表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の親、人の子  作者: 暁月夜 詩音
第一章 始まりや出会い
17/65

0003-04

「まずいな。と言うことは」

「多分、滅びた十刻災厄は石が砕けて」


「現在現れている十刻災厄は石が輝いている、ということだろうな」


 シュトラウスの言葉を続けて話す。状況的にはかなりまずい状況である。


 十刻災厄が二体もほぼ同時に現れる可能性があるということだ。どれ程の犠牲がでるのか計り知れない。もしかしたら、世界が滅びる可能性もある。



「弐之刻《教皇》と参之刻《恋人》か……」

「各神殿に声を掛けてみる。気付かせてくれてありがと。そして、さっきはごめん。イライラしてて。じゃっ!気を付けて!」

 勢いよく扉を閉めて走り出した音が聞こえる。


「なら、こっちも……………カーミレを待っとかないとな」

 部屋から出て、神殿の椅子に座っていた。





※※※





 待つこと三十分。カーミレが友人を引き連れてやってきた。何気にカーミレの友人とは会ったことがなかったので驚いた。


「ヨイヅキ~!来たよ」

「来たか。あと、大声を出すな。周りに迷惑だろう?」


「あ、そうか。ごめんなさい」

 えへへ、失敗というように笑っていた。友人は三人居るようで赤髪と青髪の男の子と緑髪の女の子だった。


「ヨイヅキ。おともだちを紹介するね。こっちの子から、セール、ゼエシ、ムムルだよ」

 赤髪がセールで、青髪がゼエシ。そして、女の子の緑髪がムムルらしい。こんにちはーと声を揃えて挨拶してきた。



「いつも、カーミレが世話になっている。遊んでくれてありがとな」

 そう言うと、じゃーねー!と三人は駆け出していった。そんなに怖い顔をしたかと勘違いしショックを受けるヨイヅキであった。



「なら。帰るか」

「うん!」

 すっかり夕暮れとなり大通りが夕日で赤く染まっていった。


「なんか、夕飯作る気にならんな」

「なら外食する?」


 キラキラと目を輝かせていた。たまには外食もしたいのだろう。


「そうだな。たまには外食も良いかな」

「ご一緒しても?」

「うわっ!誰?」

 陰から小さな兎が顔を出した。大きさはカーミレの半分ぐらいであり兎としては大きい部類に入るだろう。



「お初にお目にかかります。影と茨の魔術師のお弟子サマ」

「何しにきた?黒兎」

 そう目の前の兎は黒兎と呼ばれる情報屋である。人ではないが。


「その格好で飲食店に入れると思ってるのか?」

「これでいいです?」

 ぐちゃりと黒兎が液状化した。一瞬、カーミレがビクッとした。驚いたのだろう。


「これでどうです?おとーさん?」

 カラカラと笑いながら茶化して言った。何が琴に触れたのかカーミレがむくれた。


「やめてくれ。縁起でもない。まぁ、その格好が出来るなら入れるか」

 黒兎の格好は、小さな男の子のような姿だった。そこら辺に売ってあるような簡素な洋服であった。そして、付近にあった料理店にいく。



「いらっしゃいませ!」

 給仕服の少女が出迎えてくれた。三名で食事をするとだけ言うと分かりました、というと個室に案内された。



「三人分、オススメのものを」

「わかりました!すぐにご用意いたします」



「それで?本当の用件はなんだ?黒兎」

「ねぇ、カーミレ。黒兎ってなんなの?」

 率直な疑問である。言い方が言い方なら、喧嘩を売ってるようにしか聞こえない。


「私は、仕事上本名は明かしません。なので、黒兎ととお呼びください。私が何物か、ですか。その情報には対価が必要ですよ?」

「カーミレ、こういうヤツなんだ。なら対価はここの飯代でどうだ?」


 対価が必要、と言われて驚いた顔をするカーミレ。


「では、対価を頂けたのでお話しましょう。私は闇から闇を渡り、水から水も渡ります。そこに潜むこともできますよ。この能力を使って情報屋をやってますよ」

 そう伝えるとピンポイントで料理がやったきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ