えていった。ヨイヅキは少しだけ塔の上から辺りの景色を見ていた。

完。






あとがき。

 暁月夜です。タイトルからして驚いたでしょう?まさかの終話です。0008-04じゃないんですよ。


 さぁ、あまり文章能力などなど成長しておらずにモヤモヤとした結末に思えるかも知れません。ですが、これが暁月夜の本気です。あ、そこの見限った人!もう少しだけ見限らないで、待ってくださいな。


 どうでしたでしょうか?


 この物語、カーミレがそこそこ重要な役割を果たしていた気がします。最初にヨイヅキが拾っていなければ、この物語はここにたどり着かなかったはずです。


 さて。このあとがきを読んでいて、あぁ、終わるんだなぁ。って思った人!


 残念ながらまだまだ続きますよ!ヨイヅキの願いは叶いました。ですが、まだまだ問題は一杯あります。まだ十刻災厄も三体しか出ていません。



 まだまだ、『竜の親、人の子』は続きます。もう少し、お付きあいください。

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